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「おかねの作文コンクール」

第51回「おかねの作文」コンクール(中学生)(2018年)

講評

第51回「おかねの作文」コンクールには、全国の中学校から2,554編の作品が寄せられました。テーマは、おかねに関することであれば「自由」です。厳正な審査の結果、特選5編、秀作5編、佳作50編の入賞作品が決まりました。

家族と決めたおかねのルールや日常の買い物といった身近な生活体験から、校外学習、海外研修まで、さまざまな場面での学びを通しておかねの価値や意味に気付き、考察を深めた作品がそろいました。災害復興や国の予算をテーマにした作品も見られ、社会への関心の広がりがうかがえました。構成力、表現力にも優れた入賞作品の中から、特選5編の概要を紹介します。

金融担当大臣賞「『まぁいっか』のお金」の筆者は、夏休みの約1カ月間を過ごすにあたり母親から3万円を渡されます。日割りの1,000円から塾への往復交通費500円を引いた残りの「500円」を1日の予算と計算して、「なんだ、余裕じゃん」と考えます。ところが、1週間後に所持金を確認すると大幅な支出超過となっていたため、レシートを集めて分析したところ、「まぁいっか」という気の緩みが原因とわかりました。「お金の使い方の見直しが必要」と決心し、対策として①毎日決まった金額のみ財布に入れる、②毎日レシートを記録し無駄がなかったか確かめる――という2つのルールを実践して無駄使いを克服します。さらに、普段、喉が渇いて水を買おうとコンビニに入っても、つい店頭に並ぶジュースが欲しくなり購入していたため、中学入学以来2万7,000円も無駄使いしていたことに気付き、「まぁいっか」のお金を減らすことが有益な使い方に繋がると結論付けています。審査員からは、「中学生らしい身近な体験から感じたことをしっかりと表現している」「失敗を重ねながら、金銭感覚を身に付けていく過程がよく書かれている」「論旨が明快で素直に書きつづられている」などの評価がありました。

文部科学大臣賞「身に染みた“稼ぐ“ということ」の筆者は、小学6年生のとき、商売体験を通じて子供の自主性を育てるイベント「ジュニエコ」に参加しました。友人4人と一緒にクレープ屋を開店、仕入れから商品管理、売り上げまで全てを自分たちの責任で行いました。資本金(最大2万円)を得るため株主(親)へのプレゼンテーションを行い、必要な材料を調べて購入、看板やクレープの包み紙も用意しました。はじめは「いらっしゃいませ」と声を出すのも恥ずかしかったのですが、「お金を稼ぐことの大変さ」「利益を出すことの難しさ」を知り、客からの値下げ交渉に「気にかけたことのなかった1円が、とても価値の高いものだと思える」ようになりました。1日働いて手にした給料900円は「眩しかった」といい、毎日遅くまで働いて不自由のない生活をさせてくれる両親に感謝するとともに、お金には「生き方や社会参加の仕方」も大きく関わっており、稼ぐことの大変さを体験したことで「1円も無駄にしてはいけない」と決意します。審査員からは、「体験に基づく気付きから、お金と社会との関わりにまで考察が広がっている」「親への感謝がよく伝わり、キャリア教育の視点もある」などの点が評価されました。

日本銀行総裁賞「小さな落とし物が広げた世界」の筆者には保育園に通う5歳の弟がいます。ある日、弟たち保育園児は近所の公園に散歩に行き、「お魚のメダル」を見つけました。保育士が調べると、それはアイスランドの硬貨だと分かりました。園児たちはもちろん、筆者もアイスランドはどんな国なのか、どんな硬貨があるのかと調べます。見つけたのは「ししゃも」が描かれた10クローナ硬貨でした。海に囲まれたアイスランドには他にも1クローナ硬貨は「タラ」、5クローナ硬貨は「イルカ」といった具合に、海の生き物をデザインしたものが多くあることが分かりました。筆者は他の国の硬貨も気になり調べてみると、お金はその国の自然や歴史を表しており、その国だけのオリジナルなものだと気付きます。同時に、園児たちがお金では買えないたくさんのことを学び、思い出を得ることができたことから、物を買うだけではない「お金の力」を強く感じました。審査員からは、「物としてのお金からグローバルな話にまで展開していく点がおもしろかった」「たったひとつのコインから、たくさんのことを園児が学んだことが素直に書かれていた」などの点が評価されました。

日本PTA全国協議会会長賞「金銭感覚にも個人差はある」の筆者は5人兄弟の長女です。この夏、定額のお小遣いのない妹や弟たちのため、お手伝いをすると報酬が得られるという夏休み限定のルールを家族でつくりました。ごみ出しや洗濯物を干す・取り込む・畳むなどの重労働は1回50円。その他は1回10円。忙しい母親が楽になり、家族みんなが快適に過ごせるメリットがあった一方で、報酬を得られない食事の準備や後片付けをしなくなるなどデメリットもありました。報酬を得て、妹たちはお金の使い方が変わりました。弟たちは相変わらず無駄遣いをしていましたが、筆者は「この取り組みは、両親が妹や弟に、お金は働いた分だけ貰えるということや自分で稼いだお金を上手にやりくりするにはどうすればいいのかを考えさせるために企画してくれたのだ」と感じます。この取り組みを通し、筆者は「今の自分のお金の使い方、その大切さを考え直したい。いつも頑張って働いてくれている両親に感謝し、当たり前のことやそれ以外のことも今まで以上にしっかり取り組みたい」と締めくくっています。審査員からは、「お金の使い方のルールを通じて家族観や両親への感謝が伝わってきた中学生らしい作品」「『お金を貰えないことはやらなくても良いのか』との視点が斬新」との評価を得ました。

金融広報中央委員会会長賞「人生の道をつくるものとは」は、夏休みにカンボジアへ研修で訪れたのを機に、水の大切さとお金の重要性について考えた作品です。筆者が訪れた地域は水道設備が整っておらず、釜に雨水をためて生活用水にしていましたが、それだけでは足りず、富裕層は市場で清潔な水を買い、貧困家庭は遠く離れた川まで子供が何時間も歩いて水汲みに出かけていました。重労働であるうえ、日中の水汲み作業は学校で教育を受ける時間も奪います。子供たちの大切な未来まで変えてしまう現実に衝撃を受けた筆者は、帰国後、いかに日本が平和で豊かな国であるかを実感します。そして、この現状を多くの人に知ってもらうため、井戸を建設するための募金を呼びかけ始めました。筆者は今後、自らも物を大切にして節約し、世界の子供の夢の実現のために募金すると決意し、「平和で安全な国日本に生まれ、その中で日々自由に勉強に励めることに感謝し、自分の力を最大限発揮できるよう全力で生きる」と結んでいます。審査員からは、「貧困など世界的な問題を、自分の体験を通じてしっかりと考えている」「海外体験をきっかけにした気付きや決意を、理路整然と力強く表現している」「日本の当たり前が世界の当たり前ではないことを示唆しながら、自分の決意を表現している」などの点が評価されました。

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