金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2011
金融教育セミナー 東京会場
生活経済ジャーナリスト
子供のお金教育を考える会 代表
あんびる えつこ 氏
「買って!買って!病」を治す24の処方箋
いまの子どもは、親だけでなく祖父母などもスポンサーです。おこづかいやお年玉をもらい、欲しいものは買ってもらえます。がまんを覚えるべき時期に、がまんする機会がなくなっています。一方、子どもの将来は雇用、財政などさまざまな面で一段と厳しくなることが予想され、自立して生きていくための力として、お金に関する能力を子どもに身につけさせる必要があります。
「買って!買って!病」の「初期」は、小学校中学年頃までで、物を大切にしない、新しいおもちゃを次々と欲しがる、親の買い物について行ったときに必ず何か買ってもらおうとする、欲しいものがあるとその場でとことん要求する、祖父母に物を買ってもらうのがうまい、などが特徴です。ルソーは「子どもを不幸にする一番確かな方法は、いつでも何でも手に入れられるようにしてやることだ」と言っています。小さながまんを重ねていった結果、より大きなものを手に入れられることを教えましょう。「ほしいものすべては手に入らない」と教え、欲望をコントロールさせましょう。祖父母にプレゼントをもらえるのはクリスマスと誕生日だけ、買い物で欲しいものを買えるのは週1回だけ、などと「わが家のルール」を定め、守らせましょう。
「進行期」の特徴は、おこづかいをすぐ使う、ひたすら貯金する、友達の持っているものを欲しがる、お手伝いに報酬を要求する、おこづかい帳をつけない、などです。おこづかいを通じて、自分でより良い意思決定をすることを学ばせましょう。私は「カレーづくりゲーム」を使い、お金には限りがあり、何かを買ったら何かをあきらめないといけないことを教えています。必要なものは欲しいものに優先されることを学ばせることも大切です。
「自立期」の症状は、お菓子やジュースばかり買う、おこづかいが足りないとよく言ってくる、友達の間でおごったりお金の貸し借りをする、家からこっそりお金を持ち出す、おこづかいの使い道でうそをつく、などです。子どもの意思を尊重しつつ、使いみちに目を光らせ、「わが家のルール」を作っていきましょう。また、自立に向けて知識(例、生活費、正社員とフリーターの収入差)も教えましょう。自立期には、他の人のこと、社会のことも考え、総合的な意思決定ができる賢い消費者、市民になれるようにしましょう。
子供のお金教育を考える会とは
「お金教育」を「金銭」を介する行為や考え方全般についての教育だと考え、実り多い人生を子どもたちが歩むために家庭でできることを一緒に考えるインターネット上の親の会。