金融教育公開授業
平成20年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
東京都金融広報委員会
大田区立御園中学校
金融広報中央委員会
東京/大田区(西蒲田)の実施報告
「金融教育公開授業 in 東京(蒲田)(御園中学校)」(3月10日開催)
大田区立御園中学校のある東京都大田区は、ものづくりの町として全国的に有名で、学区域には大きな町工場や商店街、住宅などが混在しています。
このような地域の中で、同校では、発達段階に応じた3年間のキャリア教育プログラムを作成し、体系的な取り組みを行っています。具体的には、職場体験の取り組みを一層推進するため、関係小学校・高校、保護者、地域の事業所、学識経験者などを構成メンバーとする学校外の支援組織として、「御園中学校職場体験推進協議会」を立ち上げ、地域全体の連携を実現しています。「平成20年度キャリア教育推進校」として文部科学大臣より表彰されました。
同校は、キャリア教育の一環として、東京都金融広報委員会より金融教育研究校(19~20年度)の委嘱を受け、独自の「御園プラン」を基に実践を進めてきました。御園プランは(1)夢を持てる「人になる」、(2)社会に参加できる「人になる」を目標としており、今回の公開授業は、同プランの総仕上げとなる3年生最後の卒業記念授業となりました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
公開授業は、「人生の設計図」をテーマに、15年後の生活を想定して責任ある大人として、現実を見つめ、生き方を考えるライフプランの授業です。同授業は、当委員会の金融広報アドバイザーをはじめ生命保険会社、証券会社などの外部のサポートスタッフの協力を得て行われました。
まず、生徒5~6名の班(12班)に分かれて、将来、どのような家庭(家族構成)を考えているのか、意見をまとめてワークシートに記入し、発表を行いました。
次に、(1)20歳で就職し、月収は20万円、アパート家賃10万円、食費5万円、光熱費2万円、あまり3万円(あまりの部分をどのように使うか考える)、(2)結婚年齢、子供をいつ何人作るかは自分で決める、という条件のもとで班ごとにライフプランを考えました。人生における不測の要素は、体育館中央の箱(「ブラックボックス」)から引き出した「条件カード」(マイホームを購入する、病気になり入院する、交通事故でけがをする、親の介護をするなど)に基づいて考えます。疑問点については、班の代表者が外部のサポートスタッフがいる相談コーナー(金融担当ブース、保険担当ブース、介護や老後、年金担当ブース)でアドバイスを受けながら、条件カードに対応するプランを作成しました。
その後、各班で作成したライフプランについて、与えられた不測の要素に対してどの専門家に何を相談してどのような「人生設計」を作成したのか、「人生設計」に必要なことは何だと思うかを中心に発表しました。
授業の最後に、相談コーナーを担当したサポートスタッフから、「人生のリスクに備えるための保険についての基本的な考え方」(保険担当)、「人生の必要経費、資産管理などの基本的な考え方」(金融担当)、「老後の生活に必要な考え方」(介護・年金担当)についてまとめの話がありました。
その後、玉川大学講師で金融広報アドバイザーの峯岸氏が「人生を設計するために必要なこと」と題し、「就職することは、社会に参加することであり、就職することで御園中学校の総合的な学習の時間の目標である『人』になり『市民』になることの重要性に気づくことでしょう」と述べ、そのためには勉強することが大事であるとアドバイスしました。
生徒たちからは、「自分の人生設計は、思ってもみなかったことが起きた場合に備えるために計画を立てることが大切だと思った」「将来のお金の使い方がよくわかり、貯金をしておかなければいけない」などの感想が寄せられました。
(公開授業の模様)
2.プログラム
- 13:35~15:20
- 公開授業「人生の設計図」(3年生)
指導・助言:峯岸誠氏 - 15:20~15:25
- 閉会挨拶 金融広報中央委員会事務局長 恵谷英雄