「おかねの作文コンクール」
第34回「おかねの作文」コンクール(小学生・中学生)(平成13年)
おかねをたいせつにつかっていますか? ものをだいじにしていますか?
「新聞配達を通して」
特選・金融広報中央委員会会長賞
滋賀県 八日市市立聖徳中学校 3年 川村 浩一
僕は今、新聞配達をしています。今年で3年目を迎えました。
始めた中学1年の頃は、朝起きるのがつらくてもういややなぁと思ったこともありました。夏の時は、早く目が覚めるのでいいのですが、冬の時は、なかなか起きられません。また、晴れた日はいいのですが、雨の日はカッパを着て、配達するのがとても大変です。
2年前の冬は、雪がたくさん積もり、普段は30分から40分で配達できるところ、1時間半もかかった時もありました。自転車のタイヤに雪がからみつき、タイヤが回らず、前になかなか進むことができなかったからです。
その日は5時半に家を出たのに、家に帰ってきたのは7時過ぎでした。母が心配して家の近くで待っていてくれました。父は草津の会社まで普段1時間かかるので、6時前に車で出たということでした。
働くことは、とても大変だと思いました。しかし、新聞配達を通し、うれしかったこともたくさんあります。朝、知らない人が、
「おはようさん。晴れてよかったなぁ。」
と、声をかけて下さったりします。
また、新聞配達をしている時に鼻血が出てきたこともありました。その時は、家の前をそうじされていたおばさんが、ティッシュを下さいました。
この間、新聞配達の途中に自転車がパンクしてしまい、仕方なく自転車を押しながら歩いていると、知り合いのおじいさんが、
「どうしたんや。」
と、声をかけて下さり、おじいさんの家の自転車を借りて、新聞配達を続けました。その後、僕の自転車を修理して、家まで届けて下さいました。
僕は、とてもうれしくなりました。新聞配達をすることで、いろいろな人と出会い、よその人から、親切にされることも多いです。知らない人同士でも、困っている人がいれば自然と行動できることがすごいと思いました。自分も、困っている人がいれば何かしたいものです。
今、バイト代の中から10,000円を除き、あとは自分で貯金をしています。10,000円は学校の学級費を支払っています。修学旅行も自分のバイト代からお金を出して行きました。
僕は、今、欲しい物があるので少しずつお金を貯めています。自分で働いてもらったお金は、なかなか無駄ができないものです。僕は、新聞配達を通して働くことの大変さがわかりました。
だから、一所懸命働いたお金が、有意義に使われてこそ、そのお金の価値があるんだと思います。そして、そのお金で買った物は、より大切にできるんだと思いました。
お金の価値について考えよう
- 「ぼく」が新聞配達を続けている姿を見て、町の人たちはどんなことを考えていたと思いますか。
- 知らない人に「おはようさん」「どうしたんや」と声をかけられたとき、「ぼく」はどんな気持ちになったと思いますか。
- 「ぼく」は新聞配達で得たお金をどう使っていますか。どんな使い方に価値があると考えているのでしょうか。