金融教育公開授業
平成19年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
金融広報中央委員会
大分県金融広報委員会
大分中学校・大分高等学校
大分の実施報告
「金融教育公開授業 in 大分(大分中学校・大分高等学校)」(12月1日開催)
大分中学校・大分高等学校は、大分市内に位置し、中学・高等学校の6年一貫教育を行っています。12月1日(土)には、「気をつけよう!金融トラブル - 中高生にこれだけは知っておいてほしいこと」というテーマで、弁護士の住田裕子氏による公開授業が行われました。
▼ 参加者内訳:
生徒560名、開催校教員100名、開催校保護者130名、他校教員・地域の方々等73名、合計863名
1.公開授業
公開授業に先立ち、小山校長より「金融トラブルを防ぐための法制度などを学んでほしい」との開会挨拶、続いて大分県金融広報委員会の鎌田副会長(日本銀行大分支店長)より、「この公開授業を、賢い消費者になるための知識を若いうちから身につけるためのきっかけにして頂きたい」との主催者挨拶がありました。
公開授業では、住田弁護士が約1時間半に亘りお話されました。中学校・高等学校の生徒に加えて教育関係者や保護者の方々などが参加され、全体で800名を超える盛況となりました。
住田氏は、契約の成立要件、売買契約における債務不履行などについて説明した後、悪質商法とその対応策について、法的根拠も含めて紹介されました。たとえば、インターネットサイトで1回クリックしただけで料金を請求してくる「ワンクリック詐欺」(こうした請求は電子契約法等により無効)に関連して、1度目のクリックの後に利用規約などの確認画面でもう一度クリックすると「お買い上げありがとうございます」と表示した画面が出て料金を請求する「ツークリック詐欺」という新しい手口を紹介し、注意を喚起しました。また、強引な訪問販売などに対するクーリング・オフ制度を解説するとともに、今後も新しい悪質商法の手口が相次ぎ、それに対応して法制度も変わっていくだろうと話されました。住田氏は具体例に即した説明の中で、時折り「このケースで料金を支払わなければならないと思いますか」などと質問され、生徒たちは挙手して、日頃の勉強の成果を活かして自分の意見をしっかりと述べていました。
多重債務の問題では、「少しだけ借りて返すつもりでも、気がついたら借金の額が膨れ上がってしまった」という人が増えていると警鐘を鳴らしました。そして、収入に合った生活をするべきであり、欲しいものがあったら先に貯めて買う方がいいと話されました。
最後に、これから社会に出ていく生徒たちに「若者の投資先は自分自身であり、自分の価値を高めるために投資をすべきです。自分の考えを言葉で表すコミュニケーション能力を磨いて下さい」、「若者の特権とは、『知りません、わかりません』と言え、それが許されることです。今のうちにわからないことは素直に聞いて、自分のものにして下さい」と熱いエールを送られました。
講演の後、同校の吉田PTA会長より、「これから身に付けるべき大事なことを教えて頂きました」とのお礼を込めた閉会挨拶がありました。
参加した保護者等からは、「大変身近な題材で日常でも起こり得ることなので、参考になった」、「子どもがインターネットによくアクセスしているので、勉強になったと思う」といった声が聞かれました。
(公開授業の模様)
2.プログラム
- 13:30~13:40
- 開会挨拶 大分中学校・大分高等学校校長 小山康直
- 13:40~13:50
- 主催者挨拶 大分県金融広報委員会副会長 鎌田沢一郎
- 13:50~15:20
- 公開授業「気をつけよう!金融トラブル - 中・高校生にこれだけは知っておいてほしいこと」
講師:住田裕子氏 - 15:20~15:25
- 閉会挨拶 大分中学校・大分高等学校保護者代表