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第3回「金融に関する消費者教育セミナー」(京都)

講演「学校教育における金融に関する消費者教育」

「生きる力」を育む教育と金融に関する消費者教育2

子どもたちの状況の話の続きですが、国際的な調査結果が立て続けに報道されましたのでご存じかと思いますけれども、国際教育到達度評価学会(IEA)という機関が、算数、数学の学習到達度について継続的に調査をしています。その調査結果をみますと、学問的に研究していただくと、わが国の児童生徒の成績は国際的にトップクラスで維持されているということです。

それから、OECDが行っている教育関係の調査に、OECD・PISA調査といって、知識だけではなくて生活とのかかわりを見ようとするところにポイントのある調査があります。これも読解力、科学的な考え方等々、わが国の子どもたちは上位グループにあるわけです。

ただ、ここで指摘されたのは、わが国の子どもたちはわりと全体の質が高いのですが、習熟度が高いレベルにある生徒はそんなにたくさんいないのです。そして、もっとも問題なのは、それらの調査で理科や数学が好きだとか、役に立つと思うとか、将来それらを使った仕事をしたいという子どもの率が減ってきているということです。

また、宿題や自分の勉強をする時間が実に世界最低であるということで、これが大きな問題です。いま先生方にご尽力いただいて、テストをすると何とか良好な成績を納めるのだけれども、将来も担保されるかということは定かではない。そうすると、今までのやり方ではいけないのではないかということを考えているわけです。そこで、「生きる力」ということが言われているのです。

では、「生きる力」というのはどういうものか。中教審答申で三つ言われていまして、ご存じかと思いますけれども、一つ目は自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、これは、当然、知識や技能も含めてのことです。

それから、二つ目は心の問題ですけれども、自らを律しつつ、他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性ということが言われています。

三つ目はたくましく生きるための健康や体力などと言われています。そういったことがこれからの社会で一人の人間として、また国家、社会の形成者として生きる子どもたちにぜひ身につけてほしい資質や能力の中核となるものではないかということが言われております。

そういうことを身につけるにはどうしたらいいかといいますと、生徒の見方、子どものとらえ方が非常に大事になるかなと思っております。

もともと知識の一方的な教授をするということであれば、その範囲において目を向ければよかったわけですけれども、学ぶ意欲とか思考力とか判断力、表現力といった瞬間にそれはもう子ども一人ひとりがそういうふうにやってくれなければ、単に「覚えなさい」と言っても進まないのです。子ども一人ひとりに目を向けていくことが必要になるわけです。

近年、教育学も、あるいはカリキュラム関係のことも、心理学の研究成果を生かそうとか、最近では脳科学と結びつけようという動きもあります。そういう他の学問の成果も生かすと、まず、いま勉強していることは自分の勉強なのだという意識を持つことが何より大切だと言われているわけです。

私たちだって、やらされている仕事というのはあまりやりたくないですよね。やはり苦しいけれども自分のものだと思わないと、先に進めないし、工夫も出てきません。

それから、二つ目には自分のものだと思って一生懸命考えたことはそれをやってみる場や機会が欲しくなるのは当然だろうと思います。そういったことを試したり、発表したり、友達と交換したりする場が必要だと思います。そして、できれば教師や地域の人、大人に認めてもらいたいと子どもは思っていると思います。そういう場や機会を作ることが必要だと思います。

三つ目に、そうは言っても、「さあ考えてみなさい」と言っただけでは、それはできない子もいるわけです。どんどん自分でできる子もいるけれども、どうしていいかわからないという子どももいます。そういう子どもに対して問題を解決する足場や手だてが必要だと思います。

今日の話題とは違いますけれども、ある中学校で奉仕活動をやろうということで、子どもたちを町に出せば、障害のある人たちがどんなことに困っているかということにたくさん気付いてきてくれるだろう。そういう予想で、子どもたちを「じゃあ調べてきなさい」といきなり町へ出した。でも、子どもたちは、先生方がねらったところをさっぱり拾ってこなかったのですね。

やはり教師が支えて、仕組んで、手だてを講じて初めて気付いていくとか、わかるとか、広がるということがあるんだろうと思います。そういう支援が必要になってくるということです。

それで、評価についても、知識を中心に覚えるということだけであれば相対評価でよかったわけですけれども、意欲とか思考力などを見るということになると、目標に照らしてどうかということと、総合的な力もありますので、個人内評価を充実するということが大事だろうということが、いま言われています。

もともと高等学校では絶対評価で、目標に照らして評価して単位の認定がされています。これから義務教育においても、絶対評価は絶対評価の趣旨に即してきちんとやる。一方、その子の中での伸びとか広がりというものは個人内評価で見ていくということを大事にしようということになっています。

著名人・有識者が語る

  • プロサッカー選手 中村憲剛さん
  • 脳科学者 中野信子さん
  • 作家 上橋菜穂子
  • 落語家 林家たい平さん
  • 劇作家・演出家・女優 渡辺 えりさん
  • 青山学院大学陸上競技部監督 原 晋さん
  • 東京女子医科大学・先端生命医科学研究所教授 清水 達也さん
  • 元スピードスケート選手/長野五輪銅メダリスト 岡崎 朋美さん
  • 工学博士 石黒 浩さん
  • 日本体育大学教授 山本 博さん
  • 編集者・評論家 山田 五郎さん
  • 作家 荒俣宏さん
  • 医学博士 日野原重明さん
  • 山形弁研究家、タレント ダニエル・カールさん
  • 公認会計士 山田真哉さん
  • タレント パトリック・ハーランさん
  • 精神科医、立教大学教授 香山 リカさん
  • 野球解説者 中畑 清さん
  • 順天堂大学准教授 鈴木大地さん
  • 昭和女子大学理事長・学長 坂東眞理子さん
  • プロスキーヤー、クラーク記念国際高等学校校長 三浦雄一郎さん
  • 明治大学文学部教授 齋藤孝さん
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