金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2011
金融教育セミナー 京都会場
京都府金融広報委員会
金融広報アドバイザー
清水 幸一 氏
シニアライフのマネープラン
シニアライフのマネープランを考えるうえで一番大事なことは、老後(退職後)の生活設計をしっかり立てることです。65歳の人の平均余命は男性で約19年(約84歳)、女性約24年(約89歳)と退職後の人生は長いのです。一方、年金などは厳しくなる方向です。
まず、退職後はどんな生活を送りたいのか、なるべく具体的に考えます。次に、現在の金融資産を把握します。そして退職後の生活に必要な支出、さらに退職後の収入を見積もります。支出は、どのような生活をしたいかによって全く異なります。収入は、今後年金支給額は減少し、支給開始年齢も引上げられる方向です。税金や社会保険料などは上がり、可処分所得は減ります。家族の年齢を記したライフイベント表をつくり、収支予想を作れば、例えばどの時点で収支がマイナスになり、どの時点で貯蓄がなくなってしまうかなどがわかります。
対策として、1つは収入をふやすことですが、老後にはなかなか難しいです。2つ目は支出を減らすことです。3つ目はお金に働いてもらうことです。低金利の預貯金だけでは足りない場合、資産運用が重要となります。なお、将来のインフレや円安などが心配な場合、資産保全の意味でも運用を考える必要があります。
資産運用に際しては、余裕資金がどのくらいあるかを確認し、目標とする金額や収益率を設定する一方、どこまで損失に耐えられるかも考えます。留意点としては、(1)目標収益率を欲張らない、(2)金融商品の性格を理解する(安全性、収益性、換金性すべてに優れる商品は存在しない)、(3)リスクを把握する(価格変動リスク、信用リスク、インフレリスクほか。リスクを理解できない商品は買わない)、(4)投機ではなく投資をする、(5)時間を武器にし(長期投資、継続投資)、複利の効果も味方につける、(6)「負けない」よう運用成果・方針のブレを小さくする、(7)ブレを小さくする秘訣は分散投資、(8)値動きの異なる投資対象に分散する(国内債券、国内株式、海外債券、海外株式など)、(9)コストにも気を配る(手数料、信託報酬など)、(10)分散比率を定期的に見直す、です。
なお、お金は使ってこそ価値があります。将来に備えるお金が確保できたら、お孫さんにランドセルを買ってあげたり、旅行をしたり、家族の記念日を祝うなど、豊かなシニアライフを実現してください。
京都府金融広報委員会とは
財務省近畿財務局京都財務事務所、京都府、日本銀行京都支店、金融機関等が協力し、府民の皆様に対して、暮らしに身近な金融経済情報の提供と、健全な家計運営のための金融金銭教育の普及に努める中立・公正な団体です。