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高校生小論文コンクール

第13回「金融と経済を考える」高校生小論文コンクール(2015年)

講評

第13回「金融と経済を考える」高校生小論文コンクールには、2,640編の応募がありました。テーマは金融や経済に関することであれば「自由」です。厳正な審査の結果、特選5編、秀作5編、佳作50編の入賞作品が決まりました。

地域振興や農業を含む地域経済の活性化から、消費者としての選択、労働や家計、教育の問題に至るまで、多種多様な内容の作品が寄せられました。特選に選ばれた5編を紹介します。

金融担当大臣賞「地域活性化と経済」の筆者は、街に数多く残っている古建築に興味をもち、より多くの人に自分の住む三津浜地区を知ってもらいたいと、地域活性化について考えています。行政や地域住民による活性化事業が進行中ですが、交通の便の悪さや催しの不定期開催、不十分な広報宣伝活動などのために観光客増加に結び付いていないと考え、3つの提案をします。(1)入り組んだ路地を抜けた先の古建築にたどり着くことで味わえるタイムスリップ感を生かした写真コンテストやクイズラリー、(2)「三津の朝市」などの定期開催、(3)自分の足で見つけた地域の魅力を個人がフェイスブックやツイッターなどで発信してもらうこと。さらに、地元住民では気付きにくい魅力を発見するための地域外住民招待ツアー企画や、活性化策のデータベース化で同じ問題を抱える地域同士の連携を図ることを提案しています。審査員からは「地元のアピールポイントを整理し、SNSなどの現代のツールを用いた活性化策を分かりやすく説明している」「地域活性化について具体的に提案している」などと高評価を得ました。

文部科学大臣賞「直売所と地域経済の発展」の筆者は、スーパーの野菜コーナーではなく直売所で野菜を買った母が生産者名を購入の基準にして旬の野菜を直売所で選んで買っていること、一方、野菜コーナーでは旬の時期以外にもさまざまな野菜が手に入ることを知ります。消費者ニーズには「安全で新鮮なもの」と「年中いつでも」というとてもわがままな二面性があり、買い物は消費者の選択で行われていると述べています。母が直売所の野菜を選ぶもう1つの理由は、父の生まれ育った郊外の集落の経済を支えることであり、「私たちが生きていくために口にする料理は身近な生産者の生活の糧となって」いることに気付きます。高齢化による集落崩壊や人口減少を前に、地域や環境を守るために私たちがすべきことは「選ぶ」ことだ、とも考えた筆者は「社会経済の一員であることの責任の重さを感じた」と結びました。「経済活動における地域内消費の重要性を語っている」「消費者の行動をよく分析している」「物事の利点、欠点を偏らずに書いている」などの点が授賞理由として挙げられました。

日本銀行総裁賞「さとうきびで結ぶ島の産業と未来」は、筆者がさとうきびを通して石垣島のさまざまな産業が助け合って共に発展していけるシステムを構築したいという自身の夢を語る作品です。家業のさとうきび栽培や副業の傍ら休日に黒糖製品を作る母親との会話をきっかけに、筆者は農協や市役所でさとうきびについて調査し、さとうきびは沖縄県内農家の約8割が栽培し、関連産業への波及効果、雇用機会確保などの面で大きな役割を果たしていることを知ります。さとうきびを利用したエネルギー開発は環境保全にもつながり、搾りかすは製紙パルプへの原料や肥料に活用できることなども学びます。農家は付加価値の高いさとうきびの栽培を第1目標にすべきだと述べるとともに、有機農法を実現する際に牛糞や搾りかすを活用することでコストを下げることのできる可能性にも触れています。最後に、各地の施策について学び、島でも取り組むことができないか常に考えたい、と語っています。「経済的な考察と同時に身の回りのことを具体的に書いている」「実態を調査し、地域経済における実現可能性を考え、利益についても考察している」「将来への意欲が表現されていて好感が持てる」「新しい見方や考え方を提示している」と非常に高く評価されました。

全国公民科・社会科教育研究会会長賞「道路と経済の関係について」の筆者は、普段は車で通るバイパスを自転車で走っていたところ、5つの交差点すべてで赤信号に掛かるという経験から、ストップウォッチと地図を用いて前の信号機が青信号になってから次の信号機が赤信号になるまでの時間と信号機間の距離を調査してみます。自転車のように平均時速18km未満で走った場合は一度赤信号に掛かるとすべて赤信号になり、それ以上の速度の車だとスムーズに走れるよう信号の時間差を調整してあることが分かったといいます。道路をつくると周辺地域が活性化し、渋滞の緩和が利便性の向上をもたらすと述べ、このバイパス完成による経済効果についても、個人の利用者のみならず、物流改善など企業にとっても大きな効果があったことが調べた結果判明します。信号システムのような小さな工夫の蓄積で自分たちの社会や経済が成立していることに気付き、日々の生活において新たな発見ができるのでは、とまとめています。「問題意識が明確で自分でよく調べている」「自分なりの実証実験を入れて工夫してある」「論理構成がしっかりしている」などの声が上がり入賞しました。

金融広報中央委員会会長賞「女性の労働環境から考える日本経済」の筆者は、就職活動に苦戦する姉の姿から「女性が何の不安もなく、子育てしながら仕事を続けられる社会」にするためには何が必要かを考察しました。女性が社会で活躍すればするほど少子化が進んできた原因の1つは、社会進出に伴う晩婚化であること、晩婚化は高齢不妊につながりやすく、出産にこぎつけたとしても仕事と育児を両立させることの困難に直面し、少子化につながると指摘します。保育園を訪ね「保育時間に限界がある」「子供が病気だと預かってもらえない」などの生の声を聞くとともに、ニュースとなった育児休業中の退園問題から対策の必要性を認識します。海外の少子化対策を例に挙げ、十分な数の保育園の整備、不妊治療の経済負担軽減、育児休業を取りやすい環境づくり、幼稚園などを利用した認定子ども園の積極的活用などの対策を早急に検討してほしい、と要望を掲げています。「女性の労働環境について鋭くとらえて考察をしている」「具体的に問題提起ができている」「保育園に話を聞きに行き実情を調べている」「海外の状況にも目を向け調べる姿勢が良い」といった点が評価されました。

著名人・有識者が語る

  • プロサッカー選手 中村憲剛さん
  • 脳科学者 中野信子さん
  • 作家 上橋菜穂子
  • 落語家 林家たい平さん
  • 劇作家・演出家・女優 渡辺 えりさん
  • 青山学院大学陸上競技部監督 原 晋さん
  • 東京女子医科大学・先端生命医科学研究所教授 清水 達也さん
  • 元スピードスケート選手/長野五輪銅メダリスト 岡崎 朋美さん
  • 工学博士 石黒 浩さん
  • 日本体育大学教授 山本 博さん
  • 編集者・評論家 山田 五郎さん
  • 作家 荒俣宏さん
  • 医学博士 日野原重明さん
  • 山形弁研究家、タレント ダニエル・カールさん
  • 公認会計士 山田真哉さん
  • タレント パトリック・ハーランさん
  • 精神科医、立教大学教授 香山 リカさん
  • 野球解説者 中畑 清さん
  • 順天堂大学准教授 鈴木大地さん
  • 昭和女子大学理事長・学長 坂東眞理子さん
  • プロスキーヤー、クラーク記念国際高等学校校長 三浦雄一郎さん
  • 明治大学文学部教授 齋藤孝さん
  • マラソンランナー 谷川真理さん
  • 数学者 秋山仁さん
  • TVキャスター 草野仁さん
  • サッカー選手 澤穂希さん
  • ピアニスト 梯剛之さん
  • 女優 竹下景子さん
  • 食育研究家 服部幸應さん
  • おもちゃコレクター 北原照久さん
  • 宇宙飛行士 山崎直子さん
  • 早稲田大学名誉教授(工学博士) 東日本国際大学副学長 エジプト考古学者 吉村作治さん
  • 工学博士 淑徳大学教授 北野大さん
  • 登山家 田部井淳子さん
  • 音楽家 タケカワユキヒデさん

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