はやわかり金融商品取引法&金融商品販売法
法律の概要
1.金融商品取引法が成立しました!
金融分野の規制緩和(金融ビッグバン)の進展により、私達を取り巻く金融の環境は大きく変わり、金融商品やその取引ルートの選択肢が広がりました。一方、複雑な金融商品・取引が増え、トラブルも増加しています。私たち消費者が、金融取引においても、合理的で自立した行動を問われる時代になっているのです。
こうしたなかで、金融商品取引法は、投資性のある金融商品を取引する際の利用者保護と、透明で公正な市場づくりをめざして成立しました。(平成19年秋に本格施行)
2.金融商品取引法で、取引はこう変わる
投資性のある多様な金融商品を、すき間なく対象に!
金融商品によってバラバラだった法体系をできるだけ幅広く横断的にまとめ(横断化)、規制のすき間に落ちる金融商品をなくそうとしています。
金融商品取引業者は登録制に!
金融商品を取り扱う業者はすべて「金融商品取引業」と位置づけられ、内閣総理大臣に申請、登録した業者でないと業務はできません。
さまざまな行為ルールを強化!
販売・勧誘の場面を中心に、業者の行為ルールが強化されました。
広告の場面での規制・・・リスクや手数料などの表示の明確化、大きな字で表示など
販売・勧誘・契約の場面での規制適合性の原則 | 書面交付義務 |
---|---|
その人に合った商品を販売・勧誘すること | 商品の仕組み、リスク、コストがわかるように記載した書面を交付すること |
禁止行為 | 損失補てんの禁止 |
不招請勧誘の禁止(一部)、再勧誘の禁止(一部)、断定的判断の提供の禁止、虚偽の説明の禁止 | 取引によって生じた損失の補てんを禁止 |
対象者がプロかアマかによって、保護ルールに差があります!
対象者が特定投資家(プロ)か一般投資家(アマ)かによって、保護ルールに差が設けられています(柔軟化)。プロには利用者保護ルールのほとんどが適用されません。
3.透明で公正な市場づくりをめざします
上場企業の情報開示制度が充実!
有価証券の決算報告書の四半期ごと公表や、記載内容が適正であることの「確認書」の提出が義務づけられました。
ディスクロージャー違反や不公正な取引違反などの罰則を強化!
個人、法人ともに刑罰(刑事罰・罰金)、課徴金を課すなどの罰則が強化されました。
- 不公正な取引や風説(うわさ)の流布、相場操縦など
- インサイダー取引、有価証券報告書などの不提出
- 見せ玉(売買がさかんなように見せかけるため架空の注文を出し、約定が成立しそうになると取り消す行為)
個人にも刑罰がかかります!
あなたも市場に参加している一員です。たとえば、うその情報をネット上に流して市場を操作したり、株価を左右するような未公表の重要情報を入手し、その企業の株の売買を行うインサイダー取引は禁止されています。知らず知らずのうちにルール違反をしていることもあります。気をつけてください。
証券取引所など自主規制機関の機能を強化し、適正な運営の確保!
公開買付制度や大量保有報告制度の見直し!
このパンフレットでは、投資性のある金融商品の取引について、いくつかの場面を想定し、私たち消費者がどんなことに気をつけたらいいか、法律上のルールはどうなっているのか、そのごく基本を紹介します。