金融教育公開授業
平成19年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
香川県金融広報委員会
三豊市立麻小学校
金融広報中央委員会
香川/三豊市の実施報告
「金融教育公開授業 in 三豊(麻小学校)」(2月16日開催)
麻小学校校区は、高瀬町の東部に位置し、周囲を山に囲まれた田園地帯です。四季折々の美しい景観は、人々に天然の恵を与え、しかも静寂で最適の教育環境になっており、特に学校の西に位置する朝日山森林公園には多くの木樹が植えられ、子どもたちにとっても「地域学習」に最適の場になっています。このような環境のもと、同校は金銭教育研究校として、平成18年度から2年間、総合的な学習や学校行事等を通じて金融教育に熱心に取組んでいます。
公開授業・講演会には、同校の1~6年生全員(総計132名)および教職員のほか、保護者、近隣の小中学校の先生方など、多くの方々にご参加頂きました。
▼ 参加者内訳:
児童132名、開催校教員14名、開催校保護者87名、学校評議員・他校教員16名、香川県金融広報委員会関係者6名、合計255名
1.公開授業
大勢の参観者が見守る中、すべての学年で公開授業が行われました。
1、2年生の授業(図画工作「しんぶんしであそぼう」)では、日頃家庭で捨てられている古新聞を子どもたちの大好きな造形遊びの材料として活かし、身近にある資源を活用することの大切さを学びました。
3年生の授業(学級活動「お金のねうちを考えよう-アルバイトの模擬体験活動を通して-」)では、自分が行った手伝いに、子ども自身が金額をつけて貯める「お手伝い貯金」と大人のアルバイトの時給を比較し、模擬体験することを通じて、自分のお金に対する意識の弱さや甘さに気づき、お金を大切にする心や親に感謝する心を学びました。
4年生の授業(総合的な学習「EMの世界を広げよう」)では、水をきれいにするひとつの方法としてEM菌の活用があることを学び、環境クリ-ン活動を通じて、人やものに対する感謝の気持ちをふくらませることができました。
5年生の授業(学級活動「お年玉の使い方を考えよう」)では、事前のアンケートで子どもたちのお年玉に対する意識と金銭感覚を把握したうえで、お年玉の金額や使い方について保護者や友だちの考えを生かしながら、適切な使い方について自分の考えを深めました。
6年生の授業(学級活動「アルミ缶を回収して、在校生にプレゼントをしよう!」)では、地道なアルミ缶回収活動で得た収益金で在校生が喜ぶ品物を買うにあたり、必要性や耐久性、金額等の面から有効な使い方について討議しました。
2.研究発表
「お金やもの、そして、働くことの大切さに気づきながら、自ら自己の成長を図る子どもの育成」という研究主題のもと、子どもたちの実態調査の結果 や各学年の年間指導計画、具体的な実践例などが紹介されました。
3.講演会
公開授業、研究発表の後、生活経済ジャーナリストのいちのせかつみ氏による講演「し・ご・とってナニ?お・か・ねってナニ?」を開催し、3~6年生の子どもたちと保護者が参加しました。
はじめに、いちのせ氏が「何のために働くの?」と質問すると、子どもたちは口々に「お金のため!」と答えました。そんな子どもたちに「『はたらく』という字は、『傍・楽』とも書け、まわりの人たちを楽しく、楽にさせるという意味がある。また、漢字の『働』は、『人が動く』ということであり、一生懸命に体を動かすということである。すなわち、お父さん・お母さんが自分のためだけではなく、家族みんなのために、家族の喜ぶ顔が見たくて一生懸命働いてくれているということでもあり、決してお金のためだけではない」と説明されました。
また、子どもたちが将来なりたい職業をランキング形式で紹介したあと、先生自身が将来なりたかったという「たこやき屋さん」という仕事を例に挙げ、「たこやき一つ作るのにたくさんの材料(青のり、たこ、卵、小麦粉、きゃべつなど)が必要であるように、その材料に携わる仕事(漁師、農家、スーパーの人など)も様々である。そのどれか一つ欠けても、たこやきは作れない。いろいろな人、ものが関わりあって『仕事』というものが成り立っているということを忘れずに、『働く』ということを自分なりに考えてもらいたい」と話されました。
最後に、「自分の将来の夢があったらすぐに諦めるのではなく、しっかり前を向き、努力をして前進していって欲しい。今、学校で色々なことを勉強していることは、将来の夢の実現へ向けた小さな種であり、それを一つ一つ積み重ねていくことで大きな種=夢の実現へと繋げていって欲しい」と締めくくりました。
いちのせ氏の講演に対して、子どもたちからは「改めてお金と仕事の大切さを感じました。自分も夢を持って頑張りたいです」、「たこやき一つから色々な仕事が考えられ、働くことの大変さがよく分かった」といった感想が寄せられました。
保護者等からも、「たこやきから様々な仕事に目が向けられ、子どもたちも私もとても興味深く、楽しい講演でした。子どもに夢を持って頑張って欲しいと思いました」、「子どもがこれからの将来について考えるきっかけになるいいお話でした」などのコメントが寄せられました。
4.プログラム
- 13:50~14:35
- 公開授業
1・2年生 図画工作「しんぶんしであそぼう」
3年生 学級活動「お金のねうちを考えよう-アルバイトの模擬体験活動を通して-」
4年生 総合的な学習「EMの世界を広げよう」
5年生 学級活動「お年玉の使い方を考えよう」
6年生 学級活動「アルミ缶を回収して、在校生にプレゼントをしよう!」 - 14:45~14:50
- 開会挨拶 香川県金融広報委員会会長 渡辺賢一郎
- 14:50~15:05
- 研究発表 三豊市立麻小学校教諭 井下震二
- 15:10~15:55
- 講演「し・ご・とってナニ?お・か・ねってナニ?」
講師:生活経済ジャーナリスト いちのせかつみ氏 - 15:55~16:00
- 閉会挨拶 三豊市立麻小学校校長 山下節夫