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「おかねの作文コンクール」

第37回「おかねの作文」コンクール(中学生)(平成16年)

おかねを上手に使うって?

「改めて知る三百円の価値」

特選・文部科学大臣奨励賞

新潟県 佐渡市立相川中学校 2年 清水 容子

私は、今まで自分がこうして豊かに生活できていることの意味を深く考えようとすることはありませんでした。なぜなら、この今の生活を“当たり前のこと”のように考えてしまっていたからです。しかし、この生活が決して当たり前のことではないということに最近ようやく気づくことができたのです。

それは先日、新聞日報に『ワクチン募金』について書かれた広告の記事を見つけたのです。私は新聞をじっくり読むことがあまりないのですが、大きく描かれたドラえもんのイラストに思わず目がいき、その広告を読んだのです。この広告には『日本ではもう見られない小児マヒ(ポリオ)は、まだ世界の十カ国以上の国々で幼い子供の命を奪ったり、小さなからだにマヒという障害を残しています』と書かれてありました。

このようなことが、今でも世界の国々であるということを私はこの広告を読むまで全く知りませんでした。更にこの記事には“三百円でポリオワクチンでは約十五人分、麻疹のワクチンであれば約三人分のワクチンを、子どもたちに届けることができる”というような内容も書かれてありました。

何げない日々の生活の中で、私は三百円という金額がもつ価値についてなんて、真剣に考えたことはありません。私にすれば、たった三百円で、今も世界のどこかで小児マヒに苦しんでいる人たちを、感染から守ることができるなんて正直、驚き以外の何物でもありませんでした。わずか「三百円」の価値の大きさを私は初めて知ったのです。

思えば、日本と離れた世界の国々では、今でも病気に苦しみ、支援の手を求めている人々や、悲惨な戦争や内乱、自然災害などにより、食べる物でさえ十分にとれない人々が大勢います。日本の私たちの生活とでは、大きく違ってくるでしょう。自分の住む“家”があり、“食べ物”にも不自由せず、中学校までは、義務教育として“学校”にも通うことができています。日本の中学生は、このようなことを当たり前のことのように考え、わずか「三百円」の価値に気づかずに暮らしています。本当にこれでいいのでしょうか。

私は、そうは思いません。自分の住む家がなく、路上で生活をするストリートチルドレンや、日々の生活に追われ、学校さえ通うことのできない子どもたちが、世界中のどこかにいるという現状にみんなが目を向ける必要があると思います。そして、自分たちにできることはあるのか、あるとするならば、それはどういったことなのかと考えることが大切なのではないでしょうか。

私たち中学生にも自分たちの気持ち一つで取り組めることがたくさんあるはずです。例えば、身近なボランティアとして募金活動や、使用済みテレフォンカードや切手、書き損じハガキなどの収集活動があります。このような活動に自分から進んで協力しようという思いやりの心が今、とても大切なのです。

しかし、身近な募金活動であっても、それに関心を持ち、協力しようという気持ちが今の日本の中学生には不足している気がします。「自分には関係ない」と言い放つ人も大勢いるように思います。しかし、本当に関係ないといえるのでしょうか。例え国は違うとしても、同じ地球に住む同じ人間ということに変わりはありません。

もっともっと大勢の人々が、物事の見える視野を広め、このたった今も病気に苦しみ、この瞬間を懸命に生きている人、食べる物に困り、ひもじい思いをしている人がいるということを知り、そんな中で自分はどうあるべきかを見つめ直してみることも、世界中の人々が平和に暮らせるための第一歩として必要なのではないかと考えます。

国境を越え、世界の国々で人々に貢献している日本人の方々や、世界各地で様々な技術を教えている青年海外協力隊の方々がいるということが本に載っていました。

このような方々のように、ここまで直接貢献することはできなくとも、小さなことでも今の自分にできることから始めてみようと思える人が、今よりずっと増えるといいです。

百円玉三枚。残念ながらこの金額では、今の私たちが欲しい物を買うことはできません。しかし、世界に目を向けてみれば、そのわずか三百円で人の命を守れたり救うこともできるのです。

先日、私もこの募金に参加してみました。この電話での募金が、世界に繋がるという実感はすぐには湧きませんでしたが、少し時間が経ったあとで、本当に自分のこの三百円の募金を、今頃世界の中のどこかの子どもたちが喜んでくれているのかと思うと自分も嬉しくて、少し元気がもらえた気になれました。

百円玉三枚で自分の心に元気をもらう。そして、見知らぬ誰かを笑顔にする。これってとても素敵なことだとは思いませんか。

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