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「おかねの作文コンクール」

第49回「おかねの作文」コンクール(中学生)(2016年)

講評

第49回「おかねの作文」コンクールには、全国の中学生から、前年より189編多い3,392編の作品が寄せられました。テーマは、おかねに関することであれば「自由」です。厳正な審査の結果、特選5編、秀作5編、佳作50編の入賞作品が決まりました。

職業体験でお金を稼ぐことの大変さを知って家族の暮らしを支えてくれる親への感謝の念が湧いたことや、お小遣い等でお金をくれる人の奥にある想いについて考えたこと、お金の使い方やお金の価値などを、さまざまな角度から自分の言葉でつづった作品が多く寄せられました。力作ぞろいの中から特選5編の概要を紹介します。

金融担当大臣賞「『百点貯金』から学んだこと」の筆者には、テストで100点を取ると祖母から100円をもらって貯金する約束があります。小学生時代はテストが簡単だったので、100円をもらい続けていました。初めの頃はそのお金を大切に貯めていましたが、高学年になると遊びや欲しい物に使い始めます。中学生になると、テストが難しくなって祖母に満点の答案を見せることが格段に減りました。そんな時、祖母から「100円をあげたいな」と言われて、変だと思う筆者に、頑張って勉強するあなたを応援するのが祖母の楽しみなのだと母は祖母の気持ちを伝えます。祖母や母からもらうお金はすべて「想い」のこもったものだと気付いた筆者は、感謝を忘れた浪費を反省します。百点貯金の活きた使い方を真剣に思い悩み、これからお金を使う時はその「お金に込められた意味と想いを思い出したい」と結びます。審査員からは「おばあさんの想いに応えて勉強を頑張ろうという気持ちをわかりやすくつづっている」「人の想いとお金の結び付きがうまく書かれている」ことなどが授賞理由として挙げられました。

文部科学大臣賞「お金の価値」は、母の教育方針と仕事体験からお金の価値を学んだ体験談です。筆者は一人っ子ながら甘やかされることはなく、欲しい物があっても、親を説得できないと買ってもらえず、しかも買った物は報告して余ったお金は返しています。中学2年生の時に5日間、作業所での仕事を体験しました。作業所の人は優しく友達も一緒で、仕事も難しくはありませんでしたが、なぜか学校で勉強するより疲れを感じ、厳しい環境の中で朝から深夜まで働く父の、家族のためにお金を稼ぐことの大変さを痛感させられたと言います。筆者は「もし欲しい物をすぐに買ってもらえていたら、お金のありがたさや価値を今でも想うことができなかったかもしれない」と回顧。小遣いをもらうようになったら小遣い帳をつけて無駄遣いをしないようにし、いつか家族ができたら「教えてもらってきたお金の価値を子供達に伝えていきたい」とつづっています。「お金の大切さについて、頭で理解したことと作業所での体験をうまく結び付けて丁寧にまとめている」「倹約だけではなく、必要なことにはお金を使うべきだと述べている」ことが評価されました。

日本銀行総裁賞「十円玉三枚の重み」の筆者は、幼稚園時代から母、妹とフリーマーケットに参加していましたが、成長するにつれ大きな声を出すことが恥ずかしくなり、儲けがほとんどないことなどにも疑問を抱くようになります。中学生になって、最後のフリーマーケットのために初めて雑貨作りを手伝ったところ、手作りの苦労を体感し、「売るだけで大変」と感じていた自分を恥じます。当日、自分が作った商品を初めて手に取ってくれた人に一生懸命説明すると、10円玉が3枚渡されました。「初めて自分で稼いだという感動と、買ってくれた人に対しての感謝の重みを感じた」そうです。筆者は、母が深夜まで雑貨を作り、「儲けのないフリーマーケットに参加していたのは、私たちに大切なことを教えるためだったのかも」と思います。本当に必要かどうか考えて買うことが習慣になった今、「お金を大切にする気持ちはずっと持ち続けたい」と述べています。「自分の経験から感じた大変さや母親の想いが素直に表現されている」「経済活動の意味や、もの作り体験をわかりやすく書いている」と審査員から高い評価を得ました。

日本PTA全国協議会会長賞の「一円玉一枚は一つの思い出」は、1円玉のお年玉が7世代をつなぐ物語です。筆者は2歳の時、曾祖母から大きなごみ袋3つに入った1円玉のお年玉をもらいます。曾祖母は、スーパーのレジ袋に入る分だけ1円玉を移し、筆者とデパートで積み木を買いました(※)。残りの1円玉は一袋分を残して両親が筆者の銀行口座に入れ、筆者は残った一袋から定期的に1円玉を自分の財布に移し、海外の貧しい子供達などへの募金箱に寄付したり自分で使ったりしてきました。認知症になった曾祖母からは、あのお年玉の意図をもう聞くことはできません。筆者は1円玉をもらった時の感情やそれにまつわるさまざまな出来事を覚えていて、大好きな曾祖母と話せない悲しさも含めて「大切な物語だ」と言います。新しい物語を何十年か後に作る――曾孫のお年玉にするために、筆者は1円玉を貯め始めたと結んでいます。審査員は「素直な感情がよく表現されている」「祖父母の気持ちや周囲の人の様子が細かく描写されている」などと評価しました。

※買い物の際に、同じ種類の硬貨(1円・5円・10円・50円・100円・500円の6種類)を21枚以上使うと、商店等(お金の受け取り手)に断わられることがあります。これは、同じ種類の硬貨を一度に20枚まで使用する場合は「強制通用力」があり(売る側は受け取りを拒めない)、21枚以上を使用する場合は「強制通用力がない」ためです。
──「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」の第7条に「貨幣は、額面価格の二十倍までを限り、法貨として通用する」と定められています。
紙幣の場合は、強制通用力があるため、代金を支払うために無制限に使用することができます。

金融広報中央委員会会長賞「祖父のランドセル」の筆者の手元には、祖父から買ってもらい形見となっていた濃いピンク色のランドセルと、オランダからの帰国後に転入した学校が指定した黒いランドセルがあり、黒い方は「寄付しようとすぐに決められた」が、祖父のランドセルについては小学校卒業前からずっと悩み続けています。「私のために使われたお金とたくさんの思い出が詰まっている」ランドセルの、祖父が一番喜んでくれる使途を母ともう一度考え、人と交わることが大好きなのに病気で長旅ができなかった「祖父の代わりに旅をしてもらい、次の人に使って喜んでもらった方がいいかもしれないと感じた」と述べています。筆者は祖父のランドセルのおかげで、先のこともしっかり考えたお金の使い方をしたいと思うようになったのかもしれないと言い、「お金の重み=気持ちの重み=思い出の詰まったランドセル」の行き先を「もう少し悩んで自分で決めたい」と結びます。「いろいろな葛藤や想いが正直に書かれている」「あれこれといろいろな選択肢を一生懸命考えている様子や祖父の生き方まで思いを広げて人の想いを酌み、自分で悩んで決めていく様子が上手に書けている」と高く評価されました。

著名人・有識者が語る

  • プロサッカー選手 中村憲剛さん
  • 脳科学者 中野信子さん
  • 作家 上橋菜穂子
  • 落語家 林家たい平さん
  • 劇作家・演出家・女優 渡辺 えりさん
  • 青山学院大学陸上競技部監督 原 晋さん
  • 東京女子医科大学・先端生命医科学研究所教授 清水 達也さん
  • 元スピードスケート選手/長野五輪銅メダリスト 岡崎 朋美さん
  • 工学博士 石黒 浩さん
  • 日本体育大学教授 山本 博さん
  • 編集者・評論家 山田 五郎さん
  • 作家 荒俣宏さん
  • 医学博士 日野原重明さん
  • 山形弁研究家、タレント ダニエル・カールさん
  • 公認会計士 山田真哉さん
  • タレント パトリック・ハーランさん
  • 精神科医、立教大学教授 香山 リカさん
  • 野球解説者 中畑 清さん
  • 順天堂大学准教授 鈴木大地さん
  • 昭和女子大学理事長・学長 坂東眞理子さん
  • プロスキーヤー、クラーク記念国際高等学校校長 三浦雄一郎さん
  • 明治大学文学部教授 齋藤孝さん
  • マラソンランナー 谷川真理さん
  • 数学者 秋山仁さん
  • TVキャスター 草野仁さん
  • サッカー選手 澤穂希さん
  • ピアニスト 梯剛之さん
  • 女優 竹下景子さん
  • 食育研究家 服部幸應さん
  • おもちゃコレクター 北原照久さん
  • 宇宙飛行士 山崎直子さん
  • 早稲田大学名誉教授(工学博士) 東日本国際大学副学長 エジプト考古学者 吉村作治さん
  • 工学博士 淑徳大学教授 北野大さん
  • 登山家 田部井淳子さん
  • 音楽家 タケカワユキヒデさん

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