金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2011
金融教育セミナー 東京会場
CFP®/生活経済ジャーナリスト
いちのせ かつみ 氏
お金が好きやねん! 必要なモノと欲しいモノの違いって?
「お金って汚いもの」「金もうけって悪いこと」といった風潮が日本にはあります。「人前でお金の話をしたらあかん」「子どもの前でなんか絶対あかん」みたいなところです。「そこまで言うんやったら、嫌いなんか?」って聞けば、本音は違うでしょ。心の奥は違います。好きでも、勉強せえへんかったら、絶対トラブル起こります。僕も皆さんも上の世代も習ってこなかったわけです。いきなりお金の話を始めても「ついて行かれへん」が実情です。私が普段どんな授業をしているか見ていただいて、学校や家庭で参考にして下さい。
最初に、画面に800万円くらいのお金を出したり、本物の100万円の束を触らせます。そのうえで「お金が好きな人、手を上げて」って言います。西日本の子は手を上げますが、東日本や北にいくほど手を上げない。大都市圏と地方でも違います。地方に行くほど、中学・高校を卒業したら下宿します。東京や大阪の子は家から通い、働き出しても家にいる。お金と向き合う時期が遅く、結婚したときにトラブルを起こしたりします。地方に行くほど、お金と向き合うのもトラブルに遭うのも早い。子どもや学生は狙われています。例えば大学の周りにはヤミ金が多いです。
子どもたちに身近なコンビニの話をよくします。売る側がいかに工夫して買わせるようにしているか知ってもらうことで、買う側としてのお金の使い方も見えてきます。コンビニの人気商品を使って、「何が欲しい?」と聞き、選んでもらう。その後で今度は「何が必要?」って聞きます。子どもに「欲しいモノと必要なモノ、どちらを買うのが賢い買い方ですか」って聞けば、当然「必要なモノ」って答えます。でも、実際には必要なものより欲しいものを買っていることが多い。それを実感し、考えてもらっています。
携帯について、子どもたちに教えてもらいながら、後払いは借金であること、携帯にかかるお金が積もり積もると車や家が買える額になること、ダウンロードは危ないこと、携帯で撮影した写真をネットで流したり、友達の悪口をネットで書き込むと加害者になること、などを話します。重視しているのは、子どもたちに本物を見せ、驚きをもって受け止めてもらうことです。
プロフィール
全国各地で金融教育の講演活動を行う。ユーモア溢れる語り口で、大人も子どもも楽しく学べる講演が評判。平成15年、自転車で全国を縦断し、ボランティアセミナーを実施。