金融教育公開授業
平成21年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
宮城県金融広報委員会
登米市立中田幼稚園
金融広報中央委員会
宮城/登米市の実施報告
「金融教育公開授業 in 宮城(中田)(中田幼稚園)」(10月28日開催)
登米市立中田幼稚園は、広い園庭と草花や木々に囲まれた自然豊かな環境の中にあります。このため、同園では、このような恵まれた環境を生かして、幼児が自然に親しむことにより自然の不思議や感謝の心を培うことができる教育を行ってきました。
10月28日(水)に同園において公開保育が開催されました。
当日は、午前中、「エコで楽しく」をテーマに、全園児を対象に公開保育を行いました。そのあと、同園による研究発表及び質疑応答、宮城県東部教育事務所登米地域事務所の工藤孝行次長による指導講評、生活経済ジャーナリストのいちのせかつみ氏による講演がそれぞれありました。
▼ 参加者内訳:
1.公開保育
エコな素材を遊びに取り入れ、「エコで楽しく(お店屋さんごっこをしよう)」をテーマに公開保育を実施しました。
4歳児、5歳児が工夫して作った物を遊びに取り入れ、見立て遊びをする楽しみを味わいながら、互いにかかわりあい、協力して遊びを進める保育を展開しました。また、買った品物を大切に扱って遊ぶことや遊んだ後の片付け、後始末の仕方を考えさせる内容でもありました。
参観した保護者から「5歳児が自分たちの役割をきちんと理解し、店員になったり、4歳児の世話をしており、自然な姿に感動しました」。また、「『ものを大切にする!』ということは大人になってからでは遅いと思います。小さいうちからのしつけとして楽しく遊びの中で育んでいくことにとても共感いたしました」といった感想が寄せられました。
2.研究発表・質疑応答、指導講評
同園の金銭教育の研究は、「人・物・自然」を「もの」と捉えて、これらを大切にする心と態度を養えるように様々な取り組みを行ってきました。
幼児は、人や物、自然とかかわりあいながら遊び、その中で優しさやたくましさを身につけていき、感謝の心や「もの」を大切にする心が芽生えていくものです。こうした点を踏まえ、幼児が多くの友達と優しくかかわって遊ぶには、どのような人的環境づくりがよいのか、また幼児が豊富な物に囲まれて生活している中で、物に愛着を感じてそれを大切にする心を養うにはどんな援助ができるのか、探ってきました。
1年間の指導の結果、幼児の「物」とのかかわりは充実できたが、異年齢児を中心とした「人」とのかかわりや自然とのかかわりが課題として残ったため、今年度はこれらに重点を置いて実践を進めていると発表がありました。
これに対し、東部教育事務所登米地域事務所次長から次のような講評がありました。
1)研究のテーマは、時代の現状や新幼稚園教育要領を捉えて、時宜にかなったものと言える。
2)視点や手だて等がしっかりしていて、研究の深まりが感じられた。
3)人・物・自然とかかわる年間指導計画を歳児ごとに作成してあったのはよかった。
4)中田幼稚園の環境を生かし、五感を働かせて遊ぶ幼児の姿がよかった。
5)教師は、教師の役割をしっかり捉え、協働の姿勢が見られた。
3.講演会
午後から、いちのせかつみ氏に、「親子で考える、お金って何? ~ものを大切にする子どもを育てるために」と題する講演をしていただきました。
金銭教育を進めるためには親子で取り組むことが大切で、将来、様々な金融トラブルに巻き込まれないように幼い頃から金銭教育が必要であり、お金について率直に話し合う機会を持つことがとても重要だと話されました。
お金に関してなかなか踏み込んだ話が苦手という参加者が大きくうなずいていました。終了後、「正に我が家でお金について子供たちに使い方などを教えている時だったのでとても参考になった」「『子は親の背中を見て育つ』という事を再度認識させられた」「お金の使い方では失敗させることも大切であることを知った」といった感想が聞こえました。
4.プログラム
- 9:45~10:30
- 公開保育「エコで楽しく(お店屋さんごっこをしよう)」
指導者:登米市立中田幼稚園全教員 - 11:00~11:15
- 開会あいさつ 宮城県金融広報委員会幹事 前田慎一
登米市立中田幼稚園園長 黒田律子 - 11:15~12:00
- 研究発表・質疑応答「すすんでものを大切にする幼児の育成 ~人・物・自然とのかかわりを通して」
発表者:登米市立中田幼稚園教諭 伊藤まゆみ - 12:00~12:20
- 指導講評 宮城県東部教育事務所登米地域事務所次長(指導主事) 工藤孝行
- 13:10~14:20
- 講演「親子で考える、お金って何? ~ものを大切にする子どもを育てるために」
講師:いちのせかつみ氏 - 14:20~14:30
- 閉会あいさつ 登米市教育委員会教育長 佐藤壽昭