金融教育公開授業
2016年度 金融教育公開授業
群馬県金融広報委員会
上野村立上野小学校
金融広報中央委員会
群馬の実施報告
「金融教育公開授業 in 群馬(上野小学校)」(12月4日開催)
上野村立上野小学校がある上野村は、標高450m以上の急峻な山村であり、四季のうつろいが鮮やかな山々が連なる中を、関東一の清流神流川が流れています。こうした恵まれた自然環境のもと、当校は最新鋭の教育環境を整え、未来に向かって伸びてゆくたくましい児童の育成を目指しています。
平成27年・28年度の金銭教育研究校として金融教育に取り組み、12月4日(日)に金融教育公開授業を開催し、1年生・6年生を対象にした公開授業と、ダニエル・カール氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1)「おれたクレヨン」
1年生の「道徳」の授業として行われた「おれたクレヨン」では、紙芝居を使って、男の子に乱暴に扱われてしまったクレヨンなどの学用品たちの“嘆きの声” “心の痛み”を紹介しました。先生自作の紙芝居は、親しみやすく、先生の熱意が伝わるものであり、児童は真剣に聞き入っていました。その後、今までの自分の物の使い方を振り返り、それを買ってくれた家族の気持ちを考えてみてもらいました。「自分のものを大切に使う必要性や良さ」「物やお金では見えない価値」に気づくことができる授業でした。
(2)「自分の夢について考えよう」
6年生の「総合的な学習の時間」として行われた「自分の夢について考えよう」では、児童は4~5人ずつのグループに分かれ、自分が将来就きたい職業や興味のある職業について、その仕事内容・魅力、その職業に就くために必要なスキル・進路・資格、かかる費用(自己投資額)など、これまで調べてきたことを発表し合いました。グループ内で互いに質疑応答を行った後、感想をまとめました。
児童はそれぞれに将来の夢を叶えるために必要なことを考え、自分がすべき努力を書いていました。また、たくさんのお金が必要になることにも気づき、今回の授業が自分の夢の実現のための“道しるべ”となったようでした。
2.講演会
公開授業の後、ダニエル・カール氏から「オラの日米おもしろお金講座」と題する講演が行われました。
ダニエル氏が6歳の時に父親と結んだ契約は、『“chore”(家事)を手伝うこと』でした。家事を手伝うこと(労働)でおこづかい(収入)を得、しかもそのために親子で契約を結ぶという方法は、日本には馴染みがありませんが、ダニエル氏の生まれ育ったアメリカでは一般的なことだそうです。アメリカでは、家事を手伝うことを労働としてとらえ、労働には対価が発生するという考えや、契約を結んだからには子どもでも守らなければならないというルールを家庭で教えることにより、実体験の中で子どもの金銭感覚を養っていくそうです。
このようにアメリカでは日常的にお金について親から教えられるのに対し、日本ではお金の話が家庭内のタブーになっている、その結果としてお金のことを学べないまま社会人になりお金のトラブルに遭いやすくなっている、とのことです。
ダニエル氏は日米の家庭内での会話の違いを通じて、家庭でお金の話をすることの大切さを熱く語られました。最後の質疑応答では、児童から寄せられた質問に対して、壇上から降り、質問した児童にマイクを持っていき、児童と一緒になって考えを促しながら回答されていました。児童だけではなく参加していた大人たちも、ダニエル氏の話術、人柄に魅せられ、大きな拍手の中、終了となりました。
受講した児童からは「親からもっとお金の話を聞きたい」、受講した親からも「もっと子どもとお金の話をしないといけない」との感想が多数寄せられました。今回の講演会が各家庭でお金について話し合うきっかけになったのではないかと思われます。
3.プログラム
- 13:00~13:45
- 公開授業
(1)「おれたクレヨン」(1年生 道徳)
(2)「自分の夢について考えよう」(6年生 総合的な学習の時間) - 14:20~14:25
- 開会挨拶
上野村立上野小中学校PTA副会長 月田智
群馬県金融広報委員会事務局長 星野真弓 - 14:25~15:25
- 講演「オラの日米おもしろお金講座」
講師:ダニエル・カール氏 - 15:25~15:30
- 閉会挨拶
上野村立上野小学校校長 黒澤栄生子