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金融教育公開授業

2015年度 金融教育公開授業

東京都金融広報委員会
八王子市立第二小学校
金融広報中央委員会

東京の実施報告

「金融教育公開授業 in 東京(第二小学校)」(11月6日開催)

八王子市立第二小学校は、明治6年に開校し、今年で創立143年目を迎える伝統ある小学校です。東京都金融広報委員会から平成26・27年度の金銭教育研究校の委嘱を受け、「自ら考え、豊かに表現できる児童の育成~社会科・生活科を通して~」を研究主題とし、金銭教育の視点として「見通す力」「コスト意識」「社会とかかわる力」「勤労意欲」「自己決定力」「物を大切にする心」の6つを意識しながら実践に取り組んできました。

11月6日(金)に金融教育公開授業を開催し、各学年を対象とする公開授業と、先生方による研究発表、泉長顯氏の講演会を行いました。

▼ 参加者内訳:

児童315名、開催校教員28名、開催校保護者50名、教育委員会5名、他校教員200名、地域の方々7名、合計605名

1.公開授業

当日行われた公開授業のうち一部を紹介します。

(1)「おこづかいってなあに」

金融広報アドバイザーの吉田淳子氏から「おこづかいってなあに」と題する授業が行われました。おこづかいやお年玉など、身近なお金について、自分の生活を振り返りながら、お金の上手な使い方を考えました。

身近なお金の中でも、特におこづかいに焦点をあてました。まずは、「おこづかいの出どころはどこなのか」「おこづかいと家計との関係」など、おこづかいとは何かを学びました。次に、「貯金の意義」や「優先順位を付けてお金を使うことの大切さ」など、おこづかいの使い方を考えました。最後に、お金は限りのあるものであること、お家の人が働いて得ることができた大切なものであること、お金をもらったらよく考え優先順位を付けてお金を使うことなど、お金に関する約束ごとを確認し、学んだことや感想をワークシートにまとめました。

児童からは、「お金は一人のものではなく、家族みんなのものだと思った。これからはお金を使うときはよく考えて使うようにしたい」といった声が多く聞かれました。

(2)「さぐれ!スーパーマーケットのひみつ」

これまで、スーパーマーケットで働く人々の工夫や思い、町の人々との関わりについて学んできました。これらを踏まえて、授業では、発展学習としてスーパーマーケットとショッピングモールを取り上げ、販売の仕事に携わる人々の工夫や自分たちのくらしとの関係について考えてみました。

まず、近隣の日の出町に、大型ショッピングモールがなぜ建てられたのかを考えてみました。自分たちの学校の周辺(八王子)と、大型ショッピングモールの周辺とを比較し、立地条件の違いなどを考えました。土地の値段、先生から配られた商業圏の資料の中のどのエリアのお客を狙っているのか、お店の利益はどうか、などについて考え、話し合いました。また、スーパーマーケットとショッピングモールのどちらのお店もなぜ必要なのかについても考えました。

児童からは、たとえば「日の出町は自然が多いけれど、ショッピングモールが建ったのでにぎやかになり、お店でたくさん買い物をするようになり、お店の売上も上がると思う」といった意見、「ショッピングモールでは一度に買い物をすませることができる。たくさんのお店があるからお店にいる時間も長くなり、使うお金も多くなると思う」といった意見などが聞かれました。

児童にとっても身近な存在であるスーパーマーケットとショッピングモールついて、2つのお店の違い、それぞれのお店の良さや工夫などを知り、それによって消費者の生活が支えられていることを学びました。

(3)「自動車の窓から見る日本の工業」

現在、日本の自動車生産台数は977万台。うち半数を輸出しています。その一方、海外の現地生産台数は約1,800万台にも達しています。自動車の海外生産がこのように増えてきた理由や背景を整理し、これからの日本の自動車生産のあり方について話し合いながら考えてみる授業でした。

まず、海外現地生産についてのメリットを考えました。児童からは、輸送コストや輸送時間を削減できる、現地の人が仕事につける、その国の希望に応えることができる、などの様々な意見が出ました。

