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高校生小論文コンクール

「金融と経済の明日」第2回高校生小論文コンクール(平成16年)

キミのホンネで日本経済を変えてみないか?

「すべての世代のための社会」

秀作

岐阜県 岐阜県立中津商業高等学校 3年 出川 唯佳

平均寿命がどんどん更新され、日本は世界一の『長命社会』となりました。しかし、『長寿社会』であるとはかぎりません。それは、生きがいを見失ってしまったり、病気に苦しんでいるお年寄りの姿があるからです。

私たちが望む老後の生活は、いきいきとした生活や、意義のある『長寿』などが挙げられると思います。長く生きることが喜ばしいと思えるためには、高齢者みずからが健康を維持することはもちろん、自分自身の生き方や考え方を見直して、積極的に生きる上での自分の役割を探し出していく必要があるのではないかと思います。

『老後は余生』『高齢者は弱者』と決めつけて考えてしまっています。高齢期は、それまでに蓄えてきた経験と知識を社会に還元していく時期と言えると思います。

そう考えると、余暇をゲートボールや囲碁などで楽しみ、興味に打ち込むのも良いですが、ただの暇つぶしで終わってしまうのは寂しいし、もったいないです。高齢期だからこそ、異なる世代の人々と広く関わりを持つことができたら良いと思います。

平均寿命が世界一である日本は、女性が83.82歳、男性は77.19歳です。一方で高齢化の速度も諸外国に比べて速く、65歳以上の高齢者の数が 2000万人を超え、全人口のおよそ6人に1人が高齢者となっています。

高齢者の人口は今後もさらに増加すると考えられ、少子化の進行も後押しされて、数年後には、国民の4人に1人が高齢者という本格的な高齢社会の到来となりそうです。

『少子化』の問題は、1年間の出生者数が毎年減っているということです。2002年度の出生者数は、過去20年間の最低となっています。この影響で、総人口も数年後には減少していくと言えます。

少子高齢化は、経済全体にも影響を及ぼします。

まず、『少子化』という子どもの数の減少は、労働力の減少を意味しています。長期的な経済成長のためには、労働力人口の増加と技術進歩が必要であり、労働力人口が減少していく中での経済成長は期待できません。国全体の経済力低下にもつながり、国の制度である年金制度にも影響が出てくると考えられます。

年金制度は社会の在り方に大きな役割を果たしています。近年では、急激に保険料が上がり、「負担に見合った年金額がもらえるのだろうか」という声が強くなっています。

また、国民年金の未納・未加入問題は、社会的連帯性が薄れているということであり、年金制度は『社会の助け合い』から『個人の自助努力』へと向かっていると考えられています。

更に高齢化が進展して、2人の働く人が1人の老人を支えるようになると、今までと同じ年金を維持しようとしても、働く人の年金保険料の負担を増やさないとやりくりがつかなくなります。しかし、逆に現在の保険料負担のままでは年金を減らさなければなりません。

このように、少子高齢化の進展に伴い、生涯の保険料総額と年金給付総額との間に世代間の不均衡が生じるといった指摘があります。そもそも公的年金制度は社会保障の一つで、必要な人に給付を行う社会全体の助け合いの制度です。

世代間の公平性については、今の年金受給者の多くはかつて私的に自分たちの両親を扶養してきた世代に属することや、高齢者世代から現役世代へ様々な所得移転があることなど、年金だけではなく、幅広い見地から世代間の収支を考える必要があるのです。

今日の年金問題の本質的な原因は、世代間扶養の役割が強まった頃から、急速に人口バランスの崩れが生じてきたことにあります。現役世代が老齢世代の年金を支える仕組みとなっているため、少子高齢化の進展による人口バランスの歪みは、将来世代への過剰な負担を強いるようになってしまっています。

社会が安定した状態であるためには、一人一人が負担意識を持って、社会全体で保障し合う年金制度であることが望ましいと言えます。そして、将来社会に貢献していく存在である子どもの数の減少をくい止めるために、子どもを生み育てることが負担でなく、得になるような制度にする必要があると思います。

少子高齢化における年金制度の改革は、個人ではなく、『社会の連帯性』をもう一度確認して、改正後の年金制度は社会の繁栄を担うものであってほしいです。

ボランティアの活動が盛んですが、現役時代と違う、新しい形での社会参加の喜びを見つけ出す高齢者が、これからはもっと多くなっていくと思います。

今年は、『国際高齢年』だそうです。そのテーマは、『すべての世代のための社会をめざして』。高齢者問題は高齢者だけの問題ではないことを意味しています。

長生きをすれば、だれもが必ず高齢者になるわけなので、みんなが安心して暮らせる社会がどうあるべきか、それぞれの世代がそれぞれに考えることが大切になってきます。

私たち若い世代は、高齢者の存在に対して無関心ではなく、「高齢者年」を自分たちの未来を考える年にすることが大切であり、望まれています。

時代の変化に適応した魅力あるお年寄りが活躍し、柔軟な発想を持った高齢者が増え、高齢者の経験と知識を有意義に受け継いでいく次世代の人が増えれば、明るい未来が開けるのではないだろうか。

私たちも、いずれは必ず高齢者の仲間入りをするので、どんなことをしようか、心のどこかで楽しみにしています。

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