金融教育公開授業
平成19年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
金融広報中央委員会
山形県金融広報委員会
山形県立北村山高等学校
山形の実施報告
「金融教育公開授業 in 山形(北村山高等学校)」(11月15日開催)
山形県立北村山高等学校は、山形県北東部の尾花沢市にあり、平成18-19年度に山形県金融広報委員会から金融教育研究校の委嘱を受けて、豊かなコミュニティづくりと関連させた金融教育に取り組んでいます。11月15日(木)には、同校教諭による2年情報ビジネス科の公開授業と外部講師による講演が行われました。
▼ 参加者内訳:
生徒71名、開催校教員14名、開催校保護者10名、教育委員会1名、他校教員4名、地域の方々4名、合計104名
1.公開授業
同校では、昨年度より株式投資体験学習を行っており、当日は、簿記の学習を通じて習得した財務分析の知識を活用して株式投資対象先を選定するファンダメンタル分析の授業が行われました。同一業種の3社の貸借対照表に基づき、各社の資産、負債および資本を表計算シートに入力してグラフ化し、資産と負債のバランス等を比較したほか、各社の流動比率等を求め、財務体質を分析しました。
授業担当者の永岡教諭は、3社の株価や予想配当を紹介し、「規模の割に資本が少ない所は相対的に株価が低迷しているが、だからといって投資対象として不適切だとはかぎらない。今業績がいい企業に投資する場合もあるし、今は業績が悪い企業に、今後よくなるだろうと思って投資する考え方もある。いずれの場合でも投資先を選ぶ際には理由を考えることが大切だ」と説明しました。生徒たちは、今後投資先を選ぶことになるだけに、真剣に聞いていました。
(公開授業の模様)
2.講演会
保護者代表による開会挨拶の後、ファイナンシャル・プランナー(FP)で生活経済ジャーナリストのいちのせかつみ氏が、「私が○○を選んだワケ!未来の自分に逢いたくて」と題して講演されました。
まず、生徒に将来就きたい職業を尋ねたところ、通訳、動物園職員、大工などの答えがあがりました。いちのせ氏は、自分の職業であるFPを「夢や目標実現をサポートするパートナー」と紹介し、FPの仕事を通じて知った人気の職業とお金との関係について説明しました。たとえば、スポーツ選手はサラリーマンと違って辞める時にお金がもらえないので、契約金をどう貯めるか、セカンドライフをどう組み立てるかがポイントになり、引退前のシーズンオフに飲食店を開業するための修行をしたり簿記を練習する人もいるそうです。また、タレントは、有名になれば番組出演料や印税などで収入が増えるが、収入が不安定なので住宅ローンを借りるのが難しいことなど、憧れの職業に就いた人たちもお金には悩んでいることを説明しました。
続いて、いちのせ氏自身について、学校の先生に「君はオモロイ」と言われて自分のキャラクターを意識したこと、FPという職業に出会ってからも「自分にしかできないことは何か」を考えて、話し方教室に通ったり、落語家に弟子入りしたりと様々な努力を積み重ねたことなどを紹介されました。
最後に、桃太郎の話に触れ、「吉備団子は自分への投資であり、桃太郎は自分に投資することによって、優しさと思いやり(犬)、知恵と思考(猿)、行動力と意志力(雉)という『生きるための力』を身に付け、鬼(悩み)に勝った。これから世界で一つしかない話を展開し、その主役になるのは皆さん一人ひとりです」と述べられました。
参加者からは、「金融という難しいテーマを、垣根を低くして親しみやすく説明されていた」、「子どもがこれから生きていくための道標になり、親にもためになった」などの声が聞かれました。
(講演会の模様)
3.プログラム
- 13:25~14:15
- 公開授業「肥満?激痩せ?企業体質をチェック!」
講師:山形県立北村山高等学校教諭 永岡 誠、阿部 優 - 14:25~14:30
- 開会挨拶 保護者代表
- 14:30~15:50
- 講演「私が○○を選んだワケ!未来の自分に逢いたくて」
講師:いちのせかつみ氏 - 15:55~16:00
- 閉会挨拶 生徒代表
山形県金融広報委員会副会長 藤江泰郎