金融教育公開授業
平成19年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
広島県金融広報委員会
金融広報中央委員会
広島の実施報告
「金融教育公開授業 in 広島(広島商業高等学校)」(11月7日開催)
広島市立広島商業高等学校は、広島県金融広報委員会より金融教育研究校(18-19年度)の委嘱を受け、同校の情報ビジネス科の3年生を中心に金融教育に熱心に取り組んでいます。
11月7日(水)に開催しました公開授業には、同校の全校生徒のほか、学校関係者、他校教育関係者、同校保護者の皆様など、多くの方々にご参加をいただきました。また、地元新聞社(1社)も取材に訪れました。
▼ 参加者内訳:
生徒645名、開催校教員60名、開催校保護者8名、教育委員会1名、他校教員14名、その他5名、合計733名
1.公開授業
同校の情報ビジネス科の3年生では、担当の船本志葉教諭により「世の中から小銭が消える!?~賢い消費者になるために~」をテーマに授業が行われました。
最初に、電子マネーの種類とメリット・デメリットをグループ毎に調査したものを発表しました。
次に、企業のポイントプログラムについて、消費者側および企業側からの両方の視点からそのメリット・デメリットについて分析しました。まず、消費者の視点に立ち、実際のチラシを使って、通常日と通常日より多くのポイントを加算するポイントデーの価格を比較し、一見得に見えるポイントデーの方が価格が高く設定されているケースがあること、また、航空会社の具体例を挙げて、ポイントには補償がなく、いつでもプログラム変更が可能なため、昨日まで使えていたポイントが突然使えなくなる(価値が低下する)、といった問題点が潜んでいることを確認しました。逆に、企業側の視点から見ると、「ポイント=企業通貨」であるため貸借対照表上では負債となっている一方、ポイントプログラムが顧客吸引力に繋がるため販売促進費としての役割も果しており、損益計算書上では費用にも計上されていることを学習しました。
電子マネーは、便利なツールとしてしか捉えられなくなりがちなので、そこに潜む問題点があるということ、また、一方の視点からではなく様々な視点で考えることで、正しい判断ができることを理解しました。
(公開授業の模様)
2.講演会
公開授業の後、全校生徒、教職員、他校教育関係者、保護者等を対象に住田裕子弁護士による講演「気をつけよう!金融トラブル」が、約1時間半行われました。講演では、契約の意味から始まり、債務不履行、名義貸し、ワンクリック詐欺などの金融トラブルについて、また、多重債務問題の現状やマルチ商法などの悪質商法やそれらから消費者を守る法律について、身近な具体例を挙げて分りやすく解説して頂きました。住田弁護士の途中ユーモアを交えた魅力溢れるお話に、皆さん引き込まれるように興味深く聞き入っていました。
最後に、ご自身が弁護士を目指した理由や当初嫌だった仕事がやってみると面白くなった経験から「続けること」の重要性に触れられたほか、「若者の特権は「わかりません」、「知りません」と言える『恥をかく権利』です。若者は自分自身の商品価値を高めていく必要があります。皆さんの投資先は自分自身です。それは勉強だけではありません。最終的にはコミュニケーション能力を磨くこと、特に人の話を聞く能力が重要です。」と生徒の皆さんに熱いメッセージを送られました。
終了後のアンケートでは、「実生活に結びつく内容で大変良かった」、「トラブルに巻き込まれないためには、毅然とした態度が重要であることがわかった」、「本題のテーマについてのお話も役に立ったが、最後の若者へのメッセージに感動した」といった声が多く寄せられるなど、大好評でした。
(講演会の模様)
3.プログラム
- 13:45~14:35
- 公開授業「世の中から小銭が消える!?~賢い消費者になるために~」
講師:船本志葉教諭(商品と流通、3年) - 14:45~15:00
- 開会挨拶 広島県金融広報委員会副会長
広島市立広島商業高等学校校長 - 15:00~16:30
- 講演「気をつけよう!金融トラブル」
講師:住田裕子氏 - 16:30~16:35
- 閉会挨拶 広島県金融広報委員会事務局長