金融教育公開授業
平成19年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
金融広報中央委員会
秋田県金融広報委員会
秋田市立御所野学院高等学校
秋田の実施報告
「金融教育公開授業 in 秋田(御所野学院高等学校)」(11月22日開催)
秋田市立御所野学院高等学校は、併設型中高一貫校として平成12年に開校した新しい学校です。ゆとりある学校生活の中で6年間を通じて「伸び行く秋田と共に学ぶ学校」をスローガンに一人一人の個性を尊重した教育を行っています。
11月22日(木)に秋田県内で初めての公開授業が開催されました。当日は、午前中、当校の尾形徳昭教諭が高校3年生31名に自由選択科目の「現代社会」で公開授業を行いました。午後には生活経済ジャーナリストのあんびるえつこさんによる講演があり、高等学校6クラスと中学校13クラスの生徒全員が参加しました。
▼ 参加者内訳:
高校生218名、中学生429名、教育関係者等47名、合計694名
1.公開授業
「金融のしくみと金融政策」~「金は天下の回りもの!?」をテーマに、他校に比べて長めの65分授業の中で、(1)金融のしくみや機能について理解を深める、(2)日本銀行の役割や金融政策について理解を深める、(3)「働くこと」についてその意味を考える、ことを学びました。
(1)生徒は予め5班に分かれ、先生から各班に給与袋が手渡されました。そして、その給料の使い道を考えて、各班の代表が前方の黒板に貼り付けていきました。商品やサービスを購入する代金として、また銀行への預金としてお金が家計から出て行くこと、そして使われたお金が企業の従業員の給料となって再び家計に流入してくること、また銀行預金は企業への貸出しや個人向け住宅ローンや自動車ローンとして流れていくこと等を学びました。
(公開授業の模様)
続いて、(2)お金は本源的には日本銀行から出てきており(発券銀行)、それが市中銀行を通じて人々の手に渡ること、そして世の中に出回るお金の量が多過ぎるとインフレになること、一方景気が悪い時にはお金の量を増やすことが必要となること等を学び、日本銀行がお金の量の調節を行っていること(金融政策)を理解しました。先生手作りの小道具(お札や国債等)を使って分かりやすい工夫がされていました。
(公開授業の模様)
最後に、(3)収入を得るためには働かなくてはならないが、とはいえ、お金を稼ぐためだけに仕事している訳ではないことを、当校の先生方へのインタビュービデオを見て考えました。先生方が教員となった理由を真面目に答える様子を、生徒たちは大変興味深く見入っていました。
2.講演会
公開授業の後、生活経済ジャーナリストのあんびるえつこさんから「生きていくためのお金の話」が行われました。併設の中学生も含め、600人を超える大規模講演会となりました。
はじめに、「流行しているものは、すぐに買ってしまうか?」など「金食い虫度チェック」を10問行いました。そして、チェックがついた数2個以下なら立派な人間ですが、3~5個で金食い虫の幼虫になり、6~8個でさなぎに、そして9個以上だと成虫になるとの講師のお話に、会場は一気に盛り上がりました。
続いて、生徒代表8名を登壇させ、年金、保険、クレジットカード、ローン、貯蓄の5問からなる「知識は金なりゲーム」を行いました。ゲームを通じて、最低限知っておくべきお金の「し」「か」「け」について、語られました。
お金のしかけの「し」とは、社会保険料(年金・健康保険)のことです。年金保険料は、老後の年金だけでなく若者でも万が一事故等で障害者になった場合には、障害年金がもらえるので、20歳になったらフリーターでも学生でも必ず払うようにとのアドバイスがありました。
「か」とは、簡単に借りないように気をつけようとのことです。カードで安易に買い物ができますが、カードは借金と心得て、毎月の使用額を決めて使うこと、また、実際には高利となるキャッシングは行わないようにと話されました。お金を借りるときには、知るぽるとHPに載っている資金プランシミュレーションを活用するよう紹介もされました。
「け」とは、計画的にお金を使おうとのことです。また、少額でもコツコツと長期間に亘って貯めるのが基本であり、一攫千金のうまい話はないことを肝に銘じるようにと締め括りました。
(講演会の模様)
3.プログラム
- 11:25~12:30
- 公開授業「金融のしくみと金融政策」~「金は天下の回りもの!?」
- 13:35~13:40
- 開会挨拶 金融広報中央委員会事務局金融教育プラザリーダー 園田耕三
- 13:40~15:10
- 講演「生きていくためのお金の話」
講師:あんびるえつこ氏 - 15:10~15:15
- 閉会挨拶 秋田県金融広報委員会(日本銀行秋田支店次長) 石川昇