金融教育公開授業
平成21年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
福岡県金融広報委員会
福岡県公立古賀竟成館高等学校
金融広報中央委員会
福岡/古賀市の実施報告
「金融教育公開授業 in 福岡(古賀竟成館高等学校)」(12月10日開催)
福岡県公立古賀竟成館高等学校は、2市1町が高等学校組合を組織し、広く地域社会の人材育成を目的として創設した公立高等学校です。校訓「自主、友愛、練磨」の下、生徒一人ひとりを大切に、体・知・徳の調和のとれた教育を進め、豊かな人間性と高い倫理観を備えた逞しい生徒の育成に努めています。同校は福岡県金融広報委員会より金融教育研究校(20-21年度)の委嘱を受け、総合ビジネス科会計コースの生徒が、金融教育に取組みました。
12月10日(木)の金融教育公開授業では、総合ビジネス科会計コース(3年生)の生徒によるバーチャル株式投資体験のほか、1・2年生における金融に関する公開授業を実施し、その後、全校生徒を対象にいちのせかつみ氏にご講演いただきました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
3年生は1年間を通してインターネットを利用し、与えられた仮想資金を複数の企業(実際の企業)に投資するバーチャル株式学習ゲーム「日経STOCKリーグ」に取組んでいます。グループごとにまずテーマを、ディスカッションを重ねて定め、これに沿った企業をリサーチしてきました。公開授業当日は、「株式投資を体験する」と題して、これまで学んできた株価変動の要因・新聞の読み方を参考にしながら、選定した企業について、各グループが、1)テーマ、2)テーマの理由、3)選定銘柄、4)選定の理由、5)現在の状況を発表しました。
あるグループでは「社会問題」をテーマとし、「環境」や「少子高齢化」に配慮した企業を選定、その理由としてエコや価格をあげていました。また、テーマを「エンターテイメント」としたグループは、皆が笑って楽しめることこそ大事と考え、芸能会社やゲーム会社を選定するなど、各グループがそれぞれの判断事由や背景などを、パワーポイントを使用して時間配分等を考えながら発表しました。
この授業をとおして生徒たちは、金融・経済の仕組みを体験的に学習したほか、グループでのディスカッションや企業リサーチ等を生徒自身が行うことで、キャリア教育にも必要なコミュニケーション能力・情報活用能力・意思決定能力を身につけることができました。
この授業のほかに、1年3組では現代社会で「国際経済のしくみ~ゲームで貿易を体験する~」というテーマで、為替の変動を考えながら品物の取引を行う「貿易ゲーム」で、変動する市場を体感。また、2年3組の家庭基礎「消費生活の変化と消費者~消費者信用について考えよう~」では、クレジットカードの仕組みや支払い方法の多様化を学び、リボルビング払いの定率と定額を利用した場合の支払額の違いを計算するなど、使用の際の注意点を実感できる授業を行いました。
2.講演会
公開授業後、いちのせかつみ氏による生徒向け講演会「本当に怖いお金のはなし」を開催しました。いちのせ氏はお金をたくさん持つことが大切なことではなく、賢く使うことが最も大切であると説明し、ものを選ぶときの判断として、値段、機能、デザイン、メーカー、お店、直感など様々あるが、この中からどれか一つで判断してお金を使うのではなく、比較・検討しながら買うことが一番上手な買い方だと伝えられました。また、社会人になるためには、1)消費者側からだけではなく、経営者側からの視点(コンビニの入口、商品配置、通路の幅やスーパーのチラシのZの法則等)の両側面から考えることが必要なこと、2)携帯電話についてもっと考えるべき(使用料後払いはお金を借りているのと同じこと、高校から大学までの7年間の累積使用額、ゲームや無料コンテンツのダウンロードにかかわるトラブル)など、身近なお話を題材に高校生に必要な金融知識について具体的でわかりやすく説明していただき、有意義な講演会となりました。
3.プログラム
- 13:40~14:30
- 公開授業
「国際経済の仕組み~ゲームで貿易を体験する~」(1年生、現代社会)
「消費生活の変化と消費者~消費者信用について考えよう~」(2年生、家庭基礎)
「株式投資を体験する」(3年生、金融経済) - 14:45~14:50
- 開会挨拶 福岡県公立古賀竟成館高等学校 校長 原幸範
- 14:50~16:15
- 講演「本当に怖いお金のはなし」
講師:いちのせかつみ氏 - 16:15~16:20
- 質疑応答・生徒代表謝辞
- 16:20~16:30
- 閉会挨拶 福岡県金融広報委員会委員 河村賢士