金融教育公開授業
2011年度 金融教育公開授業(全国リレー講座)
新潟県金融広報委員会
長岡市立富曽亀小学校
金融広報中央委員会
新潟の実施報告
「金融教育公開授業 in 長岡(富曽亀小学校)」(11月16日開催)
長岡市立富曽亀小学校では、新潟県金融広報委員会より金融教育研究校(22・23年度)の委嘱を受け、金融教育に取り組んでいます。
同校では、【(1)子どもたちが家庭や社会における金融に関する活動に関心を持ち、お金の役割や働くことの意味について基礎的な知識や技能を身に付けること、(2)望ましい消費生活や将来設計のあり方を考えようとする意欲と態度の基礎を養うこと】を金融教育の目標に掲げ、委嘱当初から数回に渡る職員研修を通して学校生活全体を金融教育の視点から見直し、様々な活動を再構築しながら積極的な実践活動を展開してきました。
当日は、2・3・5年生による公開授業を実施、その後ダニエル・カール氏による「お金の上手な与え方・使い方~日本とアメリカの違いから」と題した講演会が行われました。
▼ 参加者内訳:
児童(2・3・5年生)89名、開催校教員33名、開催校保護者130名、他校教員72名、地域の方々3名、合計327名
1.公開授業
3年生の公開授業「見直そう わたしたちの買い物」では、500円と限られた予算の中で、子ども達が工夫や相談をしながら、クリスマス会のケーキに入れる果物を買うという擬似体験の授業が行われました。
子ども達は、家の人から上手な買い物をするための工夫等を聞き、それらを参考にしながら、限られた予算の中でいかに上手に買うかを、班で相談をして買い物をしていました。「缶詰だと多くの種類が買えるよ」「同じ果物でも国内産は高いから買えないけど外国産は安いから買えるかな」「イチゴは高いから隣の班と半分にしよう」等々を話し合い、よりよい買い物をするための様々な工夫をしていました。3年生にとってトレードオフという概念を学習する授業となりました。
授業後の子ども達からは「予算を決めて買い物する大変さがわかった」「お金には限りがあるから使っていいお金と使ってはいけないお金があると思った」などの感想がきかれました。
2.講演会
ダニエル氏は、「お金は、家事や家畜の世話などをして得るものだということを6歳の頃から体験を通して学んでいた。だから、初めて日本に来た時、ホームスティ先の子どもが、親に『お金をちょうだい』と手を差し出し、親が簡単にお金を与える光景に衝撃を受けた」と述べられました。
ダニエル氏は、賃金を得るための契約を父親と交わして、初めて契約について学んだと話され、「契約違反をすると労働をしたにも拘わらずお金は一切もらえなかった。契約がどういうものかを身を持って経験した」と話されました。
また、「父親からは日々の生活を通して、税金やローン、クレジット等様々な金融の仕組みについても教えてもらい、それが自分の中で知識として蓄積されていった」と強調されました。
「日本がアメリカと大きく違うのは、『お金の話は人前でしない。お金は汚いものだ』と多くの人が思っている点です。学校の校則についても、日本の高校ではアルバイトも運転免許の取得も禁止ですが、アメリカではそれらを奨励しています。なぜなら、アメリカの高校は、子ども達が大人になるために必要な知識を学ぶ教育の場となっているからです。子ども達がお金について知識を得ることは、大人になって失敗したり、様々なトラブルに巻き込まれないためにはとても大切なことです。日本でも小さい頃から家庭や学校でお金について話をする金融教育が必要です」と説明されました。
講演会に参加した保護者からは、「自分を振り返ると、社会に出る前にお金に関する様々な話を聞きたかった。ダニエルさんの話にとても共感できた」「子どもの頃からお金や社会の仕組みについて、正しい知識を子どもの体験を通して伝えることの大切さを感じた。大変勉強になった」「子どもにもっとお金の話をしてあげたいと思った」等、「とてもよかった」との感想が多く寄せられました。
3.プログラム
- 13:15~14:00
- 公開授業
(1)「こうたのあさ」(2年4組・道徳)
(2)「見直そう わたしたちの買い物」(3年4組・社会)
(3)「じょうずに使おう 物やお金」(5年3組・家庭) - 14:15~15:00
- 金融教育協議会(分科会)
- 15:10~15:15
- 開会挨拶
長岡市立富曽亀小学校校長 飯田満
新潟県金融広報委員会事務局長 橋本友也 - 15:15~16:30
- 講演「お金の上手な与え方・使い方~日本とアメリカの違いから」
講師:ダニエル・カール氏 - 16:30~16:35
- 閉会挨拶 長岡市立富曽亀小学校PTA代表 河合浩光