金融教育公開授業
平成19年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
宮城県金融広報委員会
大崎市立にじの子幼稚園
金融広報中央委員会
宮城の実施報告
「金融教育公開授業 in 宮城(大崎市立にじの子幼稚園)」(2月5日開催)
大崎市立にじの子幼稚園は、宮城県金融広報委員会から金銭教育研究校(18-19年度)の委嘱を受け、「生きる力の基礎を培う金銭教育 ~五感を使い、人やもの(お金)とかかわる活動を通して~」をテーマに、家庭や地域と連携しながら熱心に金銭教育に取り組んできました。
2月5日(火)に開催しました公開授業には、同園の4歳児、5歳児49人のほか、幼稚園・学校関係者、保護者および地域の皆様など、多くの方々にご参加をいただきました。また、地元テレビ局(2社)、新聞社(3社)も取材に訪れました。
▼ 参加者内訳:
園児49名、開催園教員5名、開催園保護者48名、教育委員会9名、他校教員17名、地域の方々等27名、合計155名
1.公開保育
お家ではどんなおもちゃで、どんな遊びがくりひろげられているのでしょう。
今回は身近にあるものを使って<リユース、リサイクル、リデュース>、自分の手で片手使い人形を作り<おもちゃづくり>、お話を演じてみるという一連の遊びを展開しました。
ポイントは5点。
- (1)身近にあるもの(使用済み封筒、包装紙、リボン等)を再利用して、買わずに楽しく造形しながら遊ぶ
- (2)あるものからイメージを広げ、多様な使い方を模索(みたて遊び)して創造力を醸成
- (3)絵本から劇遊びに発展させ(声、体を使った遊び)、お互いの存在や動きを感じ合いながらの表現
- (4)仲間と目的をもってひとつのことを成し遂げる楽しみ方の共有
- (5)生活の点検をし、お金、物、時間等の使い方を見直すことで、さらに豊かな暮らし・遊び方を提案
力をあわせて「大きなかぶ」を演じる子供たちのいきいきとした表情が印象的な公開保育でした。
(公開保育の模様)
2.講演会
プログラムの最後に、「ものやお金を大切にする子どもの育て方」と題して岐阜大学教育学部教授である北俊夫氏による1時間の講演がありました。
金融環境が大きく変化して、カード社会といわれるようにお金が見えにくい現象が進行しており、お金をめぐるトラブルも増加している。こうした社会情勢の中、子供たちには「金融教育」が非常に重要になってきている。
金融教育は幼稚園児には難しいのではないかとか、必要ないのではないかとも言われるが、幼児期の段階から少しずつ子供の発達段階にあわせて教育することが重要であり、成人になってから社会のルールについて指導しても遅い。金融教育は、子供たちが社会での生き方を学び、「生きる力」につなげるための教育で、決して特別な教育ではない。
この他、テーマ1として、金銭教育研究校委嘱幼稚園の実践例である「お店やさんごっこ」や「わくわくお買い物体験」の紹介、テーマ2として子供たちの心に響く育て方の提案、テーマ3として金融ガイドブックから幼稚園における指導事項の紹介がありました。
参加者からは、わかりやすいお話で、幼稚園における活動との関連性がよく理解でき、カリキュラムの方向性や目標をきちんと意識しながら保育することの重要性を改めて学ぶことができたという意見や、お金にかかわる現状と子供たちに今後何が必要なのかということがみえてきて、さっそく実践に生かしたいという声が多くきかれました。
(講演会の模様)
3.プログラム
- 10:00~10:45
- 公開保育「つくったものをいかして絵本『大きなかぶ』を演じる」~身近にあるものを使った教材づくりと場の共有
講師:ハート&アート空間 “BeI” 代表 関口怜子氏 - 11:10~11:25
- 開会挨拶 宮城県金融広報委員会幹事(宮城県環境生活部生活・文化課長) 白石光雄
宮城県大崎教育事務所長 佐藤信男
大崎市立にじの子幼稚園長 青沼拓夫 - 11:25~12:15
- 研究発表・研究協議 「生きる力の基礎を培う金銭教育」~五感を使い、人やもの(お金)とかかわる活動を通して
発表者:大崎市立にじの子幼稚園教諭 佐々木優美 - 12:15~12:30
- 指導講評 宮城県大崎教育事務所主幹(指導主事) 菅原久美
- 13:30~14:30
- 講演「ものやお金を大切にする子どもの育て方」
講師:岐阜大学教育学部教授 北俊夫氏 - 14:30~14:40
- 閉会挨拶 大崎市教育委員会教育長 伊東敬一郎