金融教育公開授業
平成18年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
金融広報中央委員会
高知県金融広報委員会
高知の実施報告
「金融教育公開授業 in 高知(羽根小学校)」(11月7日開催)
室戸市立羽根小学校は、室戸、阿南海岸国定公園の西玄関にあたる羽根岬に近く、外洋を望む海岸沿いにある小学校です。羽根小学校は、平成17-18年度の金銭教育研究校として活動を行ってきました。高知県での公開授業は同校が初めてとなります。
▼ 参加者内訳:
生徒(5~6年生)29名、開催校教員および教育関係者10名、開催校保護者および一般参加者24名 合計63名
1.金融教育公開授業
開会にあたり、高知県金融広報委員会会長の渋谷康一郎氏(日本銀行高知支店長)が「お金はドラえもんのポケットのように、ほしいときに好きなだけどんどんと出てくるものではありません。お父さんやお母さんが働いて得られる、たいへん貴重なものです。本日の授業では、お金の使い方についてたくさんのことを学んでください」と挨拶しました。
公開授業は、あんびるえつこ氏による「カレー作りゲームに挑戦しよう!」です。
「今日の授業を楽しみにしていました」との6年生女子児童がリードする挨拶により、授業がスタートしました。
児童それぞれが、自分で作りたいカレーの材料を準備しますが、親が大好きなビーフカレーを作るにはお金が足りない状況下、どのような行動を取るかを発表します。牛肉をあきらめて豚肉で作る子、野菜の一部をあきらめる子、玉ねぎを半分にする子など、いろいろな案が出てきます。こうした活動を通して、「欲しいものをすべて買うことはできない」こと、「何かを買うなら他のものをあきらめなければならない」こと、「物事は選択しなければならない」ことを子どもたちが実感したようです。
次に、発表された選択肢について、意思決定シートを用いて、良い点、悪い点を表で整理してみました。選択した結果は、どれも正解であるが、自分の中でどのような過程を経てその選択を行ったかが、良い選択だったと思えるかどうかに反映されると、あんびる氏は解説されました。
最後に、児童代表から「今日はゲーム感覚で授業を楽しめました。これからはお金のことをもっと考えて使っていかなければならないと思いました。ありがとうございました。」と挨拶があり、授業は終了しました。
2.講演
講演は、「お金ってなに?」と題して行われました。
まず、アクティビティとして参加者が4グループに分かれて原始人ゲームを行い、お金の機能や市場の成り立ちなどを体感しました。
あんびる氏は、子どもたちにお金についての教育を行わなければならない理由として、経済環境の変化・子どもをとりまく環境の変化・自立の問題などを挙げました。また、「親は実生活の教師である」と言われるが、子どもがお金を学ぶことは、欲望をコントロールし、よりよく実現する方法を学ぶことであり、家庭においてお金教育を行うことが重要であることを説明されました。とはいえ、金銭感覚が確認できる金食い虫度チェックで、健全な金銭感覚の持ち主といえるのは、ごくわずかであることが判明します。家庭での教育方法としては、日常生活を見直すことで実行可能な様々な方法を紹介されたほか、おこづかいが教材としては最適であるので、教材にする心得5か条を守って実行して欲しいと話されました。
最後に、「子どもから『お金を貸して』と言われた時にどう対応したらよいのか」、「手に入るまでがまんさせるにはどうすればよいのか」、「家事手伝いで稼がせることについてどうか」といった質問が保護者から出され、考え方が説明されました。
閉会に当たり、安岡雄三校長が「金食い虫度チェックにみられるように、健全かつ堅実な金銭感覚が家庭に幸せをもたらします。親が正しいお金の使い方を実践して、子どもの見本となるように行動してほしい」旨をユーモアを交えて挨拶して、公開授業を締めくくりました。
3.プログラム
- 13:40~13:45
- 開会挨拶 高知県金融広報委員会 会長
- 13:45~14:30
- 金融教育公開授業「カレー作りゲームに挑戦しよう!」
講師:あんびるえつこ氏(生活経済ジャーナリスト、「子供のお金教育を考える会代表」) - 14:40~15:50
- 講演および質疑応答「お金ってなに?」
講師:あんびるえつこ氏 - 15:50~15:55
- 閉会挨拶 室戸市立羽根小学校 校長