金融教育公開授業
2011年度 金融教育公開授業(全国リレー講座)
群馬県金融広報委員会
桐生市立商業高等学校
金融広報中央委員会
群馬の実施報告
「金融教育公開授業 in 桐生(商業高等学校)」(12月21日開催)
桐生市立商業高等学校は、昭和15年に創立した70年余の伝統を誇る専門高校で、現在、商業科と情報処理科の2学科を設置しています。教育目標として「文武両道を目指し、ビジネスにおける専門性を生かした教育の充実」を掲げ、きめ細やかな指導体制のもと、簿記や情報処理関係の資格取得人数では、常に県内でトップクラスの実績を残しており、バレーボールやバドミントンの強豪校としても知られています。
12月21日(水)に、各学年1クラスで金融教育の公開授業を行いました。午後には、会場を学校近くの桐生市市民文化会館に移して、生徒による研究発表と弁護士の住田裕子氏による講演会を行い、全校生徒、保護者および教育関係者などが参加しました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
午前中に各学年の1クラスで公開授業を行いました。1年生は、「ビシネス計算」として、複利と単利の利回り計算の違いを電卓を用いて行い、年数の経過に伴って両者に大きな差が生じることを確認しました。2年生は、「金融と実生活の関わり」として、クレジットとローンに関する基本的な知識やクレジットカードを使う場合に注意すべきことなどを学びました。
3月に卒業する3年生では、4月から通学や通勤で車を利用する生徒も多いことから、「社会人になるための経済学」として、車を取りあげました。新車を購入する場合には、車両本体だけでなく、税金や自賠責保険など様々な経費がかかること、事故を起こした場合に備えて任意保険にも入る必要があることなどを学びました。
2.生徒研究発表
公開授業の後、以前から桑茶入り食品の開発など地元に密着した活動をしている同校のビジネス研究部が「新たなあゆみ、絆とともに」と題し、夏に商店街と連携・企画し、初めて開催した「キズナフェスタ2011」の活動を報告しました。
「キズナフェスタ」という名前は、同研究部が実施した商店街調査で「人通りが少なく、シャッターを閉めたままの店が目立った」ことから、「商店街と協力して多くの人を呼ぼう」「いろいろな人に、ふれあおう」と考え、名付けたものです。
イベントでは、街のにぎわいを取り戻すために、まず、気軽に店内に入ってもらうことが大切と考え、商店街の10の店で地元桐生のクイズに答えるスタンプラリーを実施したほか、街の広場に桑茶うどんやヨーヨーすくいなどを出店、桑茶や七夕飾りの作製などを行い、「高校生の力で商店街の活性化」を図ることができたと、生き生きとした自信に満ちた表情でイベントの成果を報告しました。
3.講演会
研究発表の後、住田裕子氏から「金融トラブルから身を守ろう」と題する講演が行われました。住田氏は、まず生徒の研究発表に対して、「若い人達が中心になってこれからも『絆』を大切にしていけば、きっと街の活性化に結びついていく」と生徒たちの活動に大きな期待の声を寄せてくださいました。
次に、契約の意義、契約者の責任、契約を結ぶ意思はあったか、またその意思は自由な意思だったか、強制や不意打ちはなかったか、という点について、具体的な例を上げて説明されました。また、サラ金やクレジットカードなどのトラブルが若者に多いと話され、これを防ぐポイントを説明されました。
結びに、「若者の特権である『恥をかく権利、知らないので教えてくださいと言える権利』を大切にしてほしい」と述べられました。
生徒たちからは「何かおかしいことがあったらこの講演を思い出す」「難しい話かと思っていたけど、将来に役立つ講演が聞けて良かった」といった感想が多数寄せられました。
4.プログラム
- 10:55~11:45
- 公開授業
「社会人になるための経済学」(3年生・LHR)
授業者:桐生市立商業高等学校教諭 田村智子
「金融と実生活の関わり」(2年生・現代社会)
授業者:桐生市立商業高等学校教諭 齋藤哲男
「ビジネス計算」(1年生・ビジネス基礎)
授業者:桐生市立商業高等学校教諭 後藤敬 - 13:30~13:40
- 開会挨拶
桐生市立商業高等学校校長 林康宏
金融広報中央委員会会長 小林信介 - 13:40~14:00
- 生徒研究発表
「新たなあゆみ、絆とともに」(ビジネス研究部) - 14:00~15:10
- 講演「金融トラブルから身を守ろう」
講師:住田裕子氏 - 15:10~15:20
- 閉会挨拶 生徒代表謝辞