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第35回「おかねの作文」コンクール(小学生・中学生)(平成14年)
「物を大切にするということ」

おかねをたいせつにつかっていますか? ものをだいじにしていますか?
「物を大切にするということ」
秀作・毎日中学生新聞賞
静岡県 静岡市立南中学校 3年 長尾 浩子
初めてもつ、長期間に渡って使う物といえば、ほとんどの人にとってはランドセルではないだろうか。人によって、その扱いは様々である。私の場合、ランドセルの扱いを通して大きなことを学んだように思う。それは何だったのか、今1度考えてみたい。
小学1年生、私は念願のランドセルを手に入れた。それは、祖父が入学祝いに買ってくれたものだったが、実をいうと、入学当時の私はあまりそのランドセルが好きではなかった。お姉ちゃんのみたいにカバーが柔らかくなかったし、色もお姉ちゃんのとは感じの違う赤だったからだ。見慣れたお姉ちゃんのランドセルは私の憧れだったのに、それとはまた違うものだったから少しがっかりしてしまったのかもしれない。
それでも、「あなたのものなのだから」と母に言われて、月に1度程度ランドセルを磨くようになり、続けるうちに言われなくても磨くようになった。ついにはその日についた傷を点検するようにさえなった。
3年生の頃にはもう、自分のランドセルが誰のよりもいいと思うようになっていた。側面につけられたフック、アトムと書かれた銀色の金具、内側の布の模様に背中のカーブ具合…いつしか全てに愛着を覚えるようになっていた。
そんな時、学校ではランドセルではなくリュックで登下校する人がでてきた。リュックの方がかっこいい。そう思いはしたものの、自分はどうしようかと迷うことはなかった。というのも、あることに気付くようになっていたからだ。
いつまでも続くような気がしていた小学校生活もすでに半分以上が過ぎていた時、こんなことをふと考えた。小学校を卒業したら、もうランドセルを使うことはない。毎日重い物を入れて駆使してきたと考えればよく使った感じがする。が、しかし使える用途、時間には限りがあるのだ。
それに気付いてからは、今まで思いもしなかったことが当然のことのように頭に居座るようになった。「せめて使える間は使わなきゃ」私は、6年間ランドセルを使い通すことを決めた。
小学校を卒業して3年、この体験を振り返ってみると「大切にしなきゃ」って思うだけでは、大切にすることはできないことに気付く。大切にして、それに愛情をもってこそ、本当に大切にできるのではないだろうか。
普通に考えて、使うことが大切にすることだとは思えない。でも、私はランドセルをギリギリまで使って大切にした。どんなことが大切にするということなのか。それは物によるし、人それぞれだ。だけど、「大切」に共通しているべきもの、それは「愛情」だ。
ランドセルから学んだことはやはり大きかった。それは今も私の中で生きているし、これからも、存続させていきたい。
物を大切にすることについて考えよう
- よく「スポーツ選手は道具を大切にする」と言われます。大切にすることで、力をより発揮できるのでしょうね。
- 「私」は、磨いているうちにランドセルの良さが分かりました。あなたの大切なものの良さは何ですか。
- 物を大切にするというのは、「値段が高いから」「形が良いから」ではなく、自分が愛情をもって良さを見つけることなのですね。
