金融教育公開授業
2011年度 金融教育公開授業(全国リレー講座)
静岡県金融広報委員会
静岡県立島田商業高等学校
金融広報中央委員会
静岡の実施報告
「金融教育公開授業 in 島田(島田商業高等学校)」(11月30日開催)
静岡県立島田商業高等学校は、県内中部に位置し、昭和3年に設立された歴史と伝統を有する商業教育を専門とする高等学校です。学校教育目標の「人間性豊かな生徒の育成と、商業に関する専門的な知識・技術を習得させ経済社会における有為な人材を育成する」に向かって、日々専門教科・科目の学習を始め、様々な体験学習、委員会活動、部活動等に一生懸命取り組み、自己を磨いています。
昨年度より金融教育研究校の委嘱を受けて、「金融・経済に関するしくみや役割を理解することで商業に関する専門的な知識・技術を向上させ、日常生活において適正な経済活動が行える生徒を育成する」ことを目標に掲げ、商業科目だけでなく普通教科においても、金融に関連する学習内容を取り上げてきました。
11月30日(水)は公開授業のほかに、ダニエル・カール氏の講演会も開催されました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
当日行われた授業のうち、一部を紹介します。
(1)「Expensive and Cheap」(1年生・英語I)
ワークシートに書かれたいろいろな商品について、円をドルに、ドルを円に換算して、日米間の内外価格差について考えました。さらに、英語の比較表現を使って、それを発表しました。
(2)「金利を計算してみよう」(2年生・数学II)
単利と複利の違いを学習し、単利と複利での金利の違いや変化の仕方をグラフで確認しました。また、log関数を用いて実際に計算しながら、「元利合計が○円を超えるのは何年後?」「2種類の金利で損得を考えよう」等の応用問題を学習しました。
(3)「代金の支払用具」(3年生・総合実践)
外国の通貨や日本で過去に使用されていた通貨等を実際に見ながら、通貨の種類や発行主体、金種、強制通用力を学習しました。また、代金が高額になってきた場合に便利なものとして、小切手などの信用通貨があることを学習し、実際に小切手を作成してみました。
(4)「クレジットカードでEnjoy ザ チョイスゲーム」(3年生・家庭総合)
クレジットカードの仕組みを学習し、メリット・デメリットを考え発表しました。「Enjoy ザ チョイスゲーム」では、自分の収入や月々の支払額、残高等を計算しながら買い物ゲームを進め、クレジットカードは収入の範囲内で計画的に利用することが大切だということを学習しました。
2.講演会
公開授業の後、ダニエル・カール氏から、「日本とアメリカの違いから学ぶ 賢い消費者へのみち」と題する講演が行われました。
ダニエル氏は、高校生の時に日本に留学した経験があり、その際のホームステイ先で、子供が親に向かって「お金ちょうだい」と手を出し、親は与えてしまうという光景を目の当たりにし、日本とアメリカの若者の金銭感覚の違いに大変驚かれたとのことです。
アメリカではCHORE(家事労働)を通じて、子供の頃から「働いて稼ぐ」ことを家庭内で教えられるとのことです。その他にダニエル氏は、父親とCHOREの内容について契約を交わしたこと、時給交渉をしたが相場を知らなかったために損をしていたこと、などを具体例を挙げて話されました。
また、日本では「お金の話はタブー」、「お金は汚いもの」といった考え方があることを指摘し、学校でも家庭でもお金のことを教えなければ誰がいつ教えるのか、と問題提起されました。子供にお金のことを教えてあげられるのは大人しかいないのだから、親が自らの経験談や失敗談を子供に話してあげてほしいと、締めくくりました。
参加者からは、学校や家庭での金融教育の大切さがよくわかった、具体例を交えていたので聞きやすかった、といった感想が多数寄せられました。
3.プログラム
- 12:30~13:00
- 公開授業受付
- 13:00~13:50
- 公開授業(各教室)
(1)「Expensive and Cheap」(1年生・英語I)
(2)「カードで決済」(1年生・ビジネス基礎)s
(3)「金融機関と金融商品」(1年生・現代社会)
(4)「金利を計算してみよう」(2年生・数学II)
(5)「医療制度と医療費」(2年生・保健)
(6)「代金の支払用具」(3年生・総合実践)
(7)「クレジットカードでEnjoy ザ チョイスゲーム」(3年生・家庭総合) - 14:20~14:35
- 開会挨拶
静岡県金融広報委員会事務局長 足立浩二
静岡県立島田商業高等学校副校長 一場芳子 - 14:35~15:40
- 講演「日本とアメリカの違いから学ぶ 賢い消費者へのみち」
講師:ダニエル・カール氏 - 15:40
- 閉会