金融教育公開授業
平成20年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
岡山県金融広報委員会
内山下幼稚園
金融広報中央委員会
岡山の実施報告
「金融教育公開授業 in 岡山(内山下幼稚園)」(9月19日開催)
内山下幼稚園は、岡山城・後楽園・美術館・県立図書館・表町商店街等の歴史と文化に満ちた環境を活かしながら、園内だけの活動にとどまらず、多くの人や自然とのかかわりの機会をつくり、「これからを強く生きていく力」の育成に努めています。
同園では、9月19日(金)に公開授業が開催され、生活経済ジャーナリストのいちのせかつみ先生による公開授業と講演を行いました。また、当日は公開授業に先立って「子ども朝市」を開催しました。「子ども朝市」は、事前に農家などからどのような野菜や果物を仕入れるか、また野菜や果物の値段をどうするかといったことを園児たち自身で計画・決定し、当日来園された保護者等に販売するというものです。園児たちは、販売促進のためぶどうの試食を用意するなどの工夫を凝らしながら、楽しく真剣に取組んでいました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
いちのせ先生から年長児に「お・か・ねってナニ?」と題した授業が行われました。
まず、先生から「何か今、欲しいものはありますか?」と聞かれ、園児は「DSが欲しい」、「よくわからない」と答え、教員の方々からは「パソコンが欲しい」、「旅行に行きたい」、「地デジ対応の薄型TVが欲しい」と色々と意見が出ました。そして保護者から出た「マイホーム」という答えに先生が「とても現実的」と笑いを誘い、すぐに会場の雰囲気が和みました。
そして次に、園児は先生から実物の硬貨が入った財布を配って頂き、「1円はどれですか?」「5円は…?」という問いに対して、大声で「あった!!」「これだ!」と反応していました。また、実際の二千円札等を見て紙幣の種類について学んだ後、先生から「お金は大きさで金額が決まっているわけではない」ことや「1円玉が500個集まれば500円玉と同じものを買うことが出来る」との説明を受けて、園児たち各々納得した顔や不思議そうな顔をしていました。
次は、アイスクリームのパッケージやハンバーガー(模型)を見て、実際の値段に見合う硬貨を出していくという買い物の実践をした後に、先生から「買い物の時には色々なお金の渡し方がある」ということを聞き、「おつりがある時は必ずおつりを受取りましょう」と教えて頂きました。
最後に、先生からプレゼントされたキャップを被り、ハンバーガーショップの店員に扮した園児たちは、おじぎをしながら「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と挨拶の練習をした後、いつも見守ってくれている教員や保護者に対して、笑顔で「ありがとうございました!」とお礼の言葉を伝えて授業を締めくくりました。
(公開授業の模様)
2.講演会
公開授業の後、いちのせ先生から保護者を対象に「未来を託す子どもとともに!あなたの生活設計は大丈夫?」と題する講演が行われました。
まず、いちのせ先生は現在のお金に関する環境について、口座振込やカード決済という便利な世の中になった反面、子どもが家庭でお金を見る機会が減っていることによりお金の感覚が掴めなくなってきていると説明されました。
そして、この先子どもたちが親元を離れて進学・就職することを考えると、早い段階から自分でお金を管理する術を学んでおくことが大切であると述べられました。また、子どもは親の姿を見て学ぶため、まず自分自身がお金の使い方についての意識を変えて、子どもに見本を示すことが何より大切だと話されました。
その後、小遣いを渡す時期と携帯電話を持たせる時期についての話題では、周囲の意見ではなく、自分の子どもの特性を見て考えることと、必ずルールを決めて守らせることが大切だと述べられました。このような話は参加者の関心も高いだけに、時に笑いながらも大きく頷いて先生の話に聞き入っていました。
最後に先生から、子どもの将来のために今からお金に強くなるよう心がけ、賢くお金が使える人になって欲しいとのエールが送られました。
講演終了後、伊木園長による閉会挨拶では、普段聞く機会の少ない内容だけに、非常に興味深くお話を聞くことができたことと、今後の子育てに役立つヒントが頂けたことに感謝したいとの謝辞が述べられました。
(講演会の模様)
3.プログラム
- 9:35~10:05
- 公開授業「お・か・ねってナニ?」
講師:いちのせかつみ氏 - 10:15~10:20
- 主催者挨拶 岡山県金融広報委員会会長
- 10:20~11:30
- 講演「未来を託す子どもとともに!あなたの生活設計は大丈夫?」
講師:いちのせかつみ氏 - 11:30~11:35
- 謝辞・閉会挨拶 内山下幼稚園園長