金融教育公開授業
平成21年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
群馬県金融広報委員会
利根沼田学校組合立利根商業高等学校
金融広報中央委員会
群馬/利根郡の実施報告
「金融教育公開授業 in みなかみ(利根商業高等学校)」(12月16日開催)
利根沼田学校組合立利根商業高等学校は、わが国産業の発展に寄与する新しい商業人を育成することを目標とし、生徒の個性、能力を伸長させるための教育を行っています。特徴として、二学期制を取り入れ、入学後の生徒の適性に合わせて、地域経済科、国際経済科、情報経済科にクラス編成をするなどして、生徒の育成を支える授業を万全な体制で行っております。
特色ある授業の一つに、全校生徒と教職員が参加する「模擬株式会社『利根商峻嶺祭』(とねしょうしゅんれいさい)」があります。これは、商業で学んだ知識・技能を活かし、同校で開催する商業祭「利根商峻嶺祭」(今年度は11月14日(土)開催)のために、全校生徒と教職員が株主となり「模擬株式会社」の企画・運営を行うものです。すでに準備段階として、6月には「前期株主総会(創立総会)」を開催し実施方針や事業計画などの決議を行いました。
12月16日(水)に開催された公開授業では、株主(つまり全校生徒と教職員)に「後期株主総会招集」を通知し「利根商峻嶺祭」の事業報告や会計監査結果報告など経営の疑似体験を行いました。
講演会は弁護士の住田裕子氏から「身近に潜む若者の金融・消費者トラブル」と題し、利根商生徒卒業後の進路(4割が就職<ほぼ県内>、6割が進学<うち7割が県内に進学>)に併せて実情を考慮したご講演をして頂きました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
11月14日に開催した「利根商峻嶺祭」の事業報告や会計監査報告などを行いました。
「利根商峻嶺祭」は各クラス2店舗ずつ出店し、生徒達が立てた目標集客数や売上目標・利益目標を達成するため、商品や価格の決定、仕入業者との打ち合わせを行ってきました。また、百貨店販売促進課長による販売員心得指導などを受講し当日に備えました。しかし、残念ながら、当日の天候不良の影響も受けてか、売上目標・利益目標を達成できない店舗があり、予想に反した厳しい事業報告となりました。
「利根商峻嶺祭」を通して生徒達は、会社組織の仕組みや商品販売の予想が困難であること、お客様の立場に立った接客の重要性など、会社経営の大変さを身をもって学習することができました。
一般参加者からは、「実社会に出た時に、役立つ取り組みだ」「この授業内容の有難みを大人になった時に覚えていてほしい」「生徒達が総会について勉強したことが伝わってきた」などの感想が寄せられておりました。
2.講演会
弁護士の住田裕子氏に「身近に潜む若者の金融・消費者トラブル」と題して講演をして頂きました。
「契約とは?」からはじまり、生徒達同士がついしてしまいそうな口約束、親切心で貸してしまったクレジットカードの請求、健康の心配・不安をあおりながらの物品販売など、生活に身近な被害の具体例を挙げて、トラブルを防ぐポイントを歯切れの良い口調で説明されました。住田氏は、今話をしているようなことが身近におきたら、近くの消費生活センターにすぐ相談するようにとアドバイスされました。
また、住田氏は公開授業「模擬株式会社利根商峻嶺祭株主総会」にも触れ、「利根商峻嶺祭」がいろんな意味で成功した理由として、「みんなの努力」と「人件費が0(ゼロ)だったから」と指摘されました。「アルバイトを雇ったら人件費がかかります。皆さんの労働力は0じゃない。労働は人の命がかかった大切なものです。皆さんは『労働基準法』という法律に守られています」と、働くことについての法律問題も簡単に解説されました。
また講演後の閉会挨拶で、群馬県消費生活センター所長を兼ねている群馬県金融広報委員会事務局長が、高校を卒業したばかりの若者から相談が多い実情にも触れ、正しい消費者知識の必要性を伝えました。
3.プログラム
- 13:30~14:20
- 公開授業 「模擬株式会社利根商峻嶺祭株主総会」(全校生徒)
- 14:25~14:30
- 開会挨拶 利根沼田学校組合立利根商業高等学校校長 福室秀一
- 14:30~15:30
- 講演「身近に潜む若者の金融・消費者トラブル」
講師:住田裕子氏 - 15:30~15:35
- 閉会挨拶 群馬県金融広報委員会事務局長 野本守利