次に、海外現地生産は右肩上がりで増えており、今後もさらに増えることが予想される中で、このまま現地生産が増えることは日本にとって良いことなのかどうか、考えてみました。

児童からは、「日本からの輸出が減ると日本の工場生産が減る。従業員や家族、周りのお店などへの影響が大きいので、反対」との意見、「海外との関係が良好になるので賛成。ただし、海外に日本の技術が流れてしまうことは心配」との意見がありました。また、「日本と海外の良好な関係を保つため、海外生産と国内生産のバランスが大事」との意見もありました。海外生産の是非について、様々な角度から考え、話し合うことができました。

2.研究発表

指導に当たった先生方の全員から、2年間の金銭教育の実践について研究発表が行われました。

当校では、より多くの児童が自分の考えを自分なりに表現できるようになることを研究しています。思考をさらに深めるため、金融教育の視点を取り入れて、授業の改善に取り組みました。

授業改善に当たっては、各自が、育てたい力を段階的に明確に設定しました。これによって、授業中の手立てや発問が具体的に立てられるようになりました。授業の実践においては、学習計画の中に金銭教育を明確に位置付け、コスト意識をもたせるため金銭に関する発問を積極的に取り入れ、どのようなことを考えさせればよいのかを明確にしたうえで、授業を進めてきました。

最後に、2年間の研究の成果として、先生と児童が一緒になって勉強してお互いに向上することができた、金銭教育の視点の取り入れ、思考を促す問い、教材選定の工夫などにより、多様なものの見方・考え方が出来るようなった、との報告がありました。

参加者からは「学校全体で金銭教育に取り組んでいる姿に感銘を受けた」といった声が聞かれました。

3.講演会

公開授業と研究発表の後、泉長顯氏から「社会を見る目を育てる」と題する講演が行われました。

泉氏は、まず、「社会を見る目」とは、ただ知識を身に付けることではなく、「自分の目で見ようとする、自分で視点を定めようとすること」と話されました。「用語を覚えたり、理解させるだけの授業を行っていることも多いのではないだろうか」と指摘されたうえで、「第二小学校では、実践を通して、児童が深く考えることができるようになった」と評価されました。

続いて、「社会を見る目は、今どのようになっているのか」「社会を見る目は、なぜ大事なのか」について、具体的な例を挙げながら説明されました。

最後に、「どうすれば社会を見る目を育てられるのか」について話されました。個別指導に力を注ぐこと、児童が活動しやすい方法を探ること、地域を感じさせるために他地域と比較すること、教師自らが感じ取ること、子どもとは何かを考え可能性にチャレンジすること、己の授業を客観視することで児童の変化に気付くことができるようになること、と説明されました。そして、第二小学校ではこれらのことが実践されていたと語られました。

受講者からは、「子どもの思考を深めるための問いかけを授業の中で行っていこうと思った」「金銭教育の視点を取り入れることによって子どもたちの思考の観点が増え、現実的に社会を見ることができるということがわかった。今後の参考としたい」といった感想が寄せられました。

4.プログラム

13:30~14:15
公開授業
(1)「あきいっぱい おみせやさん」(1年生 生活科)
(2)「わくわく町たんけん」(2年1組 生活科)
(3)「おこづかいってなあに」(2年2組 学級活動)
(4)「さぐれ!スーパーマーケットのひみつ」(3年生 社会科)
(5)「マルベリーがまちをひらく」(4年生 社会科)
(6)「自動車の窓から見る日本の工業」(5年生 社会科)
(7)「焼けあとから発展へ」(6年生 社会科)
(8)「元気もりもり おいしい食事」(こだま 生活単元)
14:30~14:40
開会挨拶
東京都金融広報委員会事務局長 宮阪隆彦
八王子市教育委員会学校教育部長 廣瀬勉
14:45~15:20
研究発表
「自ら考え、豊かに表現できる児童の育成」
発表者:八王子市立第二小学校教諭
15:25~16:15
講演「社会を見る目を育てる」
講師:泉長顯氏
16:15~16:20
閉会挨拶
八王子市立第二小学校長 小林巧

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