金融教育公開授業
平成19年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
三重県金融広報委員会
三重県立宇治山田商業高等学校
金融広報中央委員会
三重の実施報告
「金融教育公開授業 in 伊勢(宇治山田商業高等学校)」(11月22日開催)
三重県立宇治山田商業高等学校は、三重県の南東部、伊勢神宮の近くに位置し、来年創立100年を迎える歴史のある学校です。昨年度から三重県金融広報委員会より金融教育研究校の委嘱を受け、課題研究において熱心に金融教育に取り組んでいます。
▼ 参加者内訳:
生徒713名、開催校教員40名、開催校保護者14名、教育委員会3名、他校教員6名、金融教育関係者7名、合計783名
1.公開授業
「FPの視点で読む経済ニュース」をテーマとして、今まで机上で学んできた知識をいかに生かせるか、またファイナンシャルプランナー(FP)としての視点で経済ニュースをどう読み解くかを主題とした公開授業が行われました。課題研究において今年度の初めからFPの資格取得を目指して学んできた、3年生商業科のクラスです。
公開授業では、モデルプランのライフイベント・キャッシュフロー表に生徒がそれぞれアレンジを加え、FPの立場からの助言の発表を行いました。
その中の一つ、「悲鳴聞こえる『値上げの秋』」という発表は、この秋は身近な商品の値上げが相次いでいるというニュースから、値上げによる家計への影響がどのくらい大きいのかを検証するものでした。「父は車通勤で毎晩ビールを飲む、母は車で料理教室に通う、高校3年生の兄と中学3年生の妹は受験生」というモデルケースの家庭について、ガソリンや食品等の値上げへの対策が提案されました。「父の通勤を電車に変え料理教室や塾には自転車で行くようにすることで、1ヶ月で300円、1年で3,600円の節約になる。毎日の晩酌を減らし、インスタント食品の利用を減らし自分で調理するよう心がける。お茶は家から持って行った方が100円安い」と具体的に数字を挙げて年間の節約金額を示した助言には、説得力が感じられました。
日頃から経済ニュースを読んでいる生徒もいるものの、改めて新聞を読むいい機会になったと言う生徒もいました。発表方法のパワーポイントの作成に精力的に取り組んだ話も聞かれました。
(公開授業の模様)
2.講演会
開会にあたり、鈴木幸一校長および三重県金融広報委員会事務局長の垣野隆一から挨拶があり、その後、弁護士の住田裕子氏を迎え「気をつけよう!金融トラブル」とのテーマで講演会が行われました。
冒頭で住田氏は、「将来困ったなと思ったときに役立つ話、母の立場で知っておいてほしいと思ったことを話します」と述べられました。
そして、日常の生活でありそうなトラブル、例えば曖昧な返事をしたため商品の購入を求められた場合、安易にクレジットカードを友人に貸してしまった場合、インターネットで架空の請求を受けた場合、未成年で高額な契約をしてしまった場合などについて、考え方や対処法を分かりやすく話されました。「契約では買う側と売る側の意思の合致があることが必要であり、契約が本当に成立しているのかをまず考え、法律で解決できる方法を考えていくことが大切」と考え方の基本を解説されました。
最後に、「21世紀を担う皆さんへ」として、「若者の特権は、聞いて恥をかけることです。自分自身に投資し、労働者としての価値を高め、よいポジションにつくための努力をしなさい。仕事は最低でも3年は続けること。10年続けると人間関係のネットワークが出来上がります。頑張れば人は見ていてくれるものです」と、高校生に対しエールを送られました。
続いて質疑応答が行われ、「なぜ弁護士になったのですか」、「いやなことはありますか」との生徒の質問にも快くお答えいただき、和気藹々のうちに終了しました。
閉会にあたり、生徒会会長から「今回のお話をこれからの生活に役立てていきたいです」とお礼の言葉が送られました。
(講演会の模様)
3.プログラム
- 11:40~12:30
- 公開授業「FPの視点で読む経済ニュース」
三重県立宇治山田商業高等学校 野呂純子教諭 - 13:10~13:20
- 開会挨拶 三重県立宇治山田商業高等学校校長
三重県金融広報委員会事務局長 - 13:20~14:50
- 講演「気をつけよう!金融トラブル」
講師 住田裕子氏 - 14:50~14:55
- 生徒代表による謝辞