金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2008
実施報告
大人のおかねセミナー 知るぽると金融教育教室
葬儀についての実態調査と消費者意識
開催場所:西セミナールーム 定員90名(各50分)
開催時刻:16:30~17:20
対 象:大人向け
講 師:(財)日本消費者協会
総務グループマネージャー 佐伯 美智子 氏
レジュメ(PDF 225KB)
人生最後のセレモニーの費用はいくらかかるのか。また、かけるのか。私ども日本消費者協会が行った葬儀費用の実態調査と意識調査から、自分や家族の葬儀に対する思いや準備をしておきたい点などを紹介します。
葬儀の場所は、1999 年の全国調査では「自宅」が最も多かったのですが、2007年「葬祭センター」が最も多くなっています。葬儀の規模は、以前は「遺族の社会的地位で決めた」という回答数が非常に多かったのですが、最近は1 割以下になっています。
祭壇を選ぶ際は、セット販売物ではなく、「必要なものを組み合わせる」という形が増えています。また、葬儀の一切を葬儀社任せにせず、「見積書を出してもらった」という回答が66%に達しています。
お寺に支払う寺院費用は分かり難いものです。見積書や領収書は出ませんし、僧侶に支払う費用は「お布施」です。金額の目安は、葬儀社に相談すると教えてくれますので参考になさるといいでしょう。また、火葬場で葬儀を手伝って頂く方への心付けは一切無しというわけにはいかず、私ども消費者協会として改革していかなければいけないと思っています。
2007年の全国調査では、通夜の飲食費用は2万円~260万円、寺院費用は5万円~250万円、葬儀社への支払いは10万円~450万円で、葬儀全体の費用は30万円~最高額1,000万円超でした。全体の費用(平均)を経年的に見ると、1983年は100万円でしたが、バブル期にぐっと上がり、1992年に200万円を超えました。今回は前回の2003年よりやや下がって231万円でした。
最近の葬儀は、非常に高齢で亡くなられる方が多くなっており、喪主も現役世代ではないことから、家族だけの葬儀が増えています。「生前予約を相談したい」と考えられている方も4割近くに上ります。
また、1人で生活してきて家族や兄弟もいない方が、家の処分から葬儀・埋葬までして欲しい場合は、それを請け負うNPO法人が設立されています。葬儀費用は、まとまった支出となりますから、葬儀費用に充てる預貯金や生命保険、葬儀業者の生前予約や積み立てなど、ある程度の準備が必要だと思います。