金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2011
金融教育セミナー 東京会場
証券学習協会
講師
島田 ふよう 氏
資産運用を始めるにあたって ~投資対象の基礎知識を学ぶ~
資産運用する際には、投資対象の性格、利益の源泉、リスクを把握することが大切です。
「株式」を買うことは、企業を運営する資金を出資するという意味です。その見返りとして、企業が稼いだ利益を、配当金などの形で得ることができます。株式を売買することは、株主(=出資者)の権利を売買している、ということです。株価(株式の時価)は企業の業績や景気などの影響で変動しますので、値上がり益を得ることができます。ただし、万が一、企業が倒産した場合出資金は戻ってこないこともあります。株式投資に際しては、割安度、今後の成長性などを投資のものさしと考えますが、景気指標、株価指数、企業業績や価値の指標であるEPS(1株当り利益)、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)などが判断材料となります。
「債券」を買うことは、その発行主体である国や企業などに対してお金を貸すことです。見返りとして利息を得ることができます。債券が発行される際には、あらかじめ期間と利率が決められ、定期的に利息が支払われ、満期時には元本が戻ってきますが、満期以前は価格は変動します。格付けの低い債券は格付けの高い債券よりも利率の高いケースが多いですが、場合によってはお金が返ってこないリスク(信用リスク)もあります。投資する際には、格付けに注意しましょう。
「コモディティ」は、一般的には「商品」を意味し、原油・天然ガス等のエネルギ-、金・銀・プラチナ等の貴金属、小麦・とうもろこし等の穀物、銅・アルミ等の非鉄金属など、様々なものがあります。天候や新興国需要その他、需要と供給の変化などにより価格変動幅が大きくなることもあります。個人でも投資信託やETFを通じて投資できるようになりました。
「投資信託」は、多くの投資家から集めた資金をまとめて、専門家が株式、債券、コモディティ、不動産などに投資し、運用成果に応じて分配金などを支払う金融商品です。値動きのあるものに投資しており、価格は毎日、時価で計算され、元本保証ではありません。
「リート」は、不動産を対象とする投資信託です。取得した不動産の賃貸収入や売却益から、費用等を差し引いた額が分配されます。
「ETF」は、上場投資信託。株価指数、商品指数などに連動し、上場株式と同じように取引でき、一般の投資信託に比べコストが低いのが特徴です。
投資の際にはコスト(手数料、信託報酬、税金等)にも注意してください。
リスクと上手に付き合うには、長期投資、投資対象分散のほか、時間分散も重要です。ドルコスト平均法(毎月定額積立投資)などを検討してみてください。
証券学習協会とは
証券知識を身につけたい人々のために、中立公正な立場で、講座の開催、講師の派遣、金融・証券知識の普及に関する提言を行っています。2002年に内閣府からNPO法人の認証を受けています。