金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2011
金融教育セミナー 東京会場
日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会
消費生活アドバイザー
尾川 尚子 氏
知っているようで知らないクレジットカードの使い方
クレジットカードの間違った使い方をして多重債務になった人の相談を受けていますと、「誰も使い方を教えてくれなかった」との言葉をよく聞きます。今日は「リボ払い」と「オートチャージ」を中心にお話しします。
「リボ払い」のメリットは、どんなに買っても支払いが一定額であることです。このため、家計管理が楽なように思えます。年会費無料のカードもあります。
デメリットとしては、支払額が一定なので、どうしても使い過ぎてしまうことです。また、利用残高にかかる手数料(利息)が年利12~18%と高いです。例えば、年利15%、限度額30万円として、限度額一杯まで使うと、利息は1年間で45,000円になります。1か月(31日計算)では約3,822円です。10年間では利息だけで45万円かかります。使い過ぎを防ぐためには、限度額を下げることがお勧めです。なお、元利定額以外に、元金定額(利息外付け)のカード会社もあり、利息はやや少ないですが、高金利であることに変わりありません。
オートチャージについて、Suicaなど交通系電子マネーを例にしますと、これに現金でチャージしている方が多いと思いますが、チャージ残高が一定額以下になったら自分で設定した金額をクレジットカードから自動的に入金することもできます。これがオートチャージです。オートチャージが設定されたICカード定期券を紛失した場合、駅で利用停止の届出をして、念のため警察にも紛失届を提出してください。チャージした電子マネーを悪用された場合、補償されません。利用停止を届け出ても、実際に止まるのは交通系では翌日の営業開始以降です。また、損害額は現金でのチャージならその額までですが、オートチャージだと、上限金額(Suicaの場合は1日2万円まで)になってしまう可能性が大きいのです。とにかく紛失と気づいたら一刻も早く駅で利用停止手続きをしてください。
クレジットカードについては、規約を全部読んでいただきたいところですが、無理な場合は「しおり」だけでも読んでみてください。すると、例えば他人に貸したカードが第三者に不正使用された場合、損害額は補償されない、といったこともわかります。
日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会とは
1988年に発足。会員は主として消費生活アドバイザーと消費生活コンサルタントにより構成され、消費者問題の専門家として幅広い活動を行っています。2011年4月、公益社団法人に認定されました。