金融教育公開授業
平成17年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
金融広報中央委員会
千葉県金融広報委員会
千葉の実施報告
「金融教育公開授業in佐倉(佐倉南高等学校)」
千葉県立佐倉南高等学校において、生活経済ジャーナリストでFPのいちのせかつみ氏を招いて、3年生を対象とした金融教育公開授業が開催されました。
当日は、3年生7クラス247名のほか、保護者、千葉県金融広報委員会関係者等42名の合計289名が参加しました。
金融教育公開授業の開会に当たり、鈴木悦男校長先生は、「携帯電話を巡るトラブルなど、金融・消費者トラブルの被害は高校生にまで及んでいます。今日の授業を自分の実生活に役立てられるよう期待します」と挨拶されました。
公開授業「知らんとアカン!お金の怖~いはなし」
本日の授業は、生徒さんたちが、現在あるいは、将来社会に出たときに、金融・消費者トラブルに巻き込まれないための知識や知恵を身につけることが主な狙いです。先生方の財布の中のカード調べや携帯着メロクイズ、模擬銀行券の枚数数え、はたまた本物の100万円の束まで登場する内容となり、会場は大いに盛り上がりました。
(公開授業の模様)
私たちの財布の中にあるたくさんのカード。クレジットカード、キャッシュカード、お店のポイントカードや会員証など、様々なものがあります。担任の先生方のお財布の中を調べてみると、少ない先生で5枚、多い先生では19枚も入っていました。いちのせ先生は、「カードを作るときは、申込用紙に住所、氏名、電話番号、生年月日など個人情報をいろいろ記入するが、これを基に狙われることも多い。お店で勧誘されて、あまり深く考えずに作ってしまう、ということも多いと思うが、個人情報は、軽々しく出さないことが大事。必要ないカードは作らないようにしよう」と注意を喚起しました。
また、「お金の価値と使い方」について、本物の100万円の束を見せながら、「この100万円を稼ぐには、時給760円のアルバイトで1日3時間、週3回働くとして、約2年10ヶ月も掛かる。お金を使う際には、本当に必要なのか、よく考えるようにしよう」と話しました。そして、スーパーのちらしの上手な見方なども披露しながら、紛らわしい情報に引っかからないように注意を促したほか、いろいろな形態の販売方法に触れながら、消費者を守るクーリング・オフの制度についても説明しました。
また、最近、携帯電話を悪用した架空請求、デート商法など、手の込んだ犯罪が増えていることについても説明しました。それらへの対処法としては、とにかく相手にしないこと、消費者センターや警察などに相談すること、と話しました。
騙されないための5ヶ条
(1) 悪いやつほどよくしゃべる。
(2) 「いらない」とはっきり言おう。
(3) 「見ざる」、「聞かざる」、「言わざる」。
(4) 「クーリング・オフ」を活用する。
(5) 「やばい」と思ったらすぐ相談。
また、高金利の借金がいかに怖いかについても警告しました。ヤミ金融の金利は、雪ダルマ式に増えて返済し切れなくなること、1人暮らしの学生は狙われやすいこと(両親が絶対に返済しようとするので)、従って、大学生や社会人になって1人暮らしになる時は、特に気をつける必要があることなどを注意しました。
さらに、銀行のATMなどでお金を引き出した際の利用明細書の扱いにも注意が必要だと話しました。何気なく捨ててしまう人も多いが、そこに記載されている口座番号などの情報が、ヤミ金などに悪用される事件も増えているので、とにかく自分に関する情報が記載されているものの扱いには、十分注意を払う必要があると強調しました。
最後に、個人破産申立件数が年々増加しているグラフを示しながら、「自分自身が強い気持ちを持って、よく考えて自己責任で行動すること」と、授業を締めくくりました。
受講した生徒さんからは、「金融のことは全く分からなかったので、とても難しいと思っていたが、自分に関わる話もあり、とても面白くて勉強になった」、「携帯電話もカードも、これから気をつけていこうと思う」、「ヤミ金融に引っかかったら大変だと思った」、「自分のためになる授業だった」、などの感想を頂きました。また、保護者の方からも、「これから世の中に出て行く高3生にとても合った内容で、よかった」との感想を頂きました。