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わが家の金銭教育

小学生のしつけ

小学校の6年間は、児童期から青年期への橋渡しという大変化を遂げる時期です。発達段階に応じてしっかりとしつけることが大事です。

この時期は、我慢する心を身につけさせるほか、家事の手伝いにより労働の大変さ、労働の対価としての金銭の大切さを考えさせましょう。その際、金銭の自主管理という面では、こづかい帳の記帳は有効な方法でしょう。

お正月にはたくさんのお年玉をもらいますが。

お年玉は、こどもにとってお正月の大きな楽しみです。なぜなら、多くの小学生が、お金があれば欲しいものが買えることを知っているからです。ただ、こどもにとって多過ぎるお年玉は考えものです。できることなら親たちが、こどもにふさわしいお年玉の額について、いろいろな機会に話し合ってみたいものです。

たくさんのお年玉をもらうお正月は、こどもの楽しい夢を生かし、こどもにお金の計画的な使い方を覚えさせるよい機会でもあります。

こどもがふだん欲しがっていたものをよく考えて買わせることは、お金の価値を分からせる勉強にもなります。また、全部を使いきってしまわず貯金にも回して、将来に備えさせるしつけも大切なことです。

こづかい帳がなかなかつけられません。

こどもにこづかい帳への関心を持たせ、記帳させるためには、そのためのきっかけが必要です。それには、初めて定額のこづかいを与える機会を利用したいものです。こどもは、こづかい帳をつけることによって、決まった額のこづかいを計画的に使うことをだんだん学んでいくからです。

初めにこどもに与えるこづかい帳は、行間が広く書きやすいもので、何にいくら使ったかを書き留めておくだけの、簡単なつけやすいものがよいでしょう。

こづかい帳を続けてつけるということは、こどもにとってかなり根気のいることです。よく続けることができたときには、その努力をほめてやりましょう。それがこどもにとっても励みになることです。またお母さんが毎日家計簿をつけていることもよいお手本になりましょう。

こづかい帳のつくりかたツール

こづかいを渡すとすぐいろいろなものを買ってきます。

こづかいを与えることは、こどもがその範囲で欲しいものを買い、お金の有効な使い方を覚えるための家庭教育のひとつです。こづかいをもらったので、前から欲しいと思っていたものをすぐに買いに行くからといって、それが必ずしも悪いことであるとは言えません。また目につき次第物を買って、月ぎめのこづかいをたとえ一日で使い果たしてしまうようなことがあっても、そのあとこづかいを我慢するなら、それも一つの経験になるでしょう。

こどもに与えたこづかいについては、親があまり細かく干渉しないということが、難しいけれど大切なことです。またそれはこどもが自主性のある一人前の人間に育っていくための大切な経験となるでしょう。

貯金をして貯めることばかりに興味があります。

小学3〜4年生のころのこどもには、物をたくさん集める収集本能が現れるのが普通です。同じような気持ちで、お金を貯めるのに夢中になるという時期があるものです。それがこどもの成長にとって一時期の現象であるかぎり、格別心配することはないでしょう。しかし、この時期に、貯金は将来必要になったときに使うためのものであり、お金は生かして使うものであることをきちんと教えておくことが大切なことです。

こどもの貯金には楽しい夢や希望があります。たくさん貯金をして、中学生になったら友だちと旅行をするなどというのもほほえましいことではないでしょうか。また、気の毒な人のために貯金の一部を使うのは立派な行為であると分からせることも大切なことです。

落とし物が多く、持ち物を粗末に扱って困ります。

学校でも落とし物には困っています。鉛筆、クレヨン、消しゴムなどからジャンパー、セーターなどの大物まであります。持ち主が出てこないのも近ごろの特色 です。名前が書いていないので自分の物と思わず、なくては困るという意識が乏しいためです。ノートなども初めのほうを一、二枚使って、あとを放っておくのは問題です。

親としては、「明日持って行くものをそろえてごらん」と一緒に調べたり、むだな使い方をしていないかどうかを確かめたりしたいものです。場合によっては、「もう買ってあげない」という厳しい態度も必要です。

大切なことは、幼児期から自分の持ち物に対する所有観念をしっかりつけさせて、家族のみんなも物を大切にするよう心掛けることです。

友だちが持っている物を同じように欲しがって困ります。

小学3〜4年生のこどもは、友だちと同じ物を欲しがる傾向があります。仲間意識の進むこの時期では、その品物が友だち社会への入場券のような役割を果たすことにもなるので、自分のこづかいで買えるものは認めるほうがよいでしょう。

ただ、欲求への歯止めがきかなくなると非行につながる恐れもあるので、高価なものを欲しがるようなときにはよく話して、我慢させる必要があります。高学年のこどもであれば、本当に必要なものかどうかをよく考えさせましょう。

そして、高価であってもこどもがどうしても欲しいというものについては、それを手に入れるために、こづかいから貯金をするようにすすめたいものです。

我慢し、時間をかけて手に入れたときこそ喜びも大きく、お金や物を大切にする温かい気持ちが育つことになるでしょう。

友だちとお金の貸し借りをしている様子ですが。

最近のこどもたちは、おとなと同じように仲間との付き合いを大切と考えています。そこで、友だち同士でお金を貸し借りするといったこともときにはあるようです。それが、電車の不足分を貸してやったというように、困ったときに助け合う貸し借りであるならば、とがめだてすることはないかもしれません。

しかし、小さなこどもの場合、お金の貸し借りは好ましいことではありません。ことに、親として注意しなければならないのは、貸し借りが常習化して、お互いの浪費癖を助長したり、場合によってはそれが非行への温床にもなりかねないことです。また借りたあと返済を忘れたり、返済ができないばかりに友情を傷つけることがあってはなりません。親としてはよく目を配っておきましょう。

こどもに家計を知らせることはよいことですか。

こどもは、低学年から中学年にかけて、お金について興味を持ってくれるようになります。どうすればお金はもらえるか、うちにはお金がどれほどあるか、お金がなくなってしまったらどうすればよいのか、こういった疑問には分かりやすく答えてやりましょう。

わが家の家計をこどもに話す場合、みえを張る必要もないし、ことさらに貧しさを強調することもありません。もちろん、家計簿の詳しい数字をいちいち説明する必要もないでしょう。夕食時に、おかずの値段が日により店により違うことや、学校へ給食費を持たせるときには、教育費がどれほどかかるかということなど、自然なかたちで家計の状況や経済の仕組みを話してやりましょう。

そうした話を通して、父母の仕事や、働くこととお金とのかかわりを教えていきたいものです。

お手伝いをしたほうびに、お金を与えることはどうでしょう。

アメリカの家庭では、部屋の片付けやゴミ捨てなど、こどもがやった仕事に対してお金を与えるのが一般的で、決まったこづかいを渡すことは少ないと言われています。日本の一部の家庭でも、このような考え方がないわけではありません。

しかし、多くの家庭では、手伝いをしたからといってお金をほうびとしては与えないで、手伝いは家族の一員として当然果たすべき役割であると考えているようです。

ただ、ふだんはしない何か特別の仕事を手伝わせたときなどは、なにがしかの報酬を与えることがあってもよいでしょう。それは、こどもにとって労働と金銭の関係を考えるよい機会ともなります。

歳末助け合い運動に関心を示しますが、自分のお金は出そうとはしません。

こどもたちは、家族や友だちなどを喜ばすために自分のお金を使うことはできるものです。しかし、自分とは直接関係のない他人で困っている人たちのために自分の大切なこづかいを使うということには、ためらいを感じることもあるようです。

そのためのためらいをなくし、募金や助け合い運動に進んで応ずる気持ちを、ぜひ育ててやりたいものです。そのためには、なぜ募金をするのか、その意味をよく理解させ、困ったときに助けられることのありがたさを考えさせてみましょう。

こどもが自分のお金を出し渋っているからといって、親がお金を出してやるようでは、こどもにとって助け合い運動の意義の大半が失われてしまいます。