金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル in the Galaxy
6F 大人の宇宙おかね教室 知るぽると金融教育セミナー
株式会社のしくみと東証の役割
講師:(株)東京証券取引所グループ
CSR推進部 東証アカデミー事務局長 木村 享司 氏
株式会社というのは、社会における生産セクターであり、日本の社会が経済的に豊かになるために不可欠な仕組みです。社会の必要とする各種の商品、サービスを生み出すと同時に企業価値を高め金融資産価値を高めるという大きな役割を負っています。
株式会社が資金を調達するには、借り入れによる方法と株式を発行する方法があります。借り入れの場合は元本の返済期限があり、一定の金利を支払う義務が生じます。一方、株主に株式を発行する場合は、返済期限がありません。また、業績が良く利益が出たときには、配当金を支払うことが出来ます。なお、株主の資金回収のため株式は譲渡可能とされています。このように会社にとって、株式による資金調達というのは非常に安定した使い勝手のいい資金なのです。会社は事業リスクを負っていますが、その事業リスクに対して非常に強い資金調達方法だともいえます。
株式を英語でいうとstockという言葉が良く使われますが、その他にshareという言葉もあり、こちらは企業活動に資本参加し、事業リスクを分担して結果としての利益を享受することを意味するといわれています。
株主は、株式を購入することで会社の事業活動に参加し、会社が利益を上げると、配当金を受け取ることができ、株式価値が高まると株式を譲渡して売買益を得ることができます。また、株主総会にも出席して意見を述べられます。こうしたメリットがある反面、事業活動がうまくいかない場合のリスクも負っています。事業活動が順調ではなく赤字の場合は配当金がありませんし、株式の価値も高まりません。最悪の場合は、会社が倒産し無価値になることもあります。そういう意味で株式投資は、会社が行う事業活動に参加してリターンを得ることが出来る反面リスクを負っており、リスクとリターンのバランスの上に成立しているのです。
現在、日本社会の商品やサービスの大半は株式会社によって提供されています。株式会社は、社会・経済の生産部門の中心的な仕組みをなしているといえるでしょう。株式会社は、消費者とユーザーのニーズに応えて、良い製品やサービスを提供していくことを通じて社会を豊かにし、利益を上げ株式の価値を高めることが基本です。その株式が取引されているのが取引所市場であり、株式市場が在って初めて、株式会社制度はうまく機能していくのです。