金融教育公開授業
2016年度 金融教育公開授業
宮城県金融広報委員会
宮城県宮城広瀬高等学校
金融広報中央委員会
宮城の実施報告
「金融教育公開授業 in 宮城(宮城広瀬高等学校)」(10月19日開催)
宮城広瀬高等学校は、そばを広瀬川が流れ、周囲には県立こども病院、拓桃支援学校、中小企業大学校がある落ち着いた環境の中にあります。「自律」「自照」「自愛」を校訓とし、ボランティア活動にも積極的に取り組んでいます。
10月19日(水)に金融教育公開授業を開催し、2年生・3年生を対象にした公開授業と、山田真哉氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.研究発表
金融教育研究校の委嘱を受け、研究主題を「金融を取り巻く現状を理解し、経済主体の一員として、自ら考え行動できる生徒の育成」とし、金融教育の研究に取り組んできました。
全学年・全生徒を対象とし、公民・家庭・商業の各教科が横断的に取り組んできました。「金利」に着目し、貯蓄、資産運用、ローン、保険、年金など金利が関わる場面で健全な意思決定・行動ができる力を身に付けさせることを意識しました。
生徒にアンケートを実施し、その結果を踏まえて指導を進めてきました。2年間で、金融のしくみを理解し、確かな運用や賢い消費行動をとることができる力が身に付いてきていると思います。金融教育を行ったことで、主体的に考え行動できていると感じる場面があり、社会に出たときに役立つ効果的な教育であると感じました。
2.公開授業
(1)「金融機関と市場とのかかわり わたしたちの生活への影響を考える」
3年生の政治経済で、「もしお金の貸し借りが犯罪だったら、どうなるか」とのテーマで、グループで意見交換しました。「銀行員になって融資をしてみよう」とのシミュレーションでは、結婚資金が必要な先生、コンビニを開く友だち、売れている芸能人、売れなくなった芸能人から融資を申し込まれたら、貸すか貸さないか、貸すときは金利をいくらにするか、などをグループで考えました。金融の役割に対する関心を高め、理解を深めました。
(2)「ライフステージと経済計画 豊かな人生を送るために」
2年生の家庭基礎で、すごろく形式の「ライフサイクルゲーム」を使い、これからの人生でどのようなこと(ライフイベント)が起こり、どのようなこと(リスク)に気をつけて、どのような備え(貯蓄、保険、年金など)をしていかなければいけないのか、4人ずつのグループでゲームを楽しみながら学んでいきました。消費者被害に遭ったら家族や消費生活センターに相談すること、社会の構成員として責任ある行動をとるべきことなども学びました。
(3)「金融をとりまくパーソナルファイナンス『お金を借りる、将来に備える』について考える」
3年生のビジネス基礎で、普通銀行の3大業務のひとつ「貸出」から、個人・企業の立場から「お金を借りる」ことや金利に対する適切な考え方を身に付けるため、グループワークとプリントを使用して利用の方法や留意点を学習しました。
人生の中でどのような時にお金を借りることがあるか、もし金融機関の「貸出」がなかったらどうなるかを考えるとともに、金利が返済総額にどのように影響するかを学びました。ペアになって、銀行員と借入申込者の立場でやりとりしたり、電卓を使って元利均等返済と元金均等返済を比較するなどして、理解を深めました。
3.講演会
公開授業の後、山田真哉氏から、「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?~明日から使える高校生会計学~」と題する講演が行われました。
「買い物する時にどちらがお得か?」等、会計の考え方に関する設問を出題しながら、一問ずつ生徒に考えさせ、資料に沿って解説をする形で進められました。
まとめとして、人は値引きや特別という言葉に弱く、お得に感じてしまう傾向にあるが、会計はそのような感情を排除し、勘定で考える金額重視のツールであると説明されました。
また、著書の「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の内容を踏まえつつ、お店の経営には「不定期高収入」と「定期低収入」のバランスをとることが重要であると話されました。
会場の全員に挙手をさせたり、教員に回答を求めたりと、参加型の講義で、参加者は真剣に聞き入っていました。
生徒からは「一見お得そうに思えるキャッチフレーズに惑わされないようにしようと思った」「たとえが高校生でもわかるようなもので理解しやすかった」といった感想が寄せられました。
4.プログラム
- 9:25~ 9:45
- 研究発表
「金融を取り巻く現状を理解し、経済主体の一員として、自ら考え行動できる生徒の育成」
発表者:宮城県宮城広瀬学校教諭 佐藤静江 - 10:00~10:50
- 公開授業
「金融機関と市場とのかかわり わたしたちの生活への影響を考える」(3年生 政治経済)
「ライフステージと経済計画 豊かな人生を送るために」(2年生 家庭基礎)
「金融をとりまくパーソナルファイナンス 『お金を借りる、将来に備える』について考える」(3年生 ビジネス基礎)
授業者:宮城県宮城広瀬学校教諭 木口秀樹、千葉尚美、佐藤静江 - 11:15~11:25
- 開会挨拶
宮城県宮城広瀬高等学校校長 浅野雅子
宮城県金融広報委員会幹事 日野和典 - 11:25~12:45
- 講演「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?~明日から使える高校生会計学~」
講師:山田真哉氏 - 12:45~12:50
- 閉会挨拶
宮城県宮城広瀬高等学校生徒代表 阿部聡美