金融教育公開授業
平成19年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
島根県金融広報委員会
金融広報中央委員会
島根/浜田市の実施報告
「金融教育公開授業 in 島根(浜田商業高等学校)」(10月12日開催)
10月12日(金)、島根県立浜田商業高等学校において金融教育公開授業が行われました。当校は昭和40年に創立され、眼下に浜田商港を望み、背後に三階山(みはしさん)を仰ぐ自然豊かな環境の中に位置しています。現在、商業科、国際情報ビジネス科、情報処理科の3科合わせて452名の生徒が学んでいます。同校は18年度に県下の高等学校では初めて、金融教育研究校としての委嘱を受け、日頃から様々な教科で金融教育を実施しています。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
保護者・関係者等の参観者が見守る中、商業科1年生4クラスの各教室では「ビジネス基礎」、同3年生3クラスの各教室では「経済活動と法」の公開授業が行われました。「ビジネス基礎」では、銀行の基本的な業務について、主な預金の種類やその業務の意味、銀行を利用する際に注意する事柄について学びました。「経済活動と法」では、「財産権の保護」という観点から担保の意義について理解したほか、保証債務の意味や債権者、主たる債務者、保証人の立場から「信用」の重要性について考えました。
参観した人からは「身近な問題を例に挙げて多くの生徒に質問しながら説明していたので、大変分かりやすかった」との感想が寄せられました。
(公開授業の模様)
2.講演会
開会にあたり、尾崎校長が「国際化、情報化が進展する中で、激しく動く経済活動の仕組みを理解し、適切に行動することが必要になってきます」と挨拶された後、生活経済ジャーナリスト、いちのせかつみ氏が「きみは狙われている!本当に怖~いお金のはなし」というテーマで講演されました。
冒頭、「血液型占い」を話題に「お金持ちになる人や成功する人は、血液型とは関係ない」し、「お金がたくさんあればいいのではなく、賢くお金を使えるかが大事」と話されました。
次に、身近にあるコンビニは、店内の配置、商品の場所など「買わせるための策略を結集してできたもの」と紹介したほか、スーパーのチラシについても、購買意欲をかきたてる工夫があると話され、「買い手と売り手の知恵比べ。みんなが今勉強していることが基本。実践力があるのが商業科のいいところ」と生徒へ語りかけました。
続いて、出題されたクーリングオフについてのクイズに生徒は思いのほか苦戦。クーリングオフは法律で、適用されるのは「訪問販売」であると繰り返し強調されたほか、「最近はコンピューターの不具合を装って商品を勝手に送り付け、不審に思って連絡してきた人の個人情報を聞き出すことが多い」と注意を促しました。
さらに、携帯電話の「人気着メロランキング」クイズで、生徒を惹き付け、身近な携帯電話の話に移りました。携帯依存症になる人が増えていることや、「音楽のダウンロードやメールの送受信の際にどれくらいの料金がかかっているかを自らよく知り、賢く使うことが大切」と話されました。また、「知らない人からのメールや、架空請求メールは無視することが大切」と話されたほか、これから社会へ出たときに問題になるであろうフィッシング詐欺を紹介し、決して他人事とは思わないで欲しいと釘をさされました。
最後に、騙されない5か条として、(1)「悪いやつほどよくしゃべる」と警戒し、(2)「いらん」と断る勇気を持ち、(3)おかしいと思ったら「見ざる、聞かざる、言わざる」、(4)クーリングオフを活用すること、(5)「ヤバイと思ったらすぐ相談」と締め括り、「これから進学・就職で東京・大阪に出て行くと、誘惑多いで。しっかり勉強して、NOと言う勇気を持って」とエールを送りました。
閉会にあたり、島根県金融広報委員会の臼井事務局長から「金融経済は、今は難しいと思うかも知れないが、役に立つからしっかり勉強して欲しい」と挨拶がありました。
参加者からは「携帯電話に関わる問題やクーリングオフなど身近な話題を取り上げていただき、よく理解できた」、「長時間でしたが、魅力的な話でした」などの感想が寄せられました。
(講演会の模様)
3.プログラム
- 12:30~13:20
- 公開授業
「ビジネス基礎」(1年1~4組)
「経済活動と法」(3年1・2・4組) - 13:50~14:00
- 開会挨拶 島根県立浜田商業高等学校校長 尾崎安男
- 14:00~15:30
- 講演「キミは狙われている!本当に怖~いお金のはなし」
講師:いちのせかつみ氏 - 15:30~15:35
- 閉会挨拶 島根県金融広報委員会事務局長 臼井正樹