金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2008
実施報告
大人のおかねセミナー 知るぽると金融教育教室
知って得する!家計の知識
開催場所:東セミナールーム 定員90名(各50分)
開催時刻:16:30~17:20
対 象:大人向け
講 師:日本放送協会
制作局 経済・社会情報番組 専任ディレクター 小宮 善彰 氏
レジュメ(PDF 121KB)
NHKの土曜朝の番組「家計診断」では家計に役立つ情報を伝えています。『“家計”改善の決め手とは?』何か、制作にあたる中で、日々、感じていることをお話しします。
この1年、特に強く感じたことは、「知らないと損をする時代」になったということです。規制緩和の流れが一段と加速し、消費者側の自己責任が一層強く問われているように思います。自分の責任と判断で、商品やサービスを選ぶこと、必要な申請などは自らが責任をもって行うことが、求められているのです。
例えば「保険金の不払い問題」。生命保険に端を発し、自動車保険や医療保険、火災保険で次々と不払いが明らかになりました。特に目立ったのが、申請がなかったから支払わなかったというもの。事故で車を修理している間、代車の費用を補償する「代車費用保険金」では、商品によっては、実際に代車を使う、使わないにかかわらず保険金が支払われます。しかし、契約者が「代車を使わなかったから請求しなかった」ために保険金が支払われなかったというケースが数多くあったのです。
また「年金記録問題」は社会保険庁のずさんな記録管理の体制に責任があるのですが、加入者側が住所変更や結婚などで姓が変わった時に、きちんと届出をしてなかったケースで数多く起きています。保険代理店や保険会社、社会保険庁などに「任せておけば大丈夫」とはいかないのです。きちんと保険の仕組みを理解し、自ら内容をチェックしないと、知らぬ間に損をしかねないのです。
その他にも、家計にまつわることで、知っておくとトクをすることは、数多くあります。公的医療保険の「高額療養費制度」を使えば70歳未満の方(法で定められた所得区分が一般の場合)は、1か月100万円の医療費がかかっても、自己負担金は9万円弱で済みます。また医療費が多額になった時は、確定申告すれば納めた税金が戻ってくることもあります。
「クーリング・オフ制度」も、様々なケースで役立ちます。例えば、訪問販売で勧誘された住宅リフォームの場合、工事が完了していても契約書面に不備があれば、いつでも契約を解除でき、代金を支払う必要はないのです。
分からないことがあれば、とにかく、わかるまで業者に聞くことです。そしてトラブルになったら、泣き寝入りせずに、近くの消費生活センターなどに相談して下さい。解決の糸口が見つかるはずです。まずは、自ら積極的に行動を起こすこと、これこそが家計改善の決め手だと思います。