金融教育公開授業
平成20年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
香川県金融広報委員会
三豊市立下高瀬小学校
金融広報中央委員会
香川/三豊市(三野町)の実施報告
「金融教育公開授業 in 下高瀬(下高瀬小学校)」(1月31日開催)
下高瀬小学校が在する「三豊市」は、県の西部に位置し、瀬戸内海に突き出たような形の荘内半島を含む風光明媚な地域で、紫雲出山や浦島太郎伝説で知られています。香川県では高松市、丸亀市に次いで3番目に人口の多い都市です。
同校は、金銭教育研究校として、平成19年度から2年間、総合的な学習や学校行事等を通じて金融教育に熱心に取組んでいます。
公開授業・講演会には、全校児童および教職員のほか、保護者、近隣の小中学校の先生方など、多くの方々にご参加頂きました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
1年生 | おてつだいの こころ |
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2年生 | えんぴつとなかよしになろう |
3年生 | 上手なお金の使い方 |
4年生 | お母さんへのせいきゅう書 |
5年生 | わたしたちの生活と森林 |
6年東組 | スマートライフを考えよう |
6年西組 | 自分の未来を豊かにしよう |
なかよし | 買い物をしよう |
一部をご紹介します。
1年生の授業では、家族のことを思い感謝するとともに進んでお手伝いをしようとする意欲や態度を育みました。金銭教育の労働の大切さの観点から“自分のための仕事”と“家族のための仕事”にお手伝いを分けて考え、健全な労働観への一歩を踏み出しました。また「お手伝いのこころ」を手紙に書いて親や社会への感謝の気持ちを表しました。
5年生の授業では、「森林を育てる林業」について金銭教育と環境教育の2つの視点から学習しました。環境にやさしい取り組みを継続、発展させていくための仕組みを経済の視点から考えることが少ない中、国産材を使うことは林業を守ることに繋がることに気づかせることにねらいを定めた授業でした。これからは必要なものを買うときに、より環境に配慮した買い物ができるように討論しました。
6年西組の授業では、自分の未来について考え、豊かな生活とお金の関係について考えました。自分の人生を大切にして、豊かな未来を築くためには、金銭が重要な役割を果たすことを理解できるよう、具体的に「生まれてから22年間」で「どんな生活を送りたいか」を話し合いました。生活設計能力を育てるきっかけづくりができ、正しい金銭感覚としっかりした人生設計の基礎が身につけられるよう取組みました。
なかよし学級の授業では、必要なものを考えて、計画的に買い物をすることができるよう模擬体験しました。代金に応じたお金の払い方や持っているお金に適した買い物の仕方を学んでいる様子がよくわかりました。一人で電卓を使って計算し、お金を大切にしよう、正しく買い物をしようとする力を伸ばしていっています。
2.研究発表
「ものやお金、人を大切にし、はたらく喜びや感謝の気持ちをもつ子どもづくり」という研究主題のもと、子ども一人ひとりの自立の基礎となる力を伸ばそうとする取組みが紹介されました。中でも“下小もったいない憲法”を遵守したことにより、保護者や児童の金銭に対する意識が高まったことが普段の生活からもみられるようになった、と発表されました。
3.講演会
いちのせ氏は、冒頭に「賢くお金を持てる人」になって欲しいと話されました。
そもそもお金はどこからやってくるのか、両親が働いてお金を手にしているとお話され、「働く(人が動く)」「傍(はた)楽(らく)」の意味を説明されました。
また、コンビニで物が売れる仕組みを児童といっしょに話し合った後、そこに売られている駄菓子と鉛筆を持ち出し、物を買う考え方を導かれ、“欲しいものなのか”“必要なものなのか”を判断し、買い方を考えて欲しいと伝えました。
その後、携帯電話のそれぞれの機能について、音楽やゲームのダウンロード、通話やメールの通信は有料で、写真・動画の保存やアラーム、電卓などの機能は無料ということに気づかせ、自分にあった使い方やルールを決めて利用していく大切さを保護者にも問題提起されました。
好き勝手に使わせたり、欲しいモノを何でも買い与えるのが決して愛情ではなく、長い人生をこれから送る子どもには我慢する気持ちや諦める悔しさを教えるのも愛情のひとつ、必要のあるモノに価値ある使い方をしていってほしい、親子で真剣に話し合って欲しいと訴えました。
最後に、『桃太郎』の物語を題材にして、“生きる力”の必要性を説明しました。キビ団子=「やる気」。犬=「優しさや思いやりの心」。猿=「学んだり考えたりする知恵」。雉=「行動力」。鬼=「不安や悩み」。桃太郎=「キミだ!」。人生の主役はキミたち自身。成功(幸せ)を掴むために、やる気を出して3つの生きる力を獲得してほしい、と締めくくられました。
4.意見交換
「モノの豊かさより心の豊かさ」を育むことが大切です。モノであふれ、感謝する心が薄れてしまっている中、欲しいモノと必要なモノを見極め、お金の使い方を親子で話し合う時間を持つことが必要との認識で一致しました。
また、振込みや引落しでモノが買えることから、“お金の流れが目に見えない”状況下、家族の役割や働くことやお金について、しっかり考えていけるように、今後とも金銭教育に取り組んでいく大切さを話し合いました。
5.プログラム
- 13:30~14:15
- 公開授業(全学年)
- 14:30~14:35
- 開会挨拶 香川県金融広報委員会会長 渡辺賢一郎
- 14:35~14:50
- 研究発表「ものやお金、人を大切にし、はたらく喜びや感謝の気持ちをもつ子どもづくり」
発表者:三豊市立下高瀬小学校 教諭 宮﨑江美 - 14:50~15:50
- 講演「お・か・ねって?」
講師:いちのせかつみ氏 - 15:50~15:55
- 閉会挨拶 三豊市立下高瀬小学校校長 合田等
- 16:10~16:30
- 意見交換