金融教育公開授業
2016年度 金融教育公開授業
大分県金融広報委員会
大分県立由布高等学校
金融広報中央委員会
大分の実施報告
「金融教育公開授業 in 大分(由布高等学校)」(11月2日開催)
由布高等学校は由布院温泉のある由布市に所在する連携型中高一貫教育の普通科高校です。
今年は、由布高校誕生10周年の節目を迎え、学校活性化プランとして、「おもてなし日本一『みんなの由布マイスター養成プロジェクト』~開こう!新しい世界へのとびら~」をスローガンに、学力向上や地域で活躍する人材育成を目指し、一層信頼される学校となれるよう取り組んでいます。
11月2日(水)に金融教育公開授業を開催し、3年生を対象とする公開授業と、全校生徒を対象とするダニエル・カール氏の講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
3年生情報ビジネスコースの生徒を対象に、「卒業のための経済学~高校を卒業するまでにどのくらい費用がかかるでしょうか~」と題する授業を行いました。
まず、3年生になってから卒業するまでにかかる費用を計上していきました。その結果、合計額は約1,246千円。内訳は次のとおりでした。
- 取得する検定(情報処理検定等)とその検定料(約15千円)
- 就職・進学の準備にかかる応募前見学、募集要項の取り寄せ(約1千円)
- 進学の際に必要な入学金や授業料の支払い(約550千円)
- 自動車学校の教習代(約330千円)
- 新生活の準備(アパートを借りるなど)(約350千円)
この結果を受け、生徒からは「予想していた以上にお金がかかっていることがわかり、驚いた」との声が聞かれました。
次に、就職や進学でひとり暮らしをするための「部屋探し」を通じて、“契約”について学びました。賢く契約するには、物件の情報をしっかりと読み取り、物件の特徴や経費を比較検討することが重要であることを理解しました。
2.講演会
公開授業の後、ダニエル・カール氏から「オラの日米おもしろお金講座」と題する講演が行われました。
ダニエル氏は、日米の金銭感覚の違いについて、わかりやすく説明してくださいました。ご自身がアメリカで子どもの頃に経験したこと、交換留学生として来日したときに経験したことなどを、楽しいエピソードを盛り込みながら紹介してくださいました。親しみやすい語り口と内容の面白さに、参加者は高い関心を寄せていました。アメリカの一般家庭では、子どもに対して、日本のような「お小遣い」を与えることはなく、「chore」や「yard work」(家庭や農場の雑仕事)により、『お金は働いて稼ぐのが当たり前』ということを日常生活で身につけさせるそうです。ダニエル氏も6歳の頃、「お父さんと時給の交渉をしたうえで契約を結び、家事を手伝うことでお小遣いを得るようになった」とのことです。
また、「自分のお小遣いは自分で管理すること、クレジットカードの正しい使い方、税金のことなども、日常の生活の中で親から自然と教えられた」とお話しになりました。
日本で体験したことや感じたことについても紹介された後、日本の現状について、「お金に関する話は家庭内においてタブー視される風潮にある」中で「お金についての知識が乏しいまま社会に出てしまった若者が、金銭トラブルに巻き込まれている」、と憂慮され、「家庭や周囲の大人たちと、お金にまつわる失敗談などを積極的に話し合うことを通じて、お金に関する知識や金銭感覚を身につけることが大切です」、と結ばれました。
3.プログラム
- 13:15~14:05
- 公開授業
「卒業のための経済学」(3年生 商業科) - 14:20~14:25
- 開会挨拶
大分県立由布高等学校校長 江川冨士夫 - 14:25~15:45
- 講演「オラの日米おもしろお金講座」
講師:ダニエル・カール氏 - 15:45~15:50
- 生徒代表 お礼のことば
閉会挨拶
大分県金融広報委員会事務局長 山崎誠久