金融教育公開授業
2014年度 金融教育公開授業
北海道金融広報委員会
札幌市立北光小学校
金融広報中央委員会
北海道の実施報告
「金融教育公開授業 in 北光小学校」(11月18日開催)
札幌市立北光小学校は、大正13年に開校し、昨年開校90周年を迎えた歴史ある学校です。今年度も「花」「歌」「読書」という本校の伝統でもある諸活動を基盤に100周年の佳節に向け、明るく強く、そして考える子どもを育てる様々な教育活動に取り組んでいます。
90周年共催事業の一環として、北海道金融広報委員会から金融教育研究校の委嘱(平成25・26年度)を受け、11月18日(火)に金融教育公開授業を開催し、4年生を対象とした公開授業と、保護者・地域の方々・教職員を対象としたダニエル・カール氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
4年生の社会科「水はどこから」の公開授業を行いました。水道水がなぜ有料なのかを話し合い、きれいで安全な水をいつでも使うことができるのは様々な施設やその関係者の取組のおかげであることを考えさせる授業でした。
はじめに、コンビニエンスストアで2リットル100円の水を提示し、学校や家庭で使う水道水の料金を予想させました。子どもたちは、タブレット端末を使って自分の考えを担任へ送信し、電子黒板に表示させました。そして、友達の考えと自分の考えを比べながら、「同じ水だからきっと料金も同じくらい」「水道料金のレシートを見たことがあるので高いと思う」など、自分の思いを発表しました。
次に学校の水道料金を提示しました。2か月で65万円以上もかかっている事実から、「なぜ、そして何にそんなにかかっているのだろう」という疑問をもち、理由を考えました。
子どもたちは、自分の生活経験や下水道科学館への現地学習、また資料等から、「水道の施設や水道管にお金がかかる」「ダムの建設費」「薬を使って検査する費用」などの理由を考え、きれいで安全な水が有料であることの意味を考えることができました。
2.講演会
公開授業の後、ダニエル・カール氏から、「くらしとおかねのお役立ちのヒント~日米の違いから~」と題する講演が行われました。
ダニエル氏は、6歳の頃から「お金(おこづかい)は、“chore”(家事や家畜の世話など)をして得るものだ」ということを学んだ、お金を得るための労働契約を父親と交わした経験から「契約」を子供ながらに理解することができた、と話されました。また、日々の生活を通して父親から税金やローン、クレジット等様々な金融の仕組みについて学び、それが自分の中で知識として蓄積していったと話されました。
さらに、日本が米国と大きく違うのは、「『お金の話は人前でしない。お金は汚いものだ』と多くの人が思っていること。日本の高校では禁止されているアルバイトや運転免許の取得は米国の高校では奨励されており、学校は子どもたちが大人になるために必要な知識を学ぶ教育の場となっている。子どもたちにとってこうした知識は、大人になって失敗したり、様々なトラブルに巻き込まれたりしないために、とても大切」と話され、金融教育(小さい頃から家庭や学校でお金について教えること)の重要性を強調されました。
講演会に参加した保護者からは、「自分を振り返ると、社会に出る前にお金に関する様々な話を聞きたかった。ダニエルさんの話にとても共感できた」「子どもの頃からお金や社会の仕組みについて、正しい知識を子どもの体験を通して伝えることの大切さを感じた」「子どもにもっとお金の話をしてあげたいと思った」との感想が寄せられました。
3.プログラム
- 13:45~14:30
- 公開授業 「水はどこから」(4年生 社会)
- 14:45~14:55
- 開会挨拶
札幌市立北光小学校校長 貴戸紀彦
主催者挨拶
北海道金融広報委員会 坂田勝仙 - 14:55~16:25
- 講演会 「くらしとおかねのお役立ちのヒント~日米の違いから~」
講師:ダニエル・カール氏 - 16:25~16:30
- 生徒代表 お礼のことば
- 16:30~16:35
- 閉会挨拶
札幌市立北光小学校教頭 北圭一