金融教育公開授業
平成18年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
金融広報中央委員会
山口県金融広報委員会
山口/萩市の実施報告
「金融教育公開授業 in 山口(小川小学校)」(11月29日開催)
萩市立小川小学校は、明治6年に開校した歴史ある小学校です。地理的に山口県の最北部に位置し、島根県と隣接する地域です。行政区分では、17年3月以降、萩市に組み入れられましたが、生活経済圏の中心は島根県益田市となります。
▼ 参加者内訳:
生徒(1~6年生)36名、開催校教員11名、開催校保護者12名、一般参加者12名 合計71名
1.公開授業
開会にあたり、同校の金子美智子校長が「秋祭りの時に子どもたちのお金の使い方をみて、お金がどこから来ているかを理解しているのか、ちょっと気になりました。本日の公開授業では、上手なお金の使い方についてたくさんのことを学んでください」と挨拶されました。
公開授業は、陣内恭子氏による「やりくり上手はだれだろう? ~『こづかいゲーム』でシミュレーション」と題して、保護者などの大人と子どものペアでゲームが行われました。
こづかいゲームは、児童が自分のこづかい額を計算しながら、買いたいものを買う、あるいは買わないを決めていくゲームです。まず、それぞれが買いたいものを値段とともにリストアップ。定期的にもらうこづかいで文房具を購入するほか、じゃんけんの結果に応じて、買いたいものが購入できたり、思わぬ出費があったり、アルバイトによる臨時のこづかい収入が得られたり・・・。買うか買わないかを迷ったり、もっと貯めないと買えないとため息をついたり、子どもたちはこづかい額と買いたいものの値段を比べて決定します。買えるチャンスはすべて活かす子、買うことができても買わずに貯めていく子、と様々で、最後に、それぞれ何を買えたか、お金はどのくらい残ったか、お金の使い方に満足したかを振り返りました。
2.講演
講演は、「上手なお金の使い方は、考えるモノサシづくりから」と題して行われました。
陣内氏は、まず、児童に対して、お金は体内を流れる血液に似ていること、ものと交換する機能、保管しておく機能について解説した後、欲しいものを具体的に児童に聞いたり、勉強に必要なものを挙げさせたりして、必要なものと欲しいものは異なること、お金を使うときは考えてからとのメッセージを伝えました。
次に、保護者・教育関係者に対して、人生は選択の連続であるため、子どもたちは誰にも頼らずに自分で選択・決断できるようになることが必要であり、それには訓練が欠かせないこと、また、こづかいはその訓練に利用できると、自身の体験を踏まえて紹介されました。子どもは親からみるとつまらないものをこづかいで買ってきたりするが、それは失敗ではなく、初めての体験と考えられる旨、話されました。
また、子どもたちには、本物の体験をさせていき、様々な体験の中から感性を磨いていくことにより、将来、どんな仕事や生き方を選択するかの判断ができるようにしていくことが大事であると強調されました。日々の生活の中で、おこづかいを使って自己の満足度を高めるというお金の教育を家庭で実践してほしいと締めくくられました。
閉会に当たり、山口県金融広報委員会の米谷達哉副会長(日本銀行下関支店長)が、「金融教育は、現在、学校教育が目指す子どもたちの『生きる力』の育成と様々な接点があるものです。陣内先生のおっしゃる、子どもの考える力を信じ、伸ばす、そのためには、子どもの時から本物の体験をさせるという点について、共鳴した」と挨拶されました。
3.プログラム
- 13:40~13:45
- 開会挨拶 萩市立小川小学校校長
主催者挨拶 金融広報中央委員会 - 13:45~14:30
- 公開授業 「やりくり上手はだれだろう? ~『こづかいゲーム』でシミュレーション!」
講師:陣内恭子氏(金銭教育指導者団体「マネーじゅく」代表) - 14:40~15:50
- 講演「上手なお金の使い方は、考えるモノサシづくりから」
講師:陣内恭子氏 - 15:50~15:55
- 閉会挨拶 山口県金融広報委員会