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高校生小論文コンクール

第15回 「金融と経済を考える」高校生小論文コンクール(2017年)

講評

第15回「金融と経済を考える」高校生小論文コンクールには、前年より422編多い2,908編の応募がありました。テーマは金融や経済に関することであれば「自由」です。厳正な審査の結果、特選5編、秀作5編、佳作50編の入賞作品が決まりました。

貧富の差や働くことの意味を深く考えた作品、商品価格の裏にある社会構造や倫理的な問題について書き上げた作品など、今回も力作が揃いました。その中から特選5編の概要を紹介します。

金融担当大臣賞「曽祖父の筆入れ」は、筆者が生まれる前に亡くなった曽祖父の遺品の筆入れをきっかけに、「大切にする心」について考えた作品です。筆入れは曽祖父の母が着物の切れ端で作ったもので、90歳で亡くなるまで、職人に修理してもらいながら大切に使い続けたそうです。筆者は、「曽祖父は母から筆入れをもらった時に、ものを大切にする心も一緒にもらったのではないだろうか」と感じました。そして、ものが大量に生産され、消費される現代において、今一度立ち止まって、ものの価値観を見直すことも大切だと考えました。急速に進んでいるグローバル化を例に挙げ、「日本の素晴らしい文化やものづくりをもっと広く世界に発信できたら、今の加速する消費拡大を見つめ直すきっかけになるかもしれない」と述べています。そして、最後に、筆入れに残されていた削られていない新しい一本の鉛筆が「未来を担う私たちへのメッセージのように思えた」と結んでいます。審査員からは、「過去から未来へつながっていて、最後まで面白く読ませる作品」「ものを大事にするということが経済成長につながる、という広い視点で書かれている」との評価を受けました。

文部科学大臣賞「貧富の差が生む教育格差」の筆者は、「なぜ日本では義務教育以外の教育を親任せにしているのか」と疑問を抱きました。塾へ通わずに公立高校に合格したものの、入学後、授業についていけなくなり、初めて塾の必要性を感じたことがきっかけです。塾の授業料が高額であることを知って、女手一つで筆者を育ててくれている母親に申し訳なさを感じ、「学校の授業だけで大学へ行けないのは自分の努力が足りないだけではないか」と自問します。結局、塾に通うことになりましたが、家庭の経済的な理由で塾や習い事に通うことができない子どもは、受けられる教育にも限界があり、可能性の芽が摘まれてしまっているのでは、と考えます。そして、すべての子どもが家庭環境に関係なく公平な教育を受けられる方法として、「高校の義務教育化と無償化」「専門性を重視した個性を伸ばせるカリキュラムの増設」「大学の無償化」などを提案します。審査員からは、「自分の体験だけでなく資料等を整理した上で『これからの学び』を提言している」「文章がとても分かりやすい」などの点が授賞理由として挙げられました。

日本銀行総裁賞「人はなぜ『働く』のか」の筆者は、学校の終礼で先生から「今いる家は自分の家じゃない、親の家なんだ」という言葉をよく聞かされ、その真意について徐々に考えるようになります。アルバイトを始めた友人の話をきっかけに、働く意味について向き合い始めた筆者は、家族旅行で訪れたテーマパークで働くキャストの笑顔にそのヒントを見つけます。そして、ある本の中で、「ゲストに喜んでもらうことが最高の報酬」とキャストが答えているのを目にして、「大人が一生懸命働くのは、誰かの役に立ち、家族も幸せにできるからであり、それによって自分が必要とされていると気付くのだ」との考えに至ります。さらに、中学生の時の飲食店での職業体験で、最初はいやだった店内掃除も、お客さんから「がんばれ」と声をかけられたら楽しくなったことを振り返りつつ、「たとえ自分の理想の仕事でなくても、次第に仕事の楽しさに気付くのだろう」と考えました。そして最後に、「働くことで誰かに笑顔になってもらい、いつか親に恩返しをしたい」と結んでいます。審査員からは、「自分の過去の体験も踏まえ、深く良く考えられている」「文章力があり、先生の言葉を論証して働く目的についてストレートに論じられている」などの点が評価されました。

全国公民科・社会科教育研究会会長賞「もやし18円」の筆者は、もやしがスーパーマーケットで安売りセールの目玉商品として扱われている背景について、深く調べました。もやしは少し値引きするだけでお得感を出せるため、目玉商品とされやすく、他店との競争でどんどん安くなっているといいます。しかし、気象条件による不作、人件費・輸送費の上昇などが原因で、生産農家は苦境に陥りその数は激減したそうです。筆者は「本来の価値に見合わない低価格で販売されている」「生産を続けるのが困難になるほどまで低価格を望むのは果たして良いことか」との疑問を抱きます。「もやしは物事を多角的視点から捉えることの重要性と、自分の立場からしか見ないことの危うさを教えてくれた」という筆者は、「当然だと思っている身近なことは、本当に適正に成り立っているかということを多面的に考えて生活するようにしたい」と結んでいます。審査員からは、「大人でも気付かない点をきちんと書いている」「具体的なデータを挙げ、適正な価格の在り方について経済学的に踏み込んで、深く考察している」といった点が評価されました。

金融広報中央委員会会長賞「希望への道」の筆者は、視覚と右足に障がいがあり、将来の職業について調べているうちに、「理学療法士」の資格を見つけます。そして、「足のリハビリを経験した私だからこそ、患者さんの目線で考え、優しい言葉をかけて、一人でも多くの人を元気にしていきたい」と決意します。悩んで考えた末の筆者のライフプランは明確です。高校では自力で色々なことに挑戦し、学校の外でも多くの人と交流を深めていこうと考えます。また、高校卒業後は、大学で理学療法学を専攻し、理学療法士の資格を取ったら、病院や老人介護施設で働いて、不安と闘う人たちに寄り添うことを目指しています。「正直でいること」「笑顔でいること」の2つを守りつつ、「自分の夢に向かって、未来に向かって一歩ずつ確実に希望への道に足跡をつけていきます!」と宣言して結んでいます。審査員からは、「自分の体験をもとに、ライフプランをしっかり立てている」「他人から学ぶソーシャルラーニングの視点が入っている」などの点が評価されました。

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