金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2010
金融教育セミナー 岡山会場
全国銀行協会
企画部 次長
内田 浩示 氏
「金融犯罪にご用心!~金融犯罪の手口と対策」
被害に遭わないために、まず身の回りの自衛策を
平成20年の振り込め詐欺事件は約2万件。被害総額は約276億円で、金融機関の営業日で言えば毎日約1億円の被害が発生しました。官民一体で防止に取り組んだ結果、22年は上半期で約36億円まで減りましたが、まだまだ気を付けて頂きたいです。
振り込め詐欺の半数以上を占める「オレオレ詐欺」の被害者アンケートで7割の人は「自分は絶対引っかからないと思っていた」と答えています。この詐欺は、子や孫が困っているなら助けてあげようという情愛に訴えることがポイントで、電話をかけてきた人を肉親と信じさせれば、犯罪は成功したのも同然です。電話で相手にまず名乗らせる、振り込む前に家族、友人に相談する、家族しか分からない合言葉を決めておく、などの対策で防ぎましょう。
銀行でも、口座開設時の本人確認、窓口・ATMでの声掛け、ATMでの携帯電話の通話自粛のほか、不自然なお金の出入りがある口座の検知システムを作るなどの対策を行っています。また、振り込め詐欺に利用された口座名義人のリストを警察から提供されて各行で共有し、犯罪に加担した人の口座開設を断っています。
振り込め詐欺の手口には、手紙やメールで不特定多数の人に架空料金を請求する架空請求詐欺もあります。身に覚えの無い請求は無視して下さい。一度払ってしまうと、別のグループからも次々に狙われます。
金融犯罪に遭わないために、次のような対策を講じて自衛しましょう。口座の暗証番号は生年月日や電話番号など他人に推測されやすいものにしない。ATMなどで他人に暗証番号を見られないようにする。暗証番号は定期的に変更する。キャッシュカードを他人に渡さない。キャッシュカードを入れた財布を自動車内に放置したりしない。記帳を頻繁にして口座の入出金状況を確認する。通帳と印鑑は別々に保管し、一方でも失くしたら取引銀行にすぐ連絡する。ATM利用限度額を引き下げる、等です。
偽造・盗難キャッシュカードの被害に遭ったら、18年施行の「預金者保護法」で、被害者に過失が無ければ原則として補償されます。被害に気付いたら、すぐ取引銀行に連絡して下さい。
全国銀行協会とは
全国銀行協会は国内で活動する銀行等を会員とする業界団体で、刊行物やホームページ、どこでも出張講座などを通じて、銀行業務に関する様々な啓発活動に取り組んでいます。