金融教育公開授業
2014年度 金融教育公開授業
富山県金融広報委員会
学校法人片山学園 片山学園髙等学校
金融広報中央委員会
富山の実施報告
「金融教育公開授業 in 富山(片山学園髙等学校)」(12月12日開催)
学校法人片山学園は、学習塾が創った学校で富山県唯一の中高一貫校です。平成17年に 中学校が開校、平成20年に髙等学校が開校した新しい学校です。「孝・恩・徳」を校訓に豊富な知識と健全な精神・身体を身に付けて国際社会・高度情報化社会で活躍できる人材育成を目指しています。
12月12日(金)に金融教育公開授業を開催し、1年生の選択授業(17名)における公開授業と、伊藤元重氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
「株式購入が企業に与える影響とは」と題して、株式購入行動について学びました。
生徒たちは春先から、「株式学習ゲーム」を利用して株式購入シミュレーションを行い、各々が1,000万円を投資すると仮定して、どの企業の株をどういう理由で買うかを検討したり、購入後の株価の動きを調べたりしてきました。
公開授業では、担当教諭から春先に株価の変動の大きかった企業が紹介され、どんな理由で変化があったのかを検討しました。その後、4つのグループから、各々が株式を購入した企業を挙げ、購入後の株価の変動やその理由を検討した結果などについて発表しました。
株式投資については、「株はこわい」「危険」「楽して儲けようとする人のすること」などのイメージを持っていた生徒もいたようでした。この学習を通じ、株式投資をシミュレーションしてみることで、「ニュースを良く見るようになった」「街中の商品やサービスへの見方が変わった」との感想が述べられました。
2.講演会
公開授業の後、伊藤元重氏から、「日本経済の現状と将来」と題する講演が行われました。
伊藤氏は、日本経済の動きを、ご自身の学生時代から現在までの出来事と関連付けてわかりやすく説明されました。学生時代にオイルショックが起きて、インフレ率が2割を超え、貨幣価値が5分の1に減ったことや、近年はオレオレ詐欺などにより一日に約1億円もの被害がでていること、中国に近い沖縄では多くの中国人が大手チェーン店で紙おむつ、化粧品、薬を大量に買っていくようになったことなど、具体的な事象をとりあげて話されました。
また、経済を見る目として、鳥の目、虫の目、魚の目の三つの目を持つことが大切であるとして、全体を俯瞰して物事を見ること、身の回りの細部の出来事を観察すること、流れの変化に敏感に反応することの大切さを話されました。
さらに、企業のポイントカードには利用者の嗜好や日々の行動が記録されていたり、スマホの移動スピードが記録され、それが渋滞情報に生かされていることなどを例に、コンピュータの発達で我々は膨大な情報の中に身を置かざるを得なくなっていると話されました。また、消費者の時間制約のニーズをうまく捉えたコンビニの成功や、国の予算のうち後期高齢者に充てられる費用と防衛費の比較などにも触れられ、様々な視点から現在の日本について話されました。
3.プログラム
- 13:00~13:50
- 公開授業 「株式購入が企業に与える影響とは」(1年生 選択授業)
- 14:10~14:15
- 開会挨拶
学校法人片山学園理事長 片山浄見 - 14:15~15:45
- 講演 「日本経済の現状と将来」
講師:伊藤元重氏 - 15:45~15:50
- 閉会挨拶
富山県金融広報委員会副会長 伊藤栄