ディスクロージャー誌の見方・生命保険会社編
4.ディスクロージャー誌を見るポイントは
ディスクロージャー誌に掲載されているさまざまな情報の中から、会社の経営状況を読み取るという視点で幾つかのチェックポイントを挙げると、次のような項目が考えられます。
1.会社の財産の状況を見るには | 「貸借対照表」で決算期末時点における資産・負債・純資産の状況がわかります。 |
---|---|
2.会社の収支の状況を見るには | 「損益計算書」で一年間の収益と費用の状況がわかります。さらに、「基礎利益」では保険本業からの利益状況がわかります。 |
3.有価証券の時価情報を見るには | 「有価証券等の時価情報」で有価証券の種類ごとの差損益の状況がわかります。 |
4.不良債権の状況を見るには | 「債務者区分による債権の状況」と「リスク管理債権の状況」で不良債権の状況がわかります。 |
5.ソルベンシー・マージン比率を見るには | 「保険金等の支払い能力の充実の状況(ソルベンシー・マージン比率)」という項目で掲載されています。 |
その他、「保有契約高及び新契約高」で業績の動向を見ることができますし、「直近五事業年度における主要な業務の状況」では経常利益や総資産をはじめとした主要な経営指標の推移を見ることができます。
しかしながら、会社の経営内容はこれらの項目のうちの一つを見ればわかるというものではありません。設立後まもない会社か古くからの会社かということが影響する場合がありますし、主力商品の違いによって業績への反映の仕方が変わってきます。会社の健全性を判断するには、資産や損益の状況、契約業績の動向等さまざまな指標から総合的に判断する必要があります。