金融教育公開授業
2012年度 金融教育公開授業
山梨県金融広報委員会
山梨県立塩山高等学校
金融広報中央委員会
山梨/甲州市(塩山三日市場)の実施報告
「金融教育公開授業 in 山梨(塩山高等学校)」(2月13日開催)
山梨県立塩山高等学校は、普通科と商業科のある総合制高校です。豊かな自然環境の中、和敬・叡智・創造を校訓に、一人一人の個性を尊重した教育を行っている地域に密着した学校です。
同校は、平成24年度に山梨県金融広報委員会から金融教育研究校の委嘱を受け、2月13日(水)に一年目のまとめとして金融教育、消費者教育、キャリア教育の視点から公開授業と研究協議を行いました。また、(有)加賀屋感動ストアーマネージメント代表取締役の加賀屋克美氏による講演会を開催し、全校生徒が参加しました。
▼ 参加者内訳:
1.講演会
公開授業に先立ち、加賀屋克美氏による「日米のディズニーで学んだ感動のサービス」と題する講演会が行われました。
加賀屋氏は、日米のディズニーでの自らの就業経験を具体的なエピソードを交えながら語り、働くことの意義、夢をあきらめずに持ち続けることの大切さ、思いやりや優しさの貴さを伝えました。
生徒からは、「働くという意味をあらためて知ることができた」、「サービスについてのエピソードに感動した。一生懸命働くことはすばらしいと思った」との声が多く聞かれました。また、参観者からは、「生徒が興味を持てるテーマを通して、働くことの意義や楽しさを学ぶことができたと思う」といった感想が寄せられました。
2.公開授業
(1)「社会を知る 学年発表」(1年生・総合的な学習の時間)
これまで行ってきた取り組みを踏まえて、自分の将来や社会的な課題をテーマとし、「将来なりたい職業ベスト5」や「ニートになる理由」など、生徒たちが自ら考え、調べてきた結果を班ごとに発表しました。フリーターと正社員にはどのような違いがあるか、ニートが増加した背景は何かなど、質疑応答も活発に行われました。
(2)「借金と自己責任」(2年4組・公民・現代社会)
奨学金の返済という身近な問題を題材とした授業を行いました。生徒たちは、滞納が多いといった社会問題を知ることを通じて「借金に対する自覚、自己責任」の大切さを学び、また返済額の計算を自ら行うことを通じて「借金に関する金銭感覚」を高めました。
(3)「消費社会を生きる」(2年6組・家庭・家庭総合)
ワークシートを用いながら生徒が参加する形で、経済社会(給与額、物価など)の変化を過去から辿ったうえ、ライフサイクルにおけるイベントやアクシデントへの備えの大切さと方策を学びました。その後、それぞれの生徒が将来の実生活をイメージして、収入と支出を意識しながら計画的な人生設計・家計プランを作成することにチャレンジしました。
(4)「金融と私たちの暮らし」(3年生・総合的な学習の時間)
財布の中身を手掛かりに、お金の単位、価値や大切さを見つめ直しました。また、日本における個人金融資産の状況を確認しました。そのうえで、生徒たちは、健全な社会生活を送るために大切な政府(税金)の役割や金融経済のしくみなどを学びました。
(5)「金利について」(3年6組・商業・商業技術)
これまでの授業で学んだ知識を活かし、単利・複利の計算問題、分割払い・リボ払いの総返済額の計算などに取り組みました。このような実践を通じて、実生活に活かせる技能を高めました。
3.実践報告・研究協議
研究校初年度の取り組みとして、1)7月に生徒に対し金銭観や金融経済知識についてのアンケートを行ったこと、2)そこで判明した生徒の実情を勘案し、金融経済の基礎的な知識の習得、生活設計・家計管理の基礎作りを意識的に生徒たちに促す授業を各教科、総合的な学習の時間で行ったこと、3)1月に再度行ったアンケートでは、生徒の金融経済への理解が進んでいたこと、などが報告されました。
その後、多くの教育関係者等が参加して研究協議を行い、単に教材の知識を詰め込むだけではなく、実社会で活かせる力を高めていくための指導上の工夫が重要であるとの認識が共有されました。
4.プログラム
- 12:10~13:30
- 講演「日米のディズニーで学んだ感動のサービス」
講師:加賀屋克美氏 - 13:50~14:50
- 公開授業
(1)「社会を知る 学年発表」(1年生・総合的な学習の時間)
(2)「借金と自己責任」(2年4組・公民・現代社会)
(3)「消費社会を生きる」(2年6組・家庭・家庭総合)
(4)「金融と私たちの暮らし」(3年生・総合的な学習の時間)
(5)「金利について」(3年6組・商業・商業技術)
授業者:山梨県立塩山高等学校教諭
山崎泰子、数野よし子、飯島容子、伊藤雅英、水元晴香ほか - 15:05~16:30
- 実践報告・研究協議
開会挨拶
山梨県立塩山高等学校校長 神津幸穂
山梨県金融広報委員会事務局長 谷原章文
実践報告
山梨県立塩山高等学校研究主任 廣瀬志保
講評
山梨県教育庁高校教育課指導主事 辻三智彦、清水規与美
閉会挨拶
山梨県立塩山高等学校教頭 斉藤秀