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高校生小論文コンクール

「金融と経済の明日」第3回高校生小論文コンクール(平成17年)

考えようよ、日本の経済。

「働くことの大切さ」

秀作

福島県 福島県立若松商業高等学校 3年 湯上智美

あなたは働くことについてどう考えているだろうか。私は現在学生という立場にあるが、いずれはどんな形であれ働くことになるだろう。私の考える働くということは、日々生活するためのお金を稼ぐというのもあるが、一番の目的は社会で働くことにおいての自身の可能性への挑戦と人間関係の広がりなど私のさらなる成長を促す場だと考えている。

私達は中学三年生の時に初めて、将来を左右する最初の岐路に立たされる。そこで進学する人もいればその他の道を選ぶ人もいる。だが中学生だった頃の私には将来の事を考え、道を選ぶということが頭の中にはなかった。この高校に入りたいという希望はあったが、それは目先のことであり、後々それに左右されるなど思いもしない。

中学生という時期に将来のことを考えて行動する人もいると思うが、大半の人はそうでないことの方が多いだろう。本格的に考え始めるのは高校や大学になってからだろう。ある程度の知識や経験があったほうが自分の働くことについての考えを実行することができるのだ。

ところで近年、ニートと呼ばれる若者が増加している。フリーターとは違い、働く意志を持たない者達のことである。成人したにも関わらず、親に頼りきりで自立出来ないのは、甘やかしてしまった親にも問題があるが、多くは本人の意識の問題である。だが何故ニートが増えてしまったのだろうか。

問題になるまで増加していたのに問題視されなかったのは、従来の就職支援策からこぼれ落ちてしまった存在であり、失業者としてカウントされずにきてしまったからだ。それを解決しなければならない。それと共に私の考えるもう一つの原因は対人関係を築くコミュニケーション能力の低下である。

例えば、働くことを個人の社会参加手段と考えた場合、必ず対人関係を持つことになるだろう。そこで最も大切な能力がコミュニケーション能力だ。コミュニケーション能力が低い場合、個人と個人のやり取り、会社と会社とのやり取り、全てにおいて上手くいかなくなり、結果的に社会の輪から外れていってしまう。国勢調査のデータを基にしたニートの年齢別分布をみると、19歳から23歳に多く、高校や大学を卒業後、社会に出ることをあきらめてしまった人が多いのがわかる。

つまり、今の若者の中には、あきらめやすくコミュニケーション能力の低い人達が多いのである。よってニートは働くことについての意識が希薄で社会との繋がりを拒んでいるのだ。両親という城に守られ、その城に引きこもり、親のすねをかじり続けるのである。そういう人は両親の有り難さを知る時には遅く、社会に追いつけず、自分の殻に閉じこもってしまう。そこから青少年犯罪への関与、将来的な失業率の上昇などに繋がる。

このままでは、日本という国自体が危機に晒されてしまう。ニート問題は、その人だけで解決するのは難しい。家庭や教育機関、地域や国全体の問題としてニート化させない対策を考えるなどの体制をとっていかなければならないだろう。

一方、ニートが増加する中で時代のブームに乗り、成功する起業家もいる。

江戸時代では、武士の子は武士、農民の子は農民と身分が決まっており、自分で職業選択することが出来なかった。でも今はどうだろう。どんな家に生まれても自分で自由に職業が選べる。江戸時代の人達から見れば、羨ましいことだろう。職業選択が自由ということは、自分の可能性を見い出せる道がたくさんあるということであり、反対にやりたいことが多すぎて決められなくなるという長所と短所が存在する。

前述したように、今の若者はあきらめやすい。自分に合った職業をみつけられず、みつけられたとしても採用されずにあきらめる、そしてニート化してしまうという悪循環になってしまう。

今の日本は、社会に溶け込むきっかけが少ない。確かに前にあげた問題はどれも個人の意識の問題が一番重要であるが、きっかけがなければ行動に移すのは難しいことだ。職業選択の自由は必ず勝者と敗者が生まれてしまう。そこで勝者ばかりに目をかけるのではなく、敗者に次なるチャンスを与えることが、今の日本に足りないと思う。

敗者の再スタートを支援する制度や手当、社会から現実逃避している引きこもりへの対策、コミュニケーション能力の向上等のように、家族の中だけでは解決できないものもたくさんあるので、地方自治体や国の制度化、対策といった具体的な対応が必要だ。憲法の「人として最低限の生活を送る権利」によって起業に失敗した人を救う、またはホームレスを救う義務が国にはある。

敗者=ニートにならないためにも、個人の意識改革のための国の支援が必要だ。例えば、職業訓練校を設置したり、市町村が労働に対する講習会を開くなど、ニート人口を減らすためにできることはたくさんあるはずである。

このように、働くということは様々な問題と共にある。だが、もう一度自分の可能性について考えてみてはどうだろう。働くことで自分自身を最大限に生かし、失敗してもそれは成功への糧とし、全力で将来に向かって走ってみる。そうすれば、自分の夢とその道が合致しなくても後悔はしないはずだ。

少なくとも私は、夢とは一生かけて追いかけるものであり、簡単に手の届く所にあるのは夢ではないと考えている。むしろ、働くことで本当の自分の力と可能性を見い出した時が夢の実現の第一歩であると考えている。

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