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金融教育フェスタ

金融教育フェスティバル2011

教員向けセミナー 中学校分科会<1>

講師 : 中川 克巳 氏(三重県津市立一身田中学校 教諭)

「中学校におけるキャリア教育の実践発表」

中川氏の写真

実践報告

本校では、生徒たちが自立した社会人として人生を主体的に歩んでいけるよう、全学年においてキャリア教育を行っています。その一例として1年生の起業家教育のメインプログラム「会社をつくろう」を紹介しましょう。

これは、10人前後でグループを作り、一人につき資本金1,000円を渡して実際に商品開発を行うものです。情報収集をして商品を考え、事業計画書をまとめ、生産、販売までします。リアルにお金を使うというのがポイントです。

セミナー風景の写真

「会社をつくろう」には「地域で暮らす人々の喜びを感じよう」というテーマがあります。子どもたちは自分の住む地域の課題を知り、何を作って売れば喜ばれるかを考えていきます。市場調査に出掛け、商品名や利便性、デザイン、値段…様々な視点で調べる体験をします。そして事業計画書を作成し、これをプロの方が審査します。中学1年生ですから、最初はほとんどダメ出しされますが、OKが出るまで何度も出します。次は、コンセプトや企画内容のプレゼンテーションです。持ち時間は3分。まずクラス内で発表し、次は体育館で全グループが発表するのですが、この時は、このプログラムを考案した方が立ち合い「これは売れないね」「高いね」などの意見をいただきます。さらに、地域のサポーターの方や教育委員会の方に、試作品の評価をしてもらい、その評価をもとに改良して商品に仕上げ、広告を作ります。売上の管理も勉強しておきます。その後、地域の祭りに出店し、いよいよ販売です。この他、京大で開かれる「バーチャルカンパニー」というコンテストにも参加し、販売します。

これを経験した子どもたちの反応で面白かったのが、特にお客さんにお金をもらった時に非常に喜ぶということです。お金というのは自分の努力の結果だということを実感しているわけですね。こうしたキャリア教育での学びが、将来を切り拓く大きな力になっていくと信じ、私たち教員も挑戦しようという姿勢で今後も取り組んでいきたいと思っています。

ワークショップ

一身田中学校の生徒たちがキャリア教育の授業で体験した内容を、参加者の皆さんにも体験して頂きました。

前半は、コンビニではどのように商品を陳列するのがよいかを考え、商品陳列の法則性を話し合いました。中川先生は「コンビニの商品陳列の法則性としては、見つけやすい、つい買いたくなる、などがあると思うが、オフィス街と住宅街のコンビニでは陳列方法が違い、また空港内のコンビニでは歯ブラシや靴下が目立つ所にあるなど、立地条件などによって変わる。大事なのはその法則性を自分で見つけること。正解は一つではないのだから、子どもたちが自分の意見に根拠を持ち人前で意見を言うことが大事」とお話しくださいました。

後半は、一身田中学校で実際に使用している職業興味検査を簡便に行うための「OHBYカード」を体験し、カードの使用方法と利点について、参加者の皆さんに理解を深めて頂きました。

教員向けセミナー 中学校分科会<2>

講師 : 原田 功 氏(静岡県浜松市立佐久間中学校 教頭)

「働く喜びを引き出すキャリア教育~木工製品の製作から販売まで~」

原田氏の写真

実践報告

私が発表するのは、技術の時間に生徒が作った木製品を売るという活動です。私がこの活動を思い立ったきっかけは2つ前の赴任先に遡ります。「自分がつけた力を活かそう」という研修テーマがあり、「技術科ではどう活かすのか」と聞かれた私は「作ったものを社会で売る」と答えました。しかし、その学校では叶いませんでした。意気込んで次の学校に行くと、今度は教頭から「子どもが作ったものを売っていいのか」、「子どもにお金を扱わせるのはいかがなものか」という反応でした。この活動の意味を必ずわかってもらうという思いで、取り組みを始めたわけです。私自身にも「作ったものを売る場所があるのか」という不安がありましたが、実際に探してみると、中学生の活動に理解を示してくださる方も多く、公民館祭りや区のフェスティバル、6月と12月に開催される森のアウトレットという場で販売することができました。

セミナー風景の写真

子どもたちが実際に作ったものを売っていると「造りが悪いね」、「値段が高いね」など、きついことも言われます。でもその経験をして「きれいに作らなきゃ売れない」ということを知り、「材料費がこれだけかかっているから、いくらでいくつ売らないといけない」と考えるわけです。失敗した子がまた次の年も技術の授業を選択してくる。それはやはり、売る喜びがあるからです。失敗の方が多いかも知れませんが、反省の繰り返しで次につながり、少しずつ進歩できたのかなと思っています。

当初は技術科だけで取り組んでいましたが、最近では家庭科で座布団などを作って一緒に売りに行くこともあり、活動が広がりをみせています。

ワークショップ

参加者の皆さんに「『子どもたちが作ったものを校外で販売する』場合、どのように教頭先生の理解を得るか」を考えて頂き、ロールプレイ方式で発表し合いました。

教頭先生役からの「子どもが作ったものを販売してよいのか」、「販売できるレベルの商品が作れるのか」などの質問に対し、「金融教育の一環として、子どもたちに資本や生産、販売、在庫管理、帳簿のつけ方などを体験的に学んでもらう機会は必要」、「売れるものを作るために、十分にリサーチを行う。もし販売した商品について苦情があったら、子どもたちと共に苦情の原因や今後の対策をよく考え、次の製品づくりに活かすことも学習として意味がある」などの回答案が出ました。

教員向けセミナー 中学校分科会 総括

講師 : 大杉 昭英 氏(岐阜大学教育学部 教授)

大杉氏の写真

仕事をうまくやっている人の思考や活動パターンから導きだした能力を「コンピテンシー」と言います。豊かな人生を送るために、全ての子どもが身につけておくべきキーコンピテンシーは3つあると言われています。1つめは、自分とは違う意見を持つ人たちとも共同して働くことができ、対立・紛争を処理できる能力、2つめは先を見据えて計画を立て遂行していく、その時に自分の権利・義務を明確にしていく能力、3つめは、知識や言語、技能などの道具をうまく使って問題を克服する能力です。

中川先生、原田先生が発表された実践の中では、これらのキーコンピテンシーが機能していると感じました。商品を企画し、作って売るという体験は金融教育の一つであり、様々な知識や能力を身につけることにつながります。大切なのは、子どもたちが学んだ知識や技能を「次の学習や生活に活用できる」ようにすることです。金融教育が、子どもたちの豊かな人生の実現につながっていくことを願っています。

プロフィール

昭和28年生まれ

広島大学大学院修了、公立学校教員、広島県教育委員会指導主事などを経て、

平成9年

文部省(現文部科学省)初等中等教育局中学校課教科調査官(兼)高等学校課教科調査官

平成13年

国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官(兼)文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官(社会)

平成15年

文部科学省初等中等教育局視学官を歴任し、

平成19年より現職。


『中学校学習指導要領<平成20年>全文と改訂のピンポイント解説』明治図書(平成21年)、『高等学校 新学習指導要領の展開 公民科編』明治図書(平成22年)ほか著書多数。

著名人・有識者が語る

